愉しい「衣替え」
【5月25日特記】 衣替えをした。衣替え、という表現で良いのだろうか?
今辞書を引いてみたら載っていないので驚いたのであるが、例えば春物の衣服を衣装ケースなどにしまって、代わりに夏物の衣服をクローゼットやタンスに入れることを、僕らは子供の時から「衣替え」と言ってきた。
ちなみに東京出身の妻に訊くと、やっぱり「衣替え」と言うと言う。では、なぜピッタリの意味が辞書に載っていないのだろう。辞書にあるのは夏用制服と冬用制服の切り替えみたいな意味だけである。
ま、それは置いといて、考えてみたら、子供の頃はこんなに頻繁に入れ替えなかったような気がする。せいぜい春夏秋冬の4回、あるいはひょっとしたら(制服と同じように)夏服と冬服の年2回であったかもしれない。
今はどう考えても年6回は入れたり出したりしているような気がする。
子供の頃は季節の変わり目がはっきりしていたのが、最近は季節外れの異常気象も多くて、暖かくなったと思ったら急に冬に戻ったりする。だから用心して少しずつ入れ替える必要があるのかもしれない。
あるいは、子供の頃は家が広かったし、家具も多かったので、大きなタンスのたくさんの大きな引き出しに入れっぱなしにしておくことで、年2回とか4回で済んだのかもしれない。
いや、単純に昔はそんなにたくさん着るものを持っていなかったのかもしれない(今でもそんなにたくさん持ってないけど)。
それとも、今は収納事情が良くなって、昔みたいに押入れの奥の重い長持ちを引きずり出して、なんてことは必要なく、気軽に入れ替えられるようになったといったこともあるかもしれない。
いろんなことがあるのだろう。しかし、とりわけ僕は、あまり根拠もなく、それは自分が大人になったからだという気がする。
親に頼んで入れ替えてもらうのでもなく、気がついたら親が勝手に入れ替えてくれているのでもなく、親に言われて嫌々入れ替えの作業に取り掛かるのでもなく、自分の判断と意志で自由に入れ替える大人になったからだという気がしてならないのである。
今は季節を肌で確かめながら、自分の判断でちょこちょこ小刻みに入れ替えている。そう思うと、なんだか衣替えも愉しくなるのである。
Comments
ちょちょちょ!「それは置いといて」じゃなくて!
「衣替え」が辞書に出てないのは、「血潮」が出てない以上に問題ではありますまいか?
因みに、わが家の新明解(とほほ)には
「ころも」のところに「-替」で出てきます。
昔は4月1日と10月1日に行われた
という豆知識も出てきますよ。
Posted by: ksks | Saturday, May 25, 2013 19:54
> ksksさん
陰暦の4月1日と10月1日にやったみたいないことは大抵の辞書に載ってるんですよ。はい、季節に合わせて衣服を替えるという意味は載ってるんですが、そのためのストックを入れ替えておくという意味は却々載ってないんですよね。いくつかネット上のものも引いてみたけどやっぱり載ってない。
ま、載ってないものは仕方ないです。
Posted by: yama_eigh | Saturday, May 25, 2013 21:39
あ、そういうことでしたか、失礼しました。
Posted by: ksks | Saturday, May 25, 2013 23:28