「キネマ旬報」2月下旬号(1)
【2月8日特記】 『キネマ旬報』2月下旬決算特別号が発売になりました。
今年はちょっと書くのが遅くなってしまいましたが、例年通りこの11位以下の順位と、僕が選んだ「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい映画10本」の突き合わせをしたいと思います。12/28 と 1/11 に書いた記事の続編ということになります。
で、1/11 の記事で書いた通り、今回は10位以内にはなんと、僕が選んだ映画が1本しか入っていませんでした。それは『桐島、部活やめるってよ』でした。さて、では残りの9本のうちの何本が20位以内に入っていたのでしょう?
答えは3本です。──第15位の『ヒミズ』、第16位の『その夜の侍』、第18位の『天地明察』。合計で4本とは、今年はまことに低調でした。とりあえず、順番に見て行きましょう。
『ヒミズ』が10位以内に入っていないのは不満ですが、予想はしておりました(笑) 『その夜の侍』はひょっとしたら入るかなと思った作品で、「あ、選んできたか。やっぱりキネ旬だね」という感じ。『天地明察』は入らないだろうと思っていたので、これは嬉しいです。
さて、今年は僕が選んだ残りの6本が、キネ旬ではそれぞれ何位にランクされているかを先に書いてしまいます。
まず、『キツツキと雨』が第21位。これもキネ旬らしいチョイスですね。僕は少し迷って選んだのだけれど、この順位は僕と同じような評価と言って良いでしょう。
それから、敬愛してやまない森田芳光監督の『僕達急行 A列車で行こう』が第28位。急死した監督の遺作ということで、もう少し上位に行くかと思ったのですが、そうでもなかったです。
『ヘルタースケルター』が第32位。これは僕自身期待せずに観に行ったら大いに裏切られたので選んだのですが、うん、まあこんなとこかなあ、という感じ。
アニメの『グスコーブドリの伝記』が第50位。これは評価低いですね。14点入ってますけど、点数を入れた審査員は2人しかいません。みんなあまり見てなかったのではないでしょうか?
もっとひどいのは『ポテチ』が3点で第106位。これは解せませんねえ。僕は中村義洋監督の最高傑作ではないかと思ったのですが…。まことに残念としか言いようがありません。
そして、最後の1本『僕等がいた』は選外。66人の審査員が1点たりともつけず、123位タイまでの131本の中に名前はありませんでした。まあ、前後篇ですからね。しかも、前後篇ともに観ないとどうしようもない作品なので、選考の上では明らかに不利でしょう。仕方ないですね。
では、今度は逆に、毎年やっているように、僕が観た(けど「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい映画10本」には選ばなかった)映画について、ランキングを追って行きます。
『おおかみこどもの雨と雪』が第13位。評価高いですね。いや、もちろんこれも良い映画でした。ただ、僕は細田守監督のベストではないと思いました。
それから『黄金を抱いて翔べ』が第14位。これも予想外に評価が高い感じ。井筒和幸監督。
第17位に『KOTOKO』。塚本晋也監督。この辺り、大御所が続きます。この作品が20位以内に入ってくるのはまことにキネ旬らしいと思います。
第23位には『愛と誠』。三池崇史監督。いやあ、これは面白い映画でしたよ。ただ、賞は獲らないと思いました。いいところにランクされていますね。
で、第34位に『はさみ hasami』が入っているのにびっくりしました。光石富士朗監督。こういう地味な映画をちゃんと観ているキネ旬の審査員は偉いなあと思いました。
そして、同じく地味な『I'M FLASH』(豊田利晃監督)が第36位。これもキネ旬らしい。
第47位には『生きてるものはいないのか』。石井聰互あらため石井岳龍監督久々の作品。はあ、悪い映画だと言うつもりはないですが、これがこんなに高く評価されるとは意外でした。
同じく第47位に『のぼうの城』。ああ、これは正しい評価ですね。この辺だと僕も思います。
第50位に板尾創路監督の『月光ノ仮面』。シブいですね(笑)
第52位に『テルマエ・ロマエ』。まあこんなもんっしょ。第52位に『闇金ウシジマくん』。こちらはテレビ・シリーズと比べると、真面目に撮りすぎて遊びがない感じがしたのですが、結構高く評価されています。
第60位に『LOVE まさお君が行く!』。誰じゃ、こんなの選んだ奴は(笑)
第63位に『ミロクローゼ』。僕はこれは「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい映画10本」に選ぼうかどうか迷ったくらいで、結構意欲作だと思うのですが、うん、ちゃんと選外にはならずにランクインしてます。立派なもんです。
第67位に『グッモーエビアン!』。激賞してる人もいましたが、僕はこんなもんかと思います。ただし、僕はこの映画は今年になってから観たので、10本選んだ時点では対象外でした。
同じく第67位に『るろうに剣心』。これ映画としては面白かったですよ。ただ、まあ純粋娯楽作品だし、順位はこんなもんでしょうね。
第73位に『ももへの手紙』。ああ、ちょっとインパクトに欠けるかと思ったのですが、でもちゃんと入って来ましたね。
第78位に『宇宙兄弟』。うーん、こんなもんすかね。
第85位に『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』。あら、これは前後篇の前編だけ入ってるという変な形。まあ、よくできた作品だと思いました。しかし、なんで前編だけ? まあ、この辺になってくると、1人の審査員が投票しているだけですけどね。
というわけで、後は簡単に。第95位タイに『麒麟の翼』と『009 RE: CYBORG』。そして第114位に『セイジ -陸の魚-』。以上が僕が観た作品で、キネ旬の審査員の少なくとも1人以上が点をつけた映画です。
さて、何日か置いてから例年通り「思い入れ度」と「一般受け度」の分析をしてみるつもりなので、こちらもお楽しみに。
Comments