なんだかな
【8月10日特記】 ニュースのアプリやメルマガというのは世の中にたくさんある。僕もいくつか入れているが、そのうち朝日新聞のアプリを入れている関係で、速報メールが送られてくる(もちろん送られて来ないように設定もできるのだが)。
で、ここんとこ「なんだかな」と思うのが、高校野球の試合結果の速報である。そんなものニュースだろうか? ニュースであったとしても、速報する必要があるのだろうか?
この議論は実は放送局では古くからあって、必ずしもきれいに解決されてはいない問題である。ニュース速報を出すか出さないかだけではなく、レギュラー番組を打ち切って報道特番に切り替えるかどうかという判断にも繋がる。
報道特番を組むような大事(おおごと)になるのは、国民の生命や財産にかかわることが起きている場合である。わかりやすい例で言うと、大事故が起きても人がひとりも死んでいなければ、まず大きな特番編成は組まれないだろう。
ニュース速報を出すかどうかとなるともう少しハードルが低くなる。
そう言えば、昔、多分松田聖子が婚約を発表した時だったと思うが、それを画面に速報スーパーして怒られた奴がいたけど、その辺の領域の判断になってくるわけだ。
しかし、松田聖子婚約の時は多くの人が「えっ?」と思ったぞ。夏の高校野球でA高校がB学園に勝ったからといって「えっ?」と思うだろうか?
その辺りが僕が「なんだかな」と思う所以である。
多くの人は今、夏の全国高校野球選手権大会が行われていることを知っている。大会が行われていれば試合があるのは当然で、試合があればどちらかのチームが勝つのが当然である。
これがサッカーのワールドカップの最終予選で、勝つか引き分けで出場が決定する、というような試合なら速報を出す意義はあるだろう。
しかし、高校野球は?
一番引っかかるのは、この大会が朝日新聞と高野連の共催であること。毎日新聞と高野連が共催している春のセンバツ高校野球の時に、朝日新聞が速報を出すかといえば多分出さないだろう。
裏返せば、「ウチの主催だし、まあ、速報ぐらい出しても良いか」という判断になっているのである。
こういう恣意性(あるいは利己性)って、今のネットの時代で、一番嫌われるタイプのことなのではないかな、などと思ってみるのである。それが「なんだかな」の中身である。
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