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Saturday, August 31, 2013

映画『夏の終り』

【8月31日特記】 映画『夏の終り』を観てきた。正直言って興味の湧く話ではなかったのだけれど、狙いは満島ひかりと、今まで一度も観ていない熊切和嘉という監督はどんな映画を撮る人なのかという興味。

最初に思ったのは、画面が暗いこと。ああ、あの当時の日本家屋ってこんなに暗かったのか、という感じ。照明を当てて観客に見せようという気がまるでない。リアリズム。

しかも、冒頭から暫く夜と雨のシーンが続いてどこまでも暗い。この暗いトーンが映画全体を支配することになる。

それから音。家の外からたくさんの音が聞こえる。普請の音、物売り、路上の会話、鳥の鳴き声。映画の進行とは全く関係のない音がずっと鳴っている。これもリアリズム。

女性の言葉遣いがあきらかに今とは違う。会話の間がやたら長かったりして、そこが怖い。格子越しに見える小林薫のシーンの怖さ、満島ひかりが喋っているときに、横の柱に映っている彼女の横顔の影の美しさ。

──等々、画作りについては面白い。ただ、お話はひとことで言ってしまうと、大阪弁で言う“辛気臭い”話。僕も似たような境遇で育ったからそう思うのかもしれないが…。

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Thursday, August 29, 2013

不明のさえずり、未明のさえずり

【8月29日特記】 野鳥が来るのである。それで朝から良い声で啼くのである。

どこで啼いているのかと思ったら、ウチのマンションの外階段の柵の上に止まって長いフレーズを歌っている。

僕は、野鳥の会に入って本格的な観察をしたりはしていないが、昔から割合野鳥が好きで、今でも iPhone に野鳥図鑑のアプリを入れている。2000円とか3000円とかする奴である。

だから、我が家の近所にどんな野鳥がいるのか、その代表的なものは頭に入っていたりする。しかし、この鳥が何なのかが分からない。

妻が写真に収めたのだが、遠すぎて、拡大してもよく分からない。ツグミっぽいかなと思うのだが、歌のフレーズと声が決定的に違う。

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Monday, August 26, 2013

失われた黄金

【8月26日特記】 自宅のハードディスクレコーダがぶっ壊れて、修理に出したらハードディスクごと交換になり、それまで録り溜めてあったものが全部パーになったことは以前書いた通り。

実はそんなに惜しくもないと思っていた。

が、今日突然思い出した。WOWOW から録画しておいた『新・黄金の七人 7×7』も、観ないうちに消えてしまったのだ。これは痛い!

『黄金の七人』シリーズは1960年代に製作されたイタリア映画で、『ルパン三世』のモデルになったとも言われる作品である。

小学生だった僕は父親に連れられて、このシリーズの何作目かに当たるこの映画を見た。めちゃくちゃに面白かった。

トンネルを掘って銀行に忍び込むなどというありきたりの犯罪コメディではなく、造幣局に忍び込んで本物のお札を刷るという奇想天外のストーリーだ。

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Sunday, August 25, 2013

映画『タイピスト!』

【8月25日特記】 映画『タイピスト!』を観てきた。

普段観るのは大部分が邦画、時々アメリカ映画という暮らしをしていると、たまにフランス語圏やスペイン語圏の映画を見ると、映画文法の違いにはっとすることがある。

例えばこの映画では、「え、このシーンはこんなに早く打ち切って、次のシーンで結果を説明すんのかい?」と思うようなところが何箇所もあった。ローズが秘書に採用されたところも、国内のタイプ早打ちコンテストで優勝した時も。

いろんな国の映画を見る楽しみは、やはりそういう文法の違い、リズムの違い、そして色彩の違いが大きな3つの柱かなあと思う。そして、この映画ではそのいずれもが感じられた。

単純なストーリーである。

フランスの片田舎で父親の雑貨店の店番をして暮らしていたローズ(デボラ・フランソワ)が、唯一の取り柄であるタイプの早打ちをアピールして、ルイ(ロマン・デュリス)が一人でやっている小さな保険代理店の秘書に採用される。

今のところローズは人差し指2本でしか打てないのだが、ルイはそんな彼女の才能を見ぬいて、10本打ちに矯正させた上でコンテストに出させる。ルイの特訓に耐え、才能を開花したローズはやがて世界大会を目指す。

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Friday, August 23, 2013

藤圭子さんの訃報に接して

【8月22日転載】 藤圭子さんの訃報を目にして、突然僕の心の中で鳴り響き始めたのは『新宿の女』でした。

藤圭子さんと言うととかく『圭子の夢は夜ひらく』ばかりが取り上げられ、その「十五、十六、十七と私の人生暗かった」という歌詞ばかりに光が当たりがちですが、あれは園まりさんの『夢は夜ひらく』のカバーだし、あまりに藤圭子さんのイメージに被せられデフォルメされた嫌いがあると僕は思っています。

それよりも、デビュー曲であり最初のヒット曲でもあるこの歌や、中期の名作である『京都から博多まで』のほうが、僕には藤圭子さんらしい作品に思えます。

『新宿の女』は石坂まさをさんの作詞作曲で1969年の発売です。石坂まさをさんという人は本来的には作詞家だと僕は思うのですが、こんな風に時々作曲をしていて、それが悉く素直な良い曲で、大きなヒットにもなっています。

僕が twitter で彼女の死を知った時はちょうど外出していたのですが、阪急梅田駅から会社までの帰り道、この歌を口ずさみながら歩きました。それを歌うことが彼女への追悼になるような気がして。

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Thursday, August 22, 2013

雑感: 連続記載

【8月22日特記】 このブログを始めるにあたって考えたことがある。いや、ちょっと違うな──このブログを書き始めてほどなく自分で決めたことがある。

それは毎日書くのはやめようということ。

もちろんブログの命は更新である。更新されないブログ、あるいは更新の遅いブログはそのうちに見捨てられ、読まれなくなる。だから、コンスタントに更新するように心懸けるのは当然のことだ。

しかし、それが毎日である必要はないだろう、と考えた。

毎日書こうとすると、書くことが俄に思いつかない日も当然あるわけだから、必然的にやっつけ、こじつけ、間に合わせの記事が出てきてしまう。それはブログ全体のクオリティを落とすことになるだろう。

だから、無理やり書くのはやめようと思った。週に2日くらいは書かない日を設けようと思った。

なのにお盆を挟んで11日も連続して更新してしまった。おまけに1日に2つ書いた日が2日もあった。

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Tuesday, August 20, 2013

映画『戦争と一人の女』

【8月20日特記】 映画『戦争と一人の女』を観てきた。監督は井上淳一という人で若松孝二の門下らしいからあまり僕の趣味ではなさそうだったのだが、原作が坂口安吾であるのと、永瀬正敏、江口のりこという好きな役者が出ているのに惹かれた。

映画を見終わって思ったのは、これはもう誰が監督というようなものではなく、完全に坂口安吾の世界である。そういう意味で荒井晴彦と中野太(この人が何なのかはよく知らないのだが)の脚本が素晴らしい。

坂口安吾については語る必要もないだろうが、僕は高校時代に彼独特の虚無と逆説に憧れて立て続けに何作か読んだ。ただ、この『戦争と一人の女』は、かなりマイナーな作品らしく、僕は読んでいない。

でも、恐らくこの脚本は原作の色をそのままスクリーンに写し出すことに成功しているのではないだろうか。機会があれば原作も読んでみたい。

──などと思っていたら、なんと、パンフレットに『戦争と一人の女』と『続戦争と一人の女』の全文が掲載されているではないか。帰りの電車の中で一気読みしてしまった。

(余談になるが、パンフでは初版出版時に GHQ の検閲によって削除された部分を復活して、そこに傍線が引いてある。これがちょっとびっくりで、主人公の男女が「戦争が好きだ」と言う台詞が悉く削られている。この物の言いようはどう見ても頽廃的、あるいはせいぜい反体制と見るべきで、これを好戦的・軍国主義的と判断した GHQ の読解力の低さにただただ驚くばかりである。閑話休題)

読んでみると、果たして、ますます脚本の巧さが際立ってくるではないか。ちなみにパンフレットには脚本も全文掲載されているので、比較してみるのも面白い。

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8/20サイト更新情報

【8月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回もまた月2回レギュラーで更新している言葉のエッセイだけです。12年ぶりに plastic という単語について書きました。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Monday, August 19, 2013

『プロメテウス』

【8月19日特記】 WOWOW から録画してあった『プロメテウス』を昨夜観た。これは正直なんだかよく解らなかった。

リドリー・スコット監督らしい映像美はあるのだけれど、肝心のストーリーが、見終わって「なんだこれ?」という感じ。

解らない映画が必ずしも悪い映画だとは言わない。しかし、この映画の場合は、どこか割り切れない部分がある。

世間での評判はどうだったんだろう?と気になって「キネマ旬報」を調べてみると、昨年の外国映画部門の第75位。ああ、やっぱり、そんなもんなんだろうな。

宇宙の彼方に人類の創造主がいるという仮説のもとに、宇宙船プロメテウス号で十数人の研究者が旅立つ。バックには途方もなく巨額の資金を提供した企業の存在がある。

漸くその惑星にたどり着いて、どうやらその星にも生命らしいものはいるのだが…という展開。

確かに「この先どうなるのだろう」という引っ張り方は巧い。特に、宇宙船の中でひとりだけ冬眠状態にならずに到着を待っていたアンドロイドの存在が怖い。しかし引っ張りに引っ張られた挙句、どうしても最後は、「で、これはなんだったんだ?」という印象が残る。

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Sunday, August 18, 2013

映画『パシフィック・リム』

【8月18日特記】 映画『パシフィック・リム』を観てきた。

『パンズ・ラビリンス』1作を観ただけで、いっぺんにファンになってしまったギレルモ・デル・トロ監督である。

この映画のプロモーションを通じて、この監督が日本の怪獣ものやロボットもののオタクであったということを初めて知った。この映画の中でも怪獣は kaiju と呼ばれている。これこそ日本の数々の怪獣ものの名作に対するリスペクトなのだろう。

確かにクール・ジャパンの古典とも言える怪獣映画やロボット・アニメを正しく引き継いで発展させた感がある。

しかし、それにしてもハリウッド資本に桁違いのお金と人材を集めてやられてしまうとたまらんなあ(笑)という気がする。VFX がやはりすごいのである。ちなみに視覚効果は ILM である。

しかし、すごいのは VFX だけではない。

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Saturday, August 17, 2013

『三文未来の家庭訪問』庄司創(漫画評)

【8月17日特記】 4/17の記事でもう1作 Kindle Fire に落としてあると書いた『三文未来の家庭訪問』を、『ソラニン』を読み終えた勢いで一気に読みきってしまった。

ものすごく深い。結局もう一度読まないとなんだか解らないところがあって、最初から最後まで読み返してしまった。

僕はこの作品を何で知ったのかもう思い出せない。庄司創という作家が漫画界にあってどれほどの地位にいるのか、この作品がどのくらい評価され人気があるのか全く知らないのだが、なんだか引き込まれてしまった。

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『ソラニン』浅野いにお(漫画評)

【8月17日特記】 4/17の記事で Kindle Fire で読み始めたことを書いたが、2巻の途中まで読んだところで忘れてしまって放ったらかしになっていた。電子書籍の場合は、紙の本のように身近なところで体積を以って自己主張して来ないので、こういうことが起こる。

思い出して読み終えたので、少しだけ書いておく。

この作品は映画を先に観て、知人から「原作も是非読んでほしい。2巻しかないのですぐに読めるから」と言われて読み始めたのである。

で、改めて思ったのは、あの映画が如何に原作に忠実に作ってあったか!ということである。いや、細かいところではいろいろ違いもあるだろう。だが、作品の持つムードと言うか、登場人物を取り巻くさまざまな環境の、言わば温度や濃度、湿度などを見事に再現していると思う。

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Friday, August 16, 2013

『キミトピア』舞城王太郎(書評)

【8月16日特記】 書き下ろし3編を含む7つの作品からなる短編集。短編集と言っても小さな活字で合計400ページを超える分量だから、それぞれの作品も決して短くない。

僕は舞城王太郎の熱狂的なファンというわけではないが、それなりに好きでちょこちょこ読んではいる。そんな中、今回は今まで知らなかった舞城王太郎との出会いの連続で、彼の力量に改めて驚かされてしまった。

初っ端の『やさしナリン』なんて、作家名を明かされずに読んだら、まさか舞城作品だなんて思わないだろう。

「普通名詞というのは抽象的概念と同じで、それそのものとしては実在しない」という、色彩を抑えた硬い書き出しで始まる『やさしナリン』は、主人公・中辻櫛子と彼女の夫、そしてその親族たちとの心の行き違いの物語である。舞城らしい非日常的な事件はあまり派手には起こらない。

そこでは名前の問題から始まって、名付け/ネーミングについて、そして、生きて行く上でものごとをどう規定するかという非常に日常的な問題を取り上げている。会話や発想のズレが如何にもありそうな話なのである。

櫛子は極めて論理的な女性だ。正しいことを言っている。なのに、あるいは、だからこそ、夫や義妹たちはそれを感情的に受け入れられない。読者によっては彼らと同じように櫛子に反感を持つ人もいるのかもしれないが、僕は彼女に圧倒的な共感を覚えた。

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Thursday, August 15, 2013

テレビ東京『みんな!エスパーだよ!』

【8月15日特記】 第9話まで見たところでハードディスク・レコーダがぶっ潰れて、おまけにハードディスク交換で全ての録画データも消えてしまって頓挫していたのだが、漸くテレビ東京の深夜連続ドラマ『みんな!エスパーだよ!』を全話見終わった。

結局 BS ジャパンでの放送まで待てずに、TSUTAYA の動画配信で観た。おかげで溜まっていた TSUTAYA ポイントをほとんど全部使ってしまったが。

そもそもは「園子温監督、染谷将太主演」という番宣に惹かれたのだが、始まってみると園監督は第1話のみで、第2話と3話は入江悠監督である。

おいおい、これでは看板に偽りありではないか、と思う一方で、園子温という名前に反応する視聴者であれば、多分入江悠という名前にも反応するはずだから、「園子温や入江悠などがメガホンを取った」という売り方もありではなかったか、とも思う。

いずれにしても、最後まで見たら、園子温は第1, 6, 7, 10, 11, 12話と、結局ちょうど半分をカバーしていた。入江悠は上記の2回だけである。

エスパーの話である。そして、少年の性の目覚めの話を絡めたコメディ(僕はそういうテーマが大好き)である。以下、今回は多少ネタバレも書くので、これからご覧になる方はここでやめておいたほうが良いかもしれない。

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Wednesday, August 14, 2013

会社一筋 ン十年

【8月14日特記】 先日さとなおさんが、自分は電通に二十何年いたという話を若い人に何の気なしにしたら、「そんなに長く一つの会社にいたんですか!」と目を丸くされた、という話を書いていた。

なるほど、若い人の感覚はそうなのか、と僕も驚いた。

今の若者は、職場で上司と深刻な対立関係に陥ってしまったわけでもなく、評価や待遇の面で強い不満を持っているというわけでもなく、ただ「キャリア・アップのために」会社を辞めて、次の職場に移ろうとするのだそうである。

昔は、特に僕らより上の世代は、ほとんど誰も自分から辞めたりはしなかった。多くの人が「途中で辞めたりしたら負けだ」と思って歯を食いしばってきたのである。

僕らの世代もおんなじだ。辞めたいと思うことはあっても、そんなに簡単には辞めなかった。昔はみんな同じ会社に何十年も勤めたものだぞ、と若い人たちに言ってやりたい気分になって、しかしそこでふと気がついた──。

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Tuesday, August 13, 2013

生きていた音源

【8月13日特記】 今どきテープである。我が家にカセット・テープがかかる機械は1台しかないのだが、そこに一昨日、妻が久しぶりに見つけた愛聴版テープを入れて聴いていた。

妻が結婚直前に勤めていた音楽系の会社が、百貨店の催事がらみの仕事を受注した時に BGM に使った音楽なのだそうである。

表面と裏面(などと言っても今の若い人には何のことやら分からないだろうが)に別のアーティストが録音されているのであるが、どちらもひと言で括ってしまうなら“コンテンポラリー・フラメンコ”である。

スペインに留学していた経験のある妻が、その BGM を耳にして興味を持ち、「あの曲は何?」と訊いたら担当の社員がテープに落としてくれたという。

表面が Ketama で裏面が Raul Orellana。確かにいずれも良いアルバムである。フュージョン/ロック寄りのフラメンコに、ちょっとハウスっぽいリズムも取り入れてある。

しかし、テープである。いずれこれは劣化して聴けなくなるなと思ったので、多分10年くらい前かなと思うのだが、どこかにデジタルの音源はないものか、僕が一生懸命探したことがある。

しかし、街の大型 CD 店、Amazon、TSUTAYA、Mora ──どこにもなかった。それでそのままになっていた。

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Monday, August 12, 2013

お通夜

【8月12日特記】 昨日、会社の後輩が亡くなった。癌だった。

胃の調子が悪いなと思いながら、忙しさにかまけて延ばし延ばしになっていた胃カメラを漸く呑み、自分の胃の映像を自分で見ながら、「あかんやん。癌やん、これ」と思ったと言う。

すぐに通院しながらの投薬が始まった。

しかし、ある時、それまでにどういう経緯があって、どういう論理とどういうメンタリティで彼がそう決意したのかは分からないのだが、ともかく彼は抗癌剤治療をやめてしまったのである。

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Sunday, August 11, 2013

随想:自分らしさ

【8月11日更新】 「自分らしさを忘れずに」というのはある種のモットーとしてよく語られるフレーズである。また、それは僕の後半生のモットーでもある。

ただ、最近若い人がよくそんなことを口にするのを聞いていると少し違うように感じることがある。

雑音に惑わされずに思う通りに生きて行けば自然に自分らしい生き方ができる、というようなものではないと僕は感じているのである。

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Saturday, August 10, 2013

なんだかな

【8月10日特記】 ニュースのアプリやメルマガというのは世の中にたくさんある。僕もいくつか入れているが、そのうち朝日新聞のアプリを入れている関係で、速報メールが送られてくる(もちろん送られて来ないように設定もできるのだが)。

で、ここんとこ「なんだかな」と思うのが、高校野球の試合結果の速報である。そんなものニュースだろうか? ニュースであったとしても、速報する必要があるのだろうか?

この議論は実は放送局では古くからあって、必ずしもきれいに解決されてはいない問題である。ニュース速報を出すか出さないかだけではなく、レギュラー番組を打ち切って報道特番に切り替えるかどうかという判断にも繋がる。

報道特番を組むような大事(おおごと)になるのは、国民の生命や財産にかかわることが起きている場合である。わかりやすい例で言うと、大事故が起きても人がひとりも死んでいなければ、まず大きな特番編成は組まれないだろう。

ニュース速報を出すかどうかとなるともう少しハードルが低くなる。

そう言えば、昔、多分松田聖子が婚約を発表した時だったと思うが、それを画面に速報スーパーして怒られた奴がいたけど、その辺の領域の判断になってくるわけだ。

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Wednesday, August 07, 2013

鉦(かね)

【8月7日特記】 お通夜に行ってきた。お坊さんがお経を読んでいた(当たり前かw)

今回お坊さんはひとりで、お経を読み、木魚を叩き、鉦を鳴らした。その鉦の響きが良いのである。チーーーンと鳴って、うゎ~んうゎ~んうゎ~んとうねるのである。

響きそのものの美しさもある。が、それを構成する物理的、数学的な法則性の美しさもあるように思う。

ところが途中で何度か、お坊さんは、まだ振動の止まっていない鉦を唐突に台の上に載せて響きを止めてしまうのである。

こんなことって今まであっただろうか? 普通にあることなのだけれど僕が気づかなかっただけかもしれない。いや、でも割合よく聴いているほうなんだけどなあ、と思う。

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Monday, August 05, 2013

Play Log File on my Walkman #88

【8月5日特記】 折にふれて紹介している僕のプレイログ。ランダム再生している walkman の記録、と言うより、そこから適当に10曲ずつ抜き出したものである。

今回は前回書いた時からあまり日が経っていないが、大分溜まってしまったので、1回吐き出しておく。

  1. 雪幻燈(あがた森魚)
  2. 日曜日はストレンジャー(石野真子)
  3. 思い過ごしも恋のうち(サザンオールスターズ)
  4. 伝書鳩(森田童子)
  5. 小市民(嘉門達夫と小倉久寛)
  6. 明日がくるなら(JUJU with JAY'ED)
  7. そりゃそうだ(100s)
  8. 青春の詩(吉田拓郎)
  9. メトロ(大塚まさじ)
  10. あゝ上野駅(井沢八郎)

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Sunday, August 04, 2013

8/4サイト更新情報

【8月4日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回もまた、月2回レギュラーで更新している言葉のエッセイのみということになりました。今回は前々からずっとずっと気になっている表現を取り上げてみました。

というわけで今回の更新は下記1点のみ:

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Saturday, August 03, 2013

映画『風立ちぬ』

【8月3日特記】 映画『風立ちぬ』を観てきた。

宮崎駿作品は正直あまり僕の好みではない。観たいという気にならないのである。観ないから当然好きでも嫌いでもない。ただ、観ようという気が起こらないのである。

権威とか大家とかいうものに無条件の反発を覚えることが多い僕の性癖によるのかもしれない(ただ、多いとは言え、必ずではない。例えば手塚治虫には何の反感も抱いていない)。

それでナウシカも、トトロも、もののけ姫も観ていない。テレビで放送されてもやっぱり観ない。千と千尋は観た。これは面白かった。でも、だからと言って次の作品も観たいとか、遡って昔の作品も観てみようという気にもならなかった。

この作品も、悪く言えば、単なる暇つぶしに観に行ったに過ぎない。ところが、この映画には完璧にやられてしまった。参った。完敗である。

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Friday, August 02, 2013

すっきりしない

【8月2日特記】 読んで憶えてくれている人はいないだろうけれど、今年の5/23付の記事にこんなことを書いた:

先日カードの不正使用被害に遭って(この件についてはいつか追って書く。一応カードは廃棄処分にした)、共通のパスワードを減らす作業をしている。

で、「追って書く」と言いながら書いていないのは、いつまで経っても決着しない、というか、音沙汰無しになってしまったので、全部落ち着いたら書こうと思っていたのに書くきっかけが得られないからである。

僕はクレジットカードの請求明細は毎月チェックしている。そして、5/19に1枚のカードの明細をネット上で見ていたら、身に覚えのない iTunes での買い物34件、97,600円が請求されていることに気づいた。

カードのデータを盗まれた原因について思い当たるフシはない(可能性があるとしたらネットでショッピングしたあの店ぐらいしか考えられない、という程度の、何の証拠もなく、全くの的外れかもしれない見当しかつかない)。

それよりも最初はカードのデータが盗まれたのか、iTunes のアカウントが乗っ取られたのか、それさえ判断がつかなかった。いろいろ調べていくうちにどうやら前者であろうという結論に達したのだ。

カード会社に連絡したところ、カードを止めるのは当然として、Apple に連絡してこれは自分の買い物ではないことを証明してもらえ、と言う。

で、Apple に連絡すると、確かにあなたの ID でダウンロードされたものではないが、あなたが使用したのではないという証明はできない、と言う。そして、カード会社に正式に調査を依頼するように、と言う。

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