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Monday, October 21, 2013

映画『陽だまりの彼女』(その2)

【10月21日追記】 昨日付の記事で書き忘れたことをひとつ。

この映画の巧さの一例を挙げると、たとえば夏木マリは一体何者だったのかということを結局ちゃんと説明し切らないで終わっていることだ。しかも、我々は映画を見終わってからそのことに気づく。

原作の小説ではどうであったのか知らないが、映画の場合は2時間程度しかない尺の中で、そういうところにこだわって辻褄を合わせようとすると、逆に他のところにしわ寄せが行って綻んだり、そもそも辻褄を合わせようとしたところに違和感が出たりするものだ。

そこを思い切って切り捨てて、何だか解からない婆を何だか解らない婆のままで放置したことが、逆に余韻になっているのである。

しかし、それにしてもあれは夏木マリにしかできないような役だった。いや、むしろあの役を夏木マリにしたことによって、あれは一体何者なのか?という疑問を疑問のまま描き抜けることができたのではないかと思う。

そういうシーンごとの比重の掛け方、割り切り方とこだわり方のバランス──そういう感覚がとても見事な映画だったような気がするのである。

それはラストで登場したあの女性は何者なのか?ということについても同じように当てはまる。

なんでも説明してしまう映画が決して良い映画ではないということである。

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