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Wednesday, June 12, 2013

【6月12日特記】 「石」という言葉は嫌いではない。響きも良い。「意志」や「意思」に通ずる。堅さも重みも感じられる。

「わが心石にあらず」というのは石を「簡単にひっくり返せるもの」という悪い意味で使った比喩だが、この表現にしてもいとおしい。

つげ義春に「石を売る」という、なんとも切ない、やるせない作品がある。これも良い。

ところが良くない石ができた。いや、石は前からあった。超音波検査(エコー)で分かっていた。左側の腎臓にあった。

その石が、何をきっかけとしたのか、まるで自ら意思を持ったかのように動き出した。

「痛みが出れば治療が必要」と言われてはいたが、どんな痛みなのか分からない。多分チクっとした痛みなのだろうと思っていたら、そうではなかった。その痛みはとても一般的な「腰痛」であった。最初はそうとは分からずに湿布薬を貼ったくらいだ。

医者に行って「左腰が痛い」と言うとすぐに尿検査をされた。血液が混じっているという。実は左の腎臓に石があると言ったら、「多分それでしょう」と言われた。

そして、飲み薬をくれた。これで石を流すのだそうだ。腎臓から出て尿管に入り、尿管の内壁を石が傷つけるので出血したり痛みがあったりする。石が動いて流れて、ひっかかり方が変わると痛み方も変わるという。それが膀胱にポトンと落ちたら治療終了。そこから先、尿道は尿管よりずっと太いので、すっと流れ出るとのこと(ほんまかいな?)

「1日に4回も5回もフツーのうんこが出る」と言うと、「そういうことはよくあります」とのこと。尿管が炎症を起こすと、その隣の大腸の動きが活発化して、腸内にある便を全て押し出すのだそうだ。

しかし、それにしても、石の旅は遅々として進まない。一体何日かけて落ちてくるつもりなのだろう。痛みは一旦収まり、またひどくなった。

結局1週間のうちに3回医者に行った。何回薬を飲めば良いのか、何日かかるのかについては、石の大きさにもよるし、個人差もあって何回とか何日とか言えないとのこと。しかし、痛みは腰の高い位置から少し低い位置に、背面から側面、最後は前面(下腹部)へと移ってくるとのこと。

今、石は左腰側面にある。それにしてもこの石の意思はどこにあるのだろう。

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