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Monday, June 17, 2013

「語彙・読解力検定」受験記

【6月17日特記】 昨日、朝日新聞社と Benesse が共同でやっている「語彙・読解力検定」の1級を受験してきた。

昨年準1級を受けたときには、一回受ければもういいか、と思ったのだが、準1級に受かったことで気を良くしてついつい、という面もあったし、1級の試験が実施されるのは今回が初めてなのでどうせなら初回に、みたいな面もあった。

しかし、それにしても今回は難しかった。

まあ、冒頭に難問を持ってきて、受験者に対するこけ脅しにするという悪趣味もあったのだろうが、いきなり「諮詢」とか「汗牛充棟」などといった、生まれてこの方一度も目にした記憶のない言葉を訊いてくる。

皆さんご存知ですか、そんな単語?

まあ、幸いにして漢字は表意文字なので、一つひとつの漢字の意味さえ知っていれば、熟語は初見でも見当がつく。というわけで「諮詢」のほうはなんとか正解できたが、「汗牛充棟」は間違えた。

これは「臥薪嘗胆」みたいな、2つの異なる逸話や比喩を並列に重ねて作った「2字+2字」の四字熟語だったのである。

「汗牛」で一旦切って考えていれば「牛が汗をかくほど重い」というところにたどり着いたかもしれないが、「汗かいた牛が棟を充たす」と考えてしまったので、なんだか夏の畜産業のようなイメージになってしまった(笑)

まあ、おかげで今回この単語の意味を憶えたから、それはそれで良かったんだが、でも、いきなりこの問題は萎えたなあ、少し。

しかし、今回もまた問題はてんこ盛りで、そんなこと言っている余裕はないのである。長文読解も含めて1問1分のペースで進まないと時間が足りなくなる。

最後の、いよいよ残り時間との戦いになってきたあたりで、5つの段落をバラバラに入れ替えた長文を読まされて、文意が通るように並べ替えろ、って何じゃそりゃ!みたいな嫌らしい問題もある。

それに加えて、前回の準1級のときと同じく、訊かれる分野は異様に広い。

「語彙・読解力」という看板から連想させられるような「国語」的な問題だけではない。時事問題、社会問題、科学技術用語、医療、生活、文化と、ありとあらゆる知識を試されるのだ。

「そんなものは毎日新聞を読んでいれば、自然に身についているはず」などと主催者側は言うのかもしれないが、悪いがここに出てくる問題は、「新聞で読んでも何日か経ったら間違いなく忘れている」類のことがやたらと多いように僕には思える(笑)

よって、今回も苦戦。前回も苦戦したという実感の割りには高得点だったが、今回は前回より更に苦戦している。

幸いにしてマークシートの場合はまぐれ当たりということがあるので、あとはまぐれ当たりが何個あるかと、合格最低点が何点に設定されているかにかかっている。

ただ、今度こそ、今回落ちたら多分もう一回受けようとは思わないと思う。

何というか、「ああ、そういう言葉あったよなあ。ええと、どこかで読んだのに思い出せない。ああ、何だったっけか?」と思わず口走りそうな、もう少しきわどいところを突いてくれないと闘志が湧かないのである。

ま、何の資格も学識経験もないくせに、自分の趣味嗜好だけで「賢いことばの Web」なんぞをやっている後ろめたさを少し軽減する意味(それは所詮自己満足にすぎないが)もあって、昨年準1級を受験したのだが、これは少し行き過ぎである。

こんな風にオールマイティを目指すのは僕の望むところではないのだ。狭くても良いから、なんか「道を極めた」感を都合よく与えてくれる何かを期待したのだが、どこかにそんな検定はないものだろうか(笑)

結果は来月中旬に送られて来るらしい。

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Comments

おっしゃることに全く同感です。
曖昧な知識、あやふやなことに区切りをつけるような問題でないと、いけないですね。知らんことばっかり出ては、学習意欲も起きず、2度目の受験はしません。

公式テキストがほとんど役に立っていないのもマイナスです。せめて、テキストから半分出します、ぐらいのインセンティブ(この言葉なら出題してもいいよ)がないと、テキストの売上にも寄与しないでしょう。
公式テキストに加え、朝日キーワードも買いましたが、こちらにすらカスリもしない問題ばかりで、笑うしかありませんでした。

最後に問題が持ち帰れないのは致命的です。時間に終われて、問題をほとんど覚えていません。試験のやりっ放しはいけないと、朝日新聞は説いていたはずですよ。
2日制だからなのでしょうが、それこそ朝日とベネッセが知恵を絞れば、何とかなるはずです。

Posted by: 三連星 | Monday, June 17, 2013 07:28

> 三連星さん

あ、そうか。この検定を受けてる人って僕みたいないい加減な人ばかりじゃなくて、長い時間かけてそれ用の勉強を積み重ねて来た方もいらっしゃるんですね。

で、こういう問題が出ると、確かに口惜しさも一入かもしれません。

Posted by: yama_eigh | Monday, June 17, 2013 23:19

はじめまして。
むーと申します。

『語彙・読解力検定1級』にチャレンジされるなんて、凄いですね。
幸いにして、「汗牛充棟」や「諮詢」は漢字検定で見かけたことがあったので、知っていましたが、流石1級の問題ですね。

このレベルで、準1級までとは違い、足切りや、総合得点率70%以上という厳しい基準があるわけですから、超難関の試験といえますね。

『辞書語彙』では、他にはどんな問題が出題されたのでしょうか。
『読解問題』は、問題集と比べて、難易度はどうだったのでしょうか。

覚えている範囲で結構ですので、回答宜しくお願い致します。

Posted by: むー | Thursday, June 27, 2013 10:48

> むーさん

ごめんなさい。もうほとんど忘れてしまいましたw

Posted by: yama_eigh | Thursday, June 27, 2013 23:39

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