Golden Slumbers
【1月15日特記】 今日お通夜に行ってきた。58歳の現職で亡くなった会社の先輩T氏である。
喪主の挨拶で奥さんがこんな話をした:
T氏はビートルズが大好きだった。亡くなる2ヶ月前に家族でポール・マッカートニーの来日コンサートに行った。その時のアンコールの最後の曲が『ゴールデン・スランバー』だった。
そこまで言った時に、バックで Golden Slumbers が流れ始めた。良い演出である。
僕が中学生の時に、(ビートルズは既に解散していたけど)死ぬほど聴いたアルバムである Abbey Road の中でも、とりわけ美しいメドレーの部分だ。
ただ、残念だったのは Carry That Weight の歌の部分に入る直前にぷつんと途切れたこと。どうしてあそこで切ってしまったのだろう?
お通夜の全ての儀式がそこで終わってしまったので、そのタイミングで切ったのかもしれない。あるいは、そのまま行くと The End という曲に繋がるのを嫌がったのかもしれない。
あまりに不意に音楽が終わったので、僕は
And in the middle of negotiations you break down
という歌詞を思い出してしまった。
ただ、Golden Slumbers の部分だけでも、とても美しく感動的な作品である。
果たして永遠の眠りが金色の眠りなのかどうなのかは分からないが、ある種の縁語ではある。そして、
Sleep, pretty darling
Do not cry
の部分は、僕らがT氏にかける言葉ではなく、T氏が残された家族にかけている言葉であるように思える。
もしも僕が死んで葬式をやるなら、こういう葬式がいいなあ、と思った。
僕個人の思いとしては、葬式も読経も献花もお墓もお参りも何も要らない。ただ、葬式というのは死んだ人ではなく生き残ったの人のお祭りだから、もしも僕が妻より先に死んでいて、妻がやりたいと言うのであれば気が済むようにやれば良い。
ただ、一応僕名義の葬式なわけだから、多少ともリクエストを聞いてもらえるなら、こういう葬式がいいなあと思った。
One, two, three, four, five, six, seven
All good children go to heaven
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