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Friday, September 27, 2013

電話考

【9月27日特記】 我々夫婦の間では、「なんで連絡くれなかったのよ」とか「なんで電話しないんだよ」というような会話が全くない。とてもありがたいことだと思う(妻もそう思っているかどうかは知らないが)。

どうしても電話できない時ってあるのである。

いや、上っ面の理屈だけで考えると、電話できない時なんてない。世の中に固定電話しかなかった時代と違って、電話なんてほんの1分あればできるのである。

「ちょっと失礼」と1分だけ中座して電話すれば良いのである。トイレに行くふりをして少し抜ければよいのである。あるいは携帯で何かをチェックするふりをして、短いメールを書けば良いのである。

自分を待っている配偶者や親友の気持を考えると、それぐらいの労を取ることぐらいはできるはずだ。

確かにそうだ。

でも、電話できない時はできないのである。それは単に中座できないとか抜けられないとかいうことではなく、今話している相手との関係や諸々の事情だけではなく、なんか自分の気持ちとしても電話できない時ってあるのである。

僕らは互いに長く働いてきた夫婦だから、そういうことがなんとなく解っている。もちろん、「心配するといけないから」という気持ちがあることも知っている。

いや、違うな。電話できないことだってあると知っているから、逆に「連絡しなきゃ」という気持ちはきっとあったのだろうと窺い知るのである。その裏返しで、全然連絡がなくても、お互いに(心配はするが)腹を立てることはない。

とてもありがたいことだと思う。

上で「理屈」という言葉を使ったので、「人生理屈じゃない」と言いたいのだな、と思った人もいるかもしれないが、そうではない。そのくらい考えに考えてこそ、初めて少しは完璧に近い理屈になるのだ、ということである。

なんであれ、そんなことを時々考えて、僕は良い結婚ができたとつくづく思うのである。

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Comments

私たち夫婦も共稼ぎでした。
今は、お互いリタイヤして5年ほどになります。
若いときは、もちろん携帯もポケベルもなく
(いや、会社でポケベルは持たされましたけど)
帰宅してから、お互いそれぞれの出来事のことを
話し合うことで夫婦の会話が成り立っていました。
今の時代は、忙しすぎるのでしょうか、
夫婦の間だけではなく、友達や見ず知らずの
誰にでも直ぐに通信しなければ
情報と言うものは生き腐れしてしまうとあせる。
でも、ゆっくり自分でかみ締めた上で相手に
伝えるべきものもあるのでないでしょうか。
きっと直ぐに伝えないから、深く伝わってくるものが
夫婦を永くやってると出てくるんですよ。多分ね。

Posted by: バイロン | Friday, September 27, 2013 11:56

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