正しい歯の磨き方と正しい声のかけ方
【4月9日特記】 昼食のあと歯磨きをする男性が増えてきた。13時前後の会社のトイレの洗面台が混んでいる。女子トイレのことは知らないが、少なくとも20年前の男子トイレではこんなことは全くなかった。
ここ何年かでどんどん増えている気がする。それだけ健康志向になったということか。いや、もう少し限定的に言うと「強い歯(歯茎)」志向なんだろうか。洒落て言うなら反歯垢志向か(笑)
しかし、傍で見ていて不思議で仕方がないのは、会社のトイレで歯を磨いている男たちのほとんどが、力任せみたいにゴシゴシ、ゴシゴシ磨いていることである。
そんな磨き方をしたら、きっと磨き残しだらけだろうし、歯茎も相当痛むのではないか?
幸いにして、僕は人生のある時点で、優秀な歯医者さんから正しい磨き方を教わった。
彼曰く、「どんなに良いハミガキをどんなに良い歯ブラシにつけて磨こうとも、物理的にこすれなかった部分の汚れは取れない」
僕の脳みそにはこういう論理的な説明が非常に馴染みやすい。それで彼に教わった磨き方をしている。教わった時、それは目からウロコであった。小学校で習ってきた磨き方とは全然違った。
いや、彼が何か特殊な磨き方を考案したというのではない。多分今の歯医者は皆こういう風に磨けと言う磨き方なのだと思う。ただ、僕らが小学校の時に教わった、歯ブラシをくるっくるっロールさせる磨き方は嘘っぱちだったということなのである。
彼は言う。「1日に1回で良いから、長い時間をかけて丁寧に真剣に磨きなさい」
僕はそれを守って、寝る前にたっぷり時間をかけて磨く。朝食後の歯磨きにはそれほど時間をかけない。そして、昼食後は磨いていない。
それでも歯の定期健診の際には大体「よく磨けている」と褒められる。歯の磨き方を教えてくれたのは東京の歯医者で、定期検診を受けているのは大阪の歯医者である。違う医者が認めてくれるのだから、ちゃんと磨けているのだろうと思う。
で、問題は、まるで鉄パイプのサビ落としでもするみたいにゴシゴシ、ゴシゴシ磨いている男たちにどういう言葉をかけてやるかである。
いつも迷うのだが、結局うまい言葉が見つからない。他人を不機嫌にさせるだけの言葉であれば、間違いなく発しないほうが良いのである。
かくして健康志向でありながら必ずしも健康を達成できない男たちで会社のトイレは年々混み合ってくる。
そういえばたまに片手で歯を磨きながら便器に向かって用を足している人もいる。こういう人も昔は決していなかった(笑)
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