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Sunday, April 21, 2013

映画『ペタルダンス』

【4月20日特記】 映画『ペタルダンス』を観てきた。

石川寛監督が7年前に撮った『好きだ、』は、日本での評価は低かったが、僕はものすごく感動した大々大好きな作品である。それに惹かれて観たのであるが、しかし、残念ながら今回は終盤で寝てしまった。

ただ、前作の雰囲気はそのままである。作りも似ている。

冒頭のジンコ(宮﨑あおい)と川田(風間俊介)のシーンでは、『好きだ、』と同じように、ほぼ同じ構図が続くシーンの、カット替わりする必要のないところで頻繁にカットが変わる。

形だけは2ショットであるが、カメラの狙いは常にジンコのほうで、川田は半分切れていたりもする。

そして、恐らく台本通りではなく、かなり即興を取り入れた演出(台詞の言い方が明らかにそうである)──これがかなりのリアリティの素になっているのは確か。

長い長い、緊張感のあるワンカットワンシーン。車の前部座席と後部座席にジンコと素子(安藤サクラ)を並べた会話のシーンはすごい!

意図的に抑えた色彩──春とはいえ雪の降るどこか北国が舞台で、ジンコ、素子、ミキ(吹石一恵)、原木(忽那汐里)というメインの人物全員が20代女性なのに、みんな一様にくすんだ色合いの衣服である(そして、訪れる側の3人がブルー~グレー基調であるのに対して、突然の来訪を受けるミキだけがベージュ~グレー基調である)。

ロードムービーである。学生時代の友人が自殺を図ったと聞いて、6年ぶりに彼女を訪ねようとする2人。そして、ひょんなことからそこにもうひとり、昨日までは何の関係もなかった、少し年下の女性が加わる。

──そんな筋だが、設定やバックグラウンドはとても小出しに語られるし、あまりはっきりとは語られない。例えば、かつての友人たち2人の間では「自殺」という表現は周到に避けられている。それは台詞としてはリアリティがある。ドラマとしては少しわかりにくい。

宮﨑あおいは『好きだ、』の前半部分の主演だったので、石川演出に慣れているのだろう。とても自然で活き活きとしている。そして、そこに安藤サクラを持ってくるという意外な組み合わせが見事な化学反応を引き起こしている。(宮崎あおい)

さらに、『マイ・バック・ページ』でもその存在感をしっかりと示してくれたが、忽那汐里というのは若いけれどとても力量のある女優である。

この辺が巧くからみ合って、良い感じで進んで行くのだが、『好きだ、』と違うのは、あまりに具体的な設定に欠けていたということ。いや、この監督の手法としては、恐らく設定は綿密に立てられているはずである。ただ、今回はそれが劇中で明示的に語られないのである。

だから、抽象的・観念的と言うか、構想が勝ってしまって少し頭でっかちな作品になっていたような気がする。

こういうのに見入ってしまう観客もいるだろうし、見入ってしまう精神状態というものもあるとは思うのだが、今日の僕は最後に寝入ってしまった。

だからあまり作品を云々する資格はない。

『好きだ、』と同じ2006年の宮﨑あおい出演映画『エリ・エリ レマ サバクタニ』の時も途中眠りに落ちてしまったのだが、この時は気になってもう一度映画館に見直しに行った。今回はそれをする気はない。

テレビで放送されたら、最後の寝てしまった部分をチェックしてみようと思う。

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