« 映画『許されざる者』 | Main | 解明のさえずり »

Monday, September 16, 2013

映画『劇場版ATARU』

【9月16日特記】 映画『劇場版ATARU』を観てきた。

自慢じゃないが僕はこのTVシリーズを観たことがない。レギュラーも単発も、高視聴率を獲っていたのは知っているが、一度も観ていない。

ただ、先日再放送していたのを少しだけ観た。1クールの連続ドラマのうちの1回の、しかも全部ではなく一部分だったのだが、それでも大体の設定は分かった。

猪口在(=いのくち・あたる、今日映画でこの文字を見て初めて、何で彼がチョコザイ君と呼ばれるのか分かった。中居正広)はサヴァン症候群という名前で呼ばれる、いわば知的障害と天才が同居した青年である。

その特殊な能力を捜査に活かすためにFBIで訓練を受けたという設定である。その彼が日本の警察に協力して事件を解決する、とまあ、そんな話だ。

で、シリアスな警察ものかと言えばそうではなく、コメディの要素も強い。

ともかくあちこちに遊びが仕掛けてある。いや、遊びと言うよりも悪ふざけと言ったほうが良いのかもしれない。それが笑わせてくれる。満員の映画館がどっと沸くような場面も何回かあった。

僕としては、遠景に「コドモ警察」が映り込んでいたのと、「ルー大柴のキン肉マン」が個人的に受けた。

そういうおかしな展開を優先するために、犯罪や捜査のリアリティはしばしば損なわれるのだが、僕はその手の脚本は大好きである。

おまけにパンフレットを買うと綴じ込みで「小ネタコンプリート」なる小冊子がついているではないか! 好きだなあ、こういうマニアに対するファン・サービスの姿勢。

ともかく出てくる人間が悉くキャラが立っている。

非常に特殊な設定であるアタルはともかくとして、沢主任刑事(北村一輝)のがさつな感じ、元刑事で今探偵の蛯名舞子(栗山千明)のハイテンションでぶっ飛んだ感じ。

クソ真面目な中津川警部(嶋田久作)、暴走気味の照会センター司令官の犬飼(中村靖日)、奇人変人の鑑識・渥見(田中哲司)、今風の気の強い鑑識・石川唯(光宗薫)等々、中心人物から端役まで枚挙に暇がない。

パンフを読むと、それぞれかなり凝ってこだわって、細かく設定してあるらしく、そういう作り方が非常に巧く機能している。

義足の管理官・星(松雪泰子)は今回の映画で初登場であったらしいのだが、僕は見ていて連続ドラマからのレギュラーかと思った。それほど「背景」を感じさせる巧い脚本なのである。

今回のメイン・ゲストであり、アタルと同じ能力を持つ犯人役の堀北真希は、僕はあまり好きな女優ではないのだが、金歯を嵌めてのクールな演技で、却々堂に入ったものだった。

ストーリーはまあ書かないでおく。事前に何も知らなくても何の問題もなく楽しめると思うから。

これを観て、「ここがおかしい」「あそこが不自然だ」と怒る人もほとんどいないと思うのだが、まあ、ストーリーはドラマを始めて終えるための道具である。茶番と言えば茶番、よく作り込んであると言えばよく作り込んであるとも言える(要するに僕はそんなことあまり気にせずに観たということだ)。

TVシリーズを全然知らなくてもこんだけ愉しめたというのは、まあ良い映画だと言うことではないかな。続編があるなら観てみたい気になったもの(笑)

|

« 映画『許されざる者』 | Main | 解明のさえずり »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 映画『劇場版ATARU』:

« 映画『許されざる者』 | Main | 解明のさえずり »