『プロメテウス』
【8月19日特記】 WOWOW から録画してあった『プロメテウス』を昨夜観た。これは正直なんだかよく解らなかった。
リドリー・スコット監督らしい映像美はあるのだけれど、肝心のストーリーが、見終わって「なんだこれ?」という感じ。
解らない映画が必ずしも悪い映画だとは言わない。しかし、この映画の場合は、どこか割り切れない部分がある。
世間での評判はどうだったんだろう?と気になって「キネマ旬報」を調べてみると、昨年の外国映画部門の第75位。ああ、やっぱり、そんなもんなんだろうな。
宇宙の彼方に人類の創造主がいるという仮説のもとに、宇宙船プロメテウス号で十数人の研究者が旅立つ。バックには途方もなく巨額の資金を提供した企業の存在がある。
漸くその惑星にたどり着いて、どうやらその星にも生命らしいものはいるのだが…という展開。
確かに「この先どうなるのだろう」という引っ張り方は巧い。特に、宇宙船の中でひとりだけ冬眠状態にならずに到着を待っていたアンドロイドの存在が怖い。しかし引っ張りに引っ張られた挙句、どうしても最後は、「で、これはなんだったんだ?」という印象が残る。
特に分からなかったのが冒頭のシーン(こういうのこそをアバンタイトルと呼ぶべきなのだろう)。これがどの時代の何を物語っていたのか、妻も僕も理解できなかった。
僕がこの映画で一番印象に残ったのは、手術台に寝たら自動的に治療してくれるロボットである。
宇宙生物の子を宿した女性科学者が「子供を堕ろしたい」と申し込んだが機械に断られる。そこで「お腹が痛い。手術して」と音声入力しなおしたら、外から軽くスキャンして、突然お腹を横一文字に切り始める──って、アンタ、そんな乱暴な…。
最後まで見て妻が、「結局ハリウッドが宇宙人を描こうとすると、みんなエイリアンになっちゃうのよね」と言った。うん、僕もそう思った。『エイリアン』も『プロメテウス』も同じリドリー・スコット監督だから、まあ良いようなものだが…。
──と思いながら少し気になって調べてみたら、なんとこの映画は『エイリアン』の前日譚として企画されたのだそうだ。
なんという間抜け! それを知った上で観るべきであった。
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