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Thursday, January 30, 2014

『明日、ママがいない』考

【1月30日特記】 慈恵病院がクレームをつけて以来、NTVのドラマ『明日、ママがいない』が大きな騒ぎになっている。

如何せん、僕はそのドラマを一度も観ていないので、中味の詳細については何も言えない。

ただ、僕も放送局に勤める人間のひとりとして、一般論としては「ドラマなんだから、フィクションなんだから、そんなに縛られても困る」と感じているのも確かだし、「最後まで観てから批判してほしい」という制作者の気持ちも充分理解できる。

ただ、今日ネット上でいろんな記事を読んでいるうちに、少し考えが変わってきた。

実際に過去にいじめに遭ってきた人が、『明日、ママがいない』を観たために過去の記憶が“フラッシュバック”してきて、過呼吸に陥ったり、気を失ったり、あるいはリストカットに走ってしまったという例が現実に出ているという。

そうなってくると、「ドラマなんだから」というひと言では却々済ませにくくなってくる。

「そんなことになるんなら、観なきゃいいじゃないか」というのはある意味正論なのだけれど、いじめられた経験があるからこそ気になって観てしまうのだそうだ。そう言われると、正直俄に対応は悩ましくなってくる。

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Tuesday, January 28, 2014

映画『バックコーラスの歌姫たち』

【1月28日特記】 映画『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』を観てきた。観たかったのに見逃したなあ、と思っていたら会社の近くで今週金曜日まで上映していたので。

観て本当に良かった。

インタビューとフッテージで構成した、タイトル通りのドキュメンタリである。アメリカのポップスやロックの名曲をバックで支えてきたコーラスの黒人シンガーたちにスポットを当てている。

僕は音楽もののドキュメンタリで一番大切なことは、音楽というものの素晴らしさを伝えることだと思っている。それがビンビン伝わってきた。魂を揺さぶられた。

冒頭、ブルース・スプリングスティーンが出てきて、彼独特のちょっと偉そうな感じで喋っている。「俺はソロだ。即ち勝者だ。彼女たちはソロになれなかったバックコーラスで、即ち敗者だ」と言わんばかりのトーンで、どうも感心しない。

しかし、彼のインタビュー・シーンははその後何度も使われ、どうであれ彼の言っていることがある程度は正しい気がしてくる。

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Monday, January 27, 2014

巡り合わせ悪し!

【1月27日特記】 何だか知らんけど、2つのことが重なって PC がぐちゃぐちゃになってしまった。なんか「巡り合わせが悪い」ってやつか。

ひとつは SkyDrive。これ使ってると、自分の PC にも SkyDrive という名前のフォルダーができて、なんと効率の悪いことかと思うのだが、そこに SkyDrive に保存したのと同じファイルが保存されている。

それだけなら許すのだが、過去のバックアップなのか、SkyDrive(2).old とか SkyDrive(3).old とかいうフォルダも次々にできていて、見たらどうもほとんど同じファイルが格納されている。

僕以外にもきっと同じトラブルに見舞われている人もいるだろうと思ってググってみたら、日本語ではあまり見つからなかったのだが、英語では同じことを書いたページがいっぱいあった。

中には「そういうフォルダが45個もできちゃったじゃないか、どうしてくれる!」みたいなことを書いている人もいる。

そんな中にQ&Aになったページがあって、「コマンドプロンプトにこの文字をコピペしたら正常化しますよ」と書いてあった。どうもレジストリに1行書き加えるコマンドみたい。

なんとなくマイクロソフトのオフィシャル・ページのように思ったのだが、それをちゃんと確かめずに飛びついてやっちゃったのが大失敗。

確かに鬱陶しい SkyDrive(x).old フォルダは一掃されたが、再起動したら何だか知らんが勝手にウィルスバスターが無効にされてしまう。何度有効にしても、また暫くしたら無効にされてしまう。

なんじゃこりゃ!

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Sunday, January 26, 2014

ノンフィクションW『ロックの鼓動を切り撮る一瞬』

【1月26日特記】 一昨日録画した WOWOW のノンフィクションW『ロックの鼓動(ビート)を切り撮る一瞬 ロックフォトグラファー・長谷部宏の軌跡』を観た。

今回は番組評ということではなくて、この長谷部宏(はせべこう)という人について書いてみたい。はあ、こんな人がいたのか、と感銘を受けたので。

長谷部氏はロックミュージシャンを撮る日本人カメラマンの草分けである。雑誌「MUSIC LIFE」の専属カメラマンとして、ビートルズの写真を初めて撮った日本人であり、ビートルズのアメリカ公演に同行した唯一の日本人カメラマンである。

その後もローリング・ストーンズやT.Rex、クイーン、KISS、ボン・ジョヴィなど、数多くの来日外タレ・ロック・ミュージシャンの写真を撮って「MUSIC LIFE」に掲載され、それが他の雑誌やメディアにも貸し出され、ミュージシャンたちからも信頼されて何枚かのアルバム・ジャケットも手がけた。

80代になってさすがに前線を退いたが、未だに好奇心は旺盛で、久しぶりに舞い込んだ仕事で生まれて初めてデジカメを使ってみたりする。

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Saturday, January 25, 2014

食べない恐怖

【1月25日特記】 妻が「胃の調子が悪いから、暫く食事抜こうかな。2~3日食べなくたって死にはしないし」なんてことを言うので、自分のことに思い当たった。

僕には長らく「食べなければ死んでしまう」という恐怖感があった。もちろん、1食抜いたからすぐ死ぬとは思っていなかったが、でも、「食事を抜くとその日の活動に支障を来す」という恐怖感があった。

睡眠についてもそれは同じで、寝ないと死ぬ、と言うか、睡眠時間が短いとその日の活動に支障を来してしまう、という恐怖感がやっぱりあった。

物心ついたころから神経質な子供と言われた。几帳面な性格だった。それ故生まれた恐怖感なのだろう。年を取って少しいい加減さを身につけて、漸くその恐怖感から抜けだした気がする。

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Thursday, January 23, 2014

長期的データの功罪

【1月23日特記】 初めて PC を買ったのも、映画鑑賞と住所録のデータベースを作りたかったからという記録好きの僕のことだから、iPhone のアプリもいろいろ駆使して、いろんな記録をつけている。体重ものそのひとつだ。

別に高性能なアプリは使っていない。体重計と無線で繋がっていたりしないし、勝手に脈拍を測ったりもしてくれない。

ただ、体重計の数字を自分で記録する。それを csv に吐き出してメールで送ることが可能。グラフ化もしてくれる。──ほぼ、それだけ。

それだけでもいろんなことが判る。何故判るかというと、ほぼ毎日測って長いこと記録しているからだ。

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Tuesday, January 21, 2014

映画『Seventh Code』

【1月21日特記】 映画『Seventh Code』を観てきた。平日の夜に映画を観ることはあまりないのだが、何せ関西で1館のみ、1日2回、1週間限定の上映なので、行ける時に行っておかないと終わってしまうのである。

映画の設定やストーリーについては何の事前知識もなく観た。

冒頭、キリル文字の看板が見える都市。多分ロシアのどこかだ(後にウラジオストクだと判る)。走り出した青い車を追いかけて、スーツケースを引きずった女が全速力で走る。前田敦子だ。

駐車してくれたこともあって女は奇跡的に青い車に追いつく。そこから男が降りてくる。これは『HK/変態仮面』の鈴木亮平だ。

女は「松永さん」と叫んで男に駆け寄る。スーツケースは道端に投げ捨てたまま。ところが男は女のことをよく憶えていない。「六本木で声をかけて食事に誘ってくれた」と言われて少し思い出す。

女はもう一度松永さんに会いたくて、探しまわって居場所を突き止めて、ロシアまで追って来たと言う。男はとりあえず近くの喫茶店で女とお茶を飲むことにするが、適当にあしらって、まいて、逃げ出す。

そりゃそうだ。よく知らない女にロシアまで追って来られたとなると怖い。誰でも逃げるだろう。

でも、女はどこまでも諦めない。重いスーツケースを引きずって走る。走って走って青い車に追いつく。松永がビルに入ったのを見て窓から忍び込む。女が何者なのか判らないが、この尋常ではない執拗さと屈強さ。得体が知れず、怖い。

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Monday, January 20, 2014

1/20サイト更新情報

【1月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回も基本、いつもの言葉のエッセイ1本だけですが、ちょっとあまりに驚いたことがあったので、昔のエッセイに少しだけ書き足しました。これを合せて2件の更新です。

ただ、少しずつあちこち触って、サイトを作り替えています。まあ、現時点で気づく人はあまりないだろうけど。

というわけで、今回の更新は以下のとおり:

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Sunday, January 19, 2014

Play Log File on my Walkman #93

【1月19日特記】 今年はじめてのプレイログ披露(と言っても聴いたのは去年だが)。

  1. 明るい未来(嘉門達夫)
  2. ロックンロール・ハート(佐野元春)
  3. Re:やさしい気持ち(HALCALI)
  4. 島のブルース(三沢あけみ、和田弘とマヒナスターズ)
  5. BODY & SOUL(SPEED)
  6. 時には母のない子のように(カルメン・マキ)
  7. 夢の途中(来生たかお)
  8. Gin-Gim(七福神)
  9. おまえはひな菊(あがた森魚)
  10. 愛のさざなみ(島倉千代子)

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Saturday, January 18, 2014

Windows 8.1、お前なのか

【1月18日特記】 ここには書いていませんでしたが、ずっと PC の調子が悪いのです。タイミングからして、Windows を 8.1 にバージョン・アップしたことによって何かがどうかなったのだと思います。

ともかく立ち上がってきません。いや、一応起動はするのです。しかし、そこからが動かない。まずマウス・ポインタが現れない。

マウスが出てきたのでひと安心してアプリを立ち上げたりすると、これが厄介なことになります。今度はマウスが動かなくなる。アプリケーションもフリーズ。

一応他の原因もいろいろ考えて、ウィルス対策ソフトの設定を変えてみたり、起動の設定を触ってみたり、レジストリのチェックをしてみたり…。どれも効果なしです。

レジストリよりもっと深いところで、何かが何かを読みに行って、それが何かの不具合で読み込めずにぐるぐる回っている感じ。

ただ、対症療法としては難しいものではなく、スイッチを入れてから暫く使わないこと──それだけで問題は解消します。暫く時間を置くと、Windows の中で何がどう解決したのかは分かりませんが、全てがスムーズに動き出します。

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Thursday, January 16, 2014

『テレビは生き残れるのか』境治(書評)

【1月16日特記】 ひとつ残念だったのは、てっきりもっと新しい本だと思って読み始めたのだが、途中で2011年7月に出た本だと気がついたこと。

まだ新しいではないか、と思う人もいるかもしれないが、この世界、1年あればいろいろ新しいものが出てきて、定着するものは定着し消えるものは消え、いろんな新しいことが見えてくる。だから、今ではこの本は最新の情報とは言えないのである。

それに加えて、僕がテレビ局に勤めていて、しかも境氏と同じようにテレビとネットの境界付近で仕事をしていることも大きな理由なのだが、残念ながら僕が読むと新奇な情報がないのであった。

読んでいて、「へえ、そうなのか」とか「なるほど、その通りだ」と思うのが、ある意味こういう本を読む意味合いなのだが、僕にはそういう働きかけがほとんどないのである。

しかし、じゃあ無意味な本かといえばそうではない。少なくとも好感の持てる本である。

テレビ局で働いている人間から見ると、時々訂正したくなる箇所があるのは確かだが、しかし、それは枝葉の部分である。本筋は非常に的確にまとめてある。

目新しい指摘は少ないが、それでも iPad を携帯端末である iPhone のリビング・ルームへの進出と捉える見方や、何かと「総」を目指して培ってきたテレビのノウハウからミドルメディアへの転換を説く辺りは非常に説得力がある。

そして、何よりも極論を展開していないところが良い。少し思い切って単純化して見せた後には、「しかし現実にはそれほど単純ではない」というような但し書きが必ずついている。だから、論の展開がフェアになるのである。

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Wednesday, January 15, 2014

Golden Slumbers

【1月15日特記】 今日お通夜に行ってきた。58歳の現職で亡くなった会社の先輩T氏である。

喪主の挨拶で奥さんがこんな話をした:

T氏はビートルズが大好きだった。亡くなる2ヶ月前に家族でポール・マッカートニーの来日コンサートに行った。その時のアンコールの最後の曲が『ゴールデン・スランバー』だった。

そこまで言った時に、バックで Golden Slumbers が流れ始めた。良い演出である。

僕が中学生の時に、(ビートルズは既に解散していたけど)死ぬほど聴いたアルバムである Abbey Road の中でも、とりわけ美しいメドレーの部分だ。

ただ、残念だったのは Carry That Weight の歌の部分に入る直前にぷつんと途切れたこと。どうしてあそこで切ってしまったのだろう?

お通夜の全ての儀式がそこで終わってしまったので、そのタイミングで切ったのかもしれない。あるいは、そのまま行くと The End という曲に繋がるのを嫌がったのかもしれない。

あまりに不意に音楽が終わったので、僕は

And in the middle of negotiations you break down

という歌詞を思い出してしまった。

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Monday, January 13, 2014

映画『ゼロ・グラビティ』

【1月13日特記】 映画『ゼロ・グラビティ』を観てきた。ちなみに2D字幕版。

僕が見ないうちにどんどん高い評判が伝わってきた。キネ旬ベストテンでは2位になった。

あまり説明することはないだろう。役者はほぼサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの2人しか出てこない。

2人の宇宙飛行士が宇宙空間に投げ出される。最初は女性のライアンが、そしてそれを男性のマットが助けて何とか宇宙ステーションまでたどり着くが、今度はマットが漆黒の無限空間に投げ出される。

「このまま2人とも死んでしまいました」ではさすがに映画にならないだろうから、少なくともライアンはなんとか助かるのだろうと最初から分かっている。そのハッピー・エンディングに向かって、ストーリーをどううねらせていくかが監督の腕の見せ所である。

監督はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロン、脚本は息子であるホナス・キュアロンとの合作。この映画は監督にとって7作目の長編だが、作品に共通のジャンルやテーストはなく、あまり個性を主張しない人であるらしい。

ただ、長廻しは彼の得意な手法として有名になっている、とのこと。

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Sunday, January 12, 2014

カラオケ創世記

【1月12日特記】 先日久しぶりにカラオケに行った際(1/10の記事参照)に、「我々が会社に入った頃のカラオケって辛かったよなあ」という話になった。

カラオケ・ボックスなるものが登場するのは暫く後で、歌うのはカラオケ・バーだった。音源は8トラなどというカセット・テープの親玉みたいなやつだった(カセット自体を知らない若い世代には説明のしようがないかw)

上司に「おい、お前も歌え」と言われて席を立ってステージに行くのだが、画面に歌詞が出るなんて仕組みはまだなく(従って画面自体がないw)、譜面立てに分厚い歌詞の冊子(1ページずつビニール・カバーがかかってた)を載せて、それを見ながら歌う。

で、もうどうしようもないくらいに昔の演歌しか載ってなくて、「俺は一体何を歌えば良いのだろう(いや、一体歌える唄はどれだろう)?」と途方に暮れたものである。

「カラオケは会社に入ってからの初体験だったよな」という話をしていたら、「そうそう、我々学生の頃は宴会で歌うのは春歌・猥歌の類だったよな」と誰かが言い出した。

そうだ! 思い出した。カラオケ・ボックスがなかったのだから、学生同士でカラオケに行くなんてことはなかった。そしてあの頃、確かに酒席でみんなで春歌を合唱した。多くは替え歌だった。

♪ひとつ出たホイのヨサホイのホイ、等の数え唄とか、(『リンゴの唄』の)♪ハイ、リンゴのリの字をチに変えて、とか、♪エイトマンの子供、とか…。

酒席のあり方自体が今とは違うのである。

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Saturday, January 11, 2014

映画『麦子さんと』

【1月11日特記】 映画『麦子さんと』を観てきた。吉田恵輔監督。

映画は母の遺骨を抱いた麦子(堀北真希)が田舎の駅に降り立つところから始まる。

駅前に停まっていたタクシーを拾って乗るのだが、運転手(温水洋一)がミラーを見て、麦子が昔この村のアイドルだった彩子(さいこ)にそっくりなのに気づいて驚き、そのまま脇見運転をして自転車の警察官を跳ね飛ばしてしまうという衝撃的な(笑)出だしである。

それで事件発生となるかと言えばそうではなく、運転手が顔見知りの警官に「いやあ、ごめんごめん」と駆け寄れば、警官が「ちょっと、勘弁してよ」と立ち上がるという、如何にも吉田恵輔らしいユーモアである。

麦子、運転手、警官の3人をいろんなカメラ・アングルで撮って、とても面白い画になっていたし、このシーンがラストに繋がって行くという、これまたよく考えられた筋運びである。

彩子は麦子の母である。と言っても、小さい頃に自分たちを見捨てて家を出たので、麦子は顔さえ憶えていない。父の死後、麦子は兄の憲男(松田龍平)と2人で、ずっと同じアパートに暮らしている。

その2人のもとに突然彩子(余貴美子)が現れる。経済的に苦しくなったから一緒に住みたいと言う。兄も妹も当然受け入れない。だが、実は母がこの兄妹の生活費をずっと出していたという事実が明るみに出て、結局受け入れざるを得なくなってしまった。

ところが、ちゃらんぽらんな兄はつきあっている彼女と同棲すると言って、すぐに家を出てしまう。そこから母と娘の、お互いに相手への思いはありながら、表面上は何かとぎくしゃくとした生活が始まる。

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Friday, January 10, 2014

マイ・セットリスト(笑)

【1月10日特記】 昨夜、久しぶりにカラオケに行った。「そう言えば、カラオケなんて、もう十何年行っていない」と言ったら、心優しい友人が企画してくれたのである。

同じ会社の年次の近い連中と4人で行ったのだが、会社の同僚と言うよりも、ヤング・サラリーマン時代を共に過ごした気のおけない仲間という感じである。

カラオケに行くと陥りがちな傾向として、

  • 他の人そっちのけで自分ひとり陶酔して歌ってしまう
  • ひたすら受け狙いのパフォーマンスに走ってしまう

の2つがある。

しかし、これらはカラオケの楽しみ方として必ずしも間違っているというものではない。単にあっちの極端とこっちの極端なのであって、片一方の極端に寄り過ぎるのが良くないのである。

僕が営業マンだった時代にはまだカラオケは隆盛を迎えておらず、従って割合よく行くようになったのは営業を出てからだったのだが、それでも僕の場合は営業時代の習いが性となったのか、あるいは生来そういう気質を持っていたのか判らないが、完全にb)のケースに嵌っていた。

今回はそういうところから脱して、a)とb)の中間の、ちょうど程良いところで歌いたいと思っていた。それにはこういう気のおけない仲間と行くのが一番である。

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Thursday, January 09, 2014

キネマ旬報ベストテン

【1月9日特記】 2013年度キネマ旬報ベストテンが発表されました。今年も例によって僕が12/28に書いた「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい10本」の邦画と見比べて行きます。

もう1回念を押しておくと「10位以内」ではなく「20位以内」に「入るだろう」ではなく「入ってほしい」10本です。従って、現段階では半分しかチェックできません。

何はともあれ、まず発表されたキネ旬ベストテンを書いておきます。

  1. ペコロスの母に会いに行く
  2. 舟を編む
  3. 凶悪
  4. かぐや姫の物語
  5. 共喰い
  6. そして父になる
  7. 風立ちぬ
  8. さよなら渓谷
  9. もらとりあむタマ子
  10. フラッシュバックメモリーズ 3D

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Tuesday, January 07, 2014

その後の味覚障害

【1月7日特記】 11月15日の記事に味覚異常になったことを書いた。亜鉛が効くらしいということで亜鉛のサプリを飲み始め、3日目で少し味がするようになり、4日目で完全に元に戻った、と書いたのだが、実はこれで完治ではなかった。

その後ブログには書かなかったが、時々味が消えるのである。

食べている途中で消えることもあるので、ひょっとするとこれは舌の味覚の問題ではなく、味蕾と脳を繋いでいる神経のどこかがおかしいんだろうか、と考えたりもした。

味がなくなるのは決まって「自宅で」「夕食を」とっている時なので、我が家の環境や時間帯と何か関係があるのか、と思いを巡らせたりもした。

「そろそろ味がなくなる時期じゃないかな」と思い始めると途端に味が薄れてくることが何度かあったので、これは舌とか神経とかの問題ではなく、心の病なのではないか、と悩んだりもした。

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Monday, January 06, 2014

自分の書いたものを読む

【1月6日特記】 年末からホームページのほうの言葉のエッセイの目次ページを作り替えたり、ブログのほうに過去の書評を移し替えたりする作業にかかっているのだが、そのためには必然的に昔書いた一つひとつのエッセイや書評を読み返すことになる。

面倒くさいかと思ったら、ところが、これが却々愉しいのである。いや、ナルシストのように自分の書いたものに耽溺しているわけではない。

ひとことで言って新鮮な刺激があるのである。

皆さんはそうでもないのかもしれないが、僕は自分の読んだものも見たものも書いたものもほとんど忘れてしまうので、こうやって自分の書いた文章をざーっと眺めてみると、半分以上はそんな文章を書いたという記憶さえない。

それを読み返してみても、大半は何かを思い出すことさえない。書評や映画評に至っては、そんな本を読んだり映画を観たことからして、きれいさっぱり忘れていたりもする。

だから、まるで他人が書いたものを読んでいるように新鮮で面白いのである。

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Sunday, January 05, 2014

1/5サイト更新情報

【1月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回は見た目はたくさん更新していますが、実質的に新ネタは1つだけです。

まずは長年放ってきた言葉のエッセイのメニュー・ページをマイナー・チェンジしました。

ごちゃごちゃした感じをちょっとだけ整理したのと、自分で書いた記事を探すときに(大半は書いたことさえ憶えていないわけで)非常に難渋していたので、探しやすいように右側に内容を簡単に書いておくことにしました。

それから、このブログの記事から転載した文章が2編:
かしぶち哲郎さんと大瀧詠一さんの訃報に接して書いたものを音楽エッセイとして1つにまとめたのと、元日に書いた「暦は巡る」です。

最後に読書コラムだけは新作で、今回は綿矢りさを取り上げました。

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Saturday, January 04, 2014

ぱっち便り

【1月4日特記】 僕は小学校の低学年では冬は所謂「ぱっち」を履いてましたが、少し色気づいてきて、それが格好悪いと思い始めてからはその後一度も履くことなく過ごしてきました。

いや、素足の上にズボンでも、その間それほど寒くてたまらんと思ったことはありませんでした。

それが、年をとって冬が少し辛くなってきたのと、格好悪いことをあまり気にしなくなってきたこともあって、昨冬(つまり昨年ではなく一昨年の12月)ユニクロのヒートテックのぱっち(一応パッケージには男性用の「タイツ」と書いてありましたが)を購入しました。

ただ、普段の生活では、寒いのは家から駅と駅から会社への道くらいのもので、しかもそれは5分か10分のことなので、それほど切実な必要性もなく、昨冬はとうとう一度も着用することなく終わってしまいました。

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Thursday, January 02, 2014

『未明の闘争』保坂和志(書評)

【1月1日特記】 僕は何故この小説がこんなに面白いのかをうまく説明することができない。

いや、そう言われてうっかり信じてこれを読んだりしないでほしい。多分この小説を読んだ人のうち半分くらいは「こんな訳の分からんことをうだうだ言っているだけの本、どこが面白いの?」と言うだろうから。

この小説の文章は明らかにおかしい。プロの作家が書いたものとしてはあり得ないくらい乱れている。「私は」という主語が出てきて、それに繋がる動詞があると思っていたら、いつのまにか別の主語が出てきて別の動詞とくっついて文が終わってしまっている。

話し言葉ではよくある乱れ方だ。そして、作家はわざとそれを、しかも、頻繁に書いていて、僕は読むたびになんか引っ掛かるのだが、そういう表面的なことにこだわっていては先に進めないので、あきらめてどんどん先に進むくらいに話が面白い。

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Wednesday, January 01, 2014

暦は巡る

【1月1日特記】 10代というのは誰しも少し背伸びをしたり悪ぶったりしたい年代ですが、私が高校の時に、不良と言われていた友人がこんなことを言っていました(これは後ほどリンクを示しますが、以前にも書いたネタです)。

煙草を吸っているのを警官に見つかった時の練習をしておく必要がある。

「おい、お前何歳だ?」
「はたちです」
「職業は?」
「工員です」
「干支(えと)は何年(なにどし)だ?」
「えっ、えと? 干支ですか、えーっと、ねぇうしとらうぅ…」

となったらバレバレなので、3つずらした干支を覚えておくこと。

なるほどなあ、と思いました。

昔の人はそんなことなかったのかもしれませんが、僕らの世代にして既に、十二支で例えば「未の次は何?」「申の2つ前は?」などと言われると咄嗟に答えられず、下手すると頭から言わないと分かりませんでした。

今の若者になると、もう十二支自体を知らない人もいると聞きました。

子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)

こうやって並んでいるとちゃんと読めても、1字だけ抜いて「戌は何と読む?」と訊かれた時に、あなたは即時に答えられますか?

また若い人は「子」の字を見て、ネズミには思い及ばないでしょう。十二支を一般的な漢字に改めるとこんな風でしょうか?

鼠牛虎兎龍蛇馬羊猿鶏犬猪

全部違う漢字になってしまうところが凄いと思いませんか? つまり十二支というのは最初に漢字があって、後からそこに動物を割り当てて行ったということだと思います。

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