『図書館戦争 革命のつばさ』
【5月6日特記】 映画版を観たのに合わせて、WOWOW から録画しておいたアニメ『図書館戦争 革命のつばさ』を観た。制作はプロダクションI.G である。
映画を先に観て良かった。時代設定はこちらのほうが後である。笠原と堂上は映画の時よりもうちょっと「いい感じ」になっている。
ただ、こちらは明らかに原作を読んだ人向けの作りだという気がした。設定や状況の説明が映画ほど丁寧でも巧みでもなく、事前の情報なくいきなりこれを見るとやや唐突な感じがするのではないか。
もちろん映画も原作を読んで惚れ込んだ人の手によって企画されたことに違いはないのだろうが、このアニメのほうがさらに「入れ込んだ」感じになっている。
その分、言論・表現の自由に対する危機感はひょっとすると映画よりも色濃く表れているのだが。
さて、アニメの宿命といえばそれまでだが、やはり実写に比べるとやや浮ついた感じになってしまう。それは声優による台詞回しがどうしても「コミカル」に、「マンガチック」になってしまうことによるものである。
そして、どうしても映画と比べると、人物像が薄っぺらいものになってしまう。
どんなに達者なスタッフが作ったものであっても、動画と生身の俳優を比べるとのはさすがに気の毒というものだが、今回改めて岡田准一や榮倉奈々の、引いては佐藤信介監督の表現力を思い知った気がした。
ただ、プロダクションI.G はアニメの表現力としては相当に高いレベルを保持しているプロダクションであり、今作でもマーガレット(?)の花や病院の屋上に干されたシーツが風に煽られて揺れるシーンなど、とてもリリカルで印象深かった。
ちょっと筋立てが荒っぽかったかなあ。いや、荒っぽいと言うより単純なところに収束し過ぎであるような気がした。
原作のファンはこれを見てどう思ったのだろう?
今回、映画とアニメの両方を見て、キャラの照合をするのが面白かった。肝心の原作小説を読まずにこんな楽しみ方をするのは多分邪道なのだろうけれど(笑)
Comments