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Thursday, February 28, 2013

ブラックCASカードのスパム

【2月28日特記】 最近、会社のアドレス宛にブラックCASカードを売り込むスパムメールが山ほど舞い込んで来ます。これには驚く、と言うか、不思議で仕方がありません。

このブログの記事でも時々触れていますし、プロファイル欄にも書いていますが、僕は民放に務めています。もっと言えば地上波テレビ局に勤務しています(ラジオ局を兼営しているかどうかは、この際ポイントではないのでネグっておきます)。

そのテレビ局にこういうメールを送りつけて、一体どれほどの効果があるのでしょう?

局のドメイン名(メールアドレスの@以降の部分)はホームページでも見ればすぐに判ります。そこに当てずっぽうのアカウント名(メールアドレスの@より前の部分)を書いて送りつけたものが、たまたま当たって僕のところまで届いているのだと思います。

ただし、最近のメールサーバはいろんな機能を付加して賢くなってますので、実際にはそういうスパムは未然にカットされて、僕の手許には届きません。ただ、どのメールがカットされたかという一覧は毎日見ている(見ておかなければ、万一間違ってカットされたメールがあった時に発見できない)ので、どれほど多くの数が届いているかは分かっています。

これがまた半端じゃない数なんです。

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Tuesday, February 26, 2013

怒らないで驚け

【2月26日更新】 僕の最近のモットーは、「怒らないで驚け」。

人間、自分がどうしても理解できないことをやられると、ついつい腹が立つものです。

こいつ、頭がおかしいんじゃないか。

こんな奴と一緒にやってられない。

俺を舐めてんのか。

どうしてもそんなネガティブな感情に絡め取られてしまいます。

しかし、そういうとんでもない何かをやられた時、怒りよりも前に、最初に感じたのは驚きだったはず。たとえ瞬時に怒りに変わったとしても、まずそこに驚きがあったはず。

その驚きをできるだげ引き延ばして、そこから深く掘り下げてみたらどうなるか?

なんで彼はそんな風にするんだろ? なんで...?

そこからです。

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Sunday, February 24, 2013

映画『横道世之介』

【2月24日特記】 映画『横道世之介』を観てきた。

僕は普段から監督で映画を選ぶことが多い。この映画についても、初めて観た沖田修一監督の前作『キツツキと雨』が良かったから、ということもある。だが、この作品についてはむしろ主演の男優・女優で選んだ面が非常に強い。

──高良健吾と吉高由里子。2人とも、初めて観た時から非常に強い印象を受けた役者である。

高良健吾を初めて見たのは2007年9月の『サッド ヴァケイション』だった。この時の鑑賞記事では彼について一切触れていない(後述の通り、消えてしまう役者だろうと思っていた)のだが、2011年に観た『軽蔑』の記事で、僕は彼についてこんな風に書いている。

眼と言えば、高良健吾もまた眼力(めぢから)の強い役者である。

初めて見たのは青山真治監督の『サッド ヴァケイション』で、異父兄である浅野忠信にボコボコにされる少年の役だった。ものすごく印象に残ったのに、あの時なぜだか僕はこのまま消えてしまう役者だろうと思った。それが今では軒並み主演作が続く大物になった。

実は『サッド ヴァケイション』の次に観た『M』の記事でも僕は「きつい眼つきの少年」と書いている。最初はその辺りが目立つ役者でしかなかったのが、今回の柔和な横道世之介役を見ると、改めて彼の成長ぶりを感じさせられる。

そして、吉高由里子については、初めて観た『転々』(2007年11月)の記事で、僕はこんな風に書いている。

ところで、キャストの4番目に名前が載っている吉高由里子が妙に印象に残っている。もうすでに何本かのキャリアがある女優のようだが僕は初めて観た。このまま消えるか大化けするかのどちらかだと思うのだが、しばらく注目していたい。

こちらも結局「大化け」したことになる。いや、僕は「大化け」する前から、たとえ台詞のない役であっても、スクリーンに彼女の姿を見つけるたびに応援してきた。それは宮﨑あおいの時と同じだ。

そして、宮﨑あおいがクノールのCMに起用された時と同じく、吉高由里子が翌年8月の『きみの友だち』で良い演技を披露してくれた時も、これはひとつのエポックなのだと思った。

そんな2人が今回も良い芝居を見せてくれている。ただし、吉高由里子は中盤で初めて登場する。

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Saturday, February 23, 2013

新しい PC

【2月23日更新】 このブログにも、もう何度も同じようなことを書いたようにも思うが、何度も同じことを思うので、また書くことにする。

今使っている PC が7年目に入ったので、新しい PC に乗り換えることにした。先日 25%割引チケットを使って Web 上で発注したのだが、それが今日届いた(暇のあるときに諸々一気に設定しようと思っているので、今日時点ではまだダンボールの中であるが)。

その新しい PC はメモリが 16GB、ハードディスクが 1TB である。もちろん、標準装備ではない。僕がオプションで限度いっぱいまで増量したのである。

で、自分で設定しておいて言うのも何だが、メモリが 16GB、ハードディスクが 1TBだなんて、初めて PC を買った頃ならおよそ考えられなかったスペックである。

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Wednesday, February 20, 2013

2/20サイト更新情報

【2月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回は前回と同じく、月に2回更新していることばのエッセイに加えて、以前書いた音楽エッセイへの加筆分があります。

ことばのエッセイはいろんな意味での耳の良し悪しについて。

音楽エッセイのほうは「転調」名曲選のリストに2曲書き加えたのですが、どの曲を加えたのか分かる人はいないでしょう。いや、いなくて良いのです。ただ、この手の企画については、こんな風に思いついたら時々書き加えて行きます。

ということで、今回の更新は下記の通り:

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Tuesday, February 19, 2013

『呪いの時代』内田樹(書評)

【2月19日特記】 最初に、本を読んだ後の感想としてはあまりに次元の低いことを書くが、いやあ、内田樹は面白い(笑)

何が面白いって、僕が考えていることに直接働きかけてくれるからである。他の本が飲み薬だとしたら、内田樹は塗り薬である。患部に直接作用してくる。

どう作用してくるかというと、僕が考えていたことと同じことを言って僕を喜ばせてくれる。僕が途中まで考えていたことを補強し、敷衍し、傍証を与えてくれる。何となくそうなのかなと感じていたことに、明快な論拠を示してくれる。考えあぐねて放り出していたことに、いくつかのヒントをチラつかせて、そこから先の道をぼんやりと照らしてくれる。

彼の面白さは新奇さではない。彼の書くことは僕の知らなかったことばかりではない。僕が知っていたことを、まるで土の中から掘り出したばかりのものにシャワーを当てて洗い流すように明快にしてくれる。

いや、まあ、それはあくまで僕の場合であって、「俺は内田が書いているこんなことは全く知らなかったし考えたこともなかった」と言う人もいるだろう。もちろん、僕だって内田樹の書く全てを事前に熟知しているわけではない。内田樹は学者として長いこと飯を食ってきた人なので、僕よりもはるかに読書量が多いし、当然彼の専門の分野については僕はほとんど何も知らない。

でも、僕が知らないと言っても内田樹は決して「どうだ、偉いだろう」とか「そんなことも知らんのか」とは言わないのである。

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Monday, February 18, 2013

Play Log File on my Walkman #82

【2月18日特記】 今年3回目のプレイログ披露。今回も10曲:

  1. 贈り物(吉田拓郎)
  2. 30(30AGE)(MOONRIDERS)
  3. 待ちわびた休日(上田まり)
  4. 乙女座宮(山口百恵)
  5. 情熱☆熱風◎せれなーで(近藤真彦)
  6. 時には母のない子のように(カルメン・マキ)
  7. 十人十色(misono)
  8. My Girl(E-ZEE BAND)
  9. さらば恋人(堺正章)
  10. タイム・トラベル(原田真二)

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Sunday, February 17, 2013

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月17日特記】 年末から2月中旬にかけて、キネマ旬報ベストテン絡みの記事を4本書くのが恒例になってきましたが、今回もその最後の記事を書こうと思います。

これはキネ旬ベストテンの日本映画の採点表に基づいて、ベストテンに入った映画の得点を分解してみようという企画です。

毎回書いていますが、これは統計学的に正しいやり方ではありません。本格的にやるならもっと面倒臭い方法で正しい分析ができるはずです。ただ、このやり方でもなんとなく傾向が見えてくるのが面白くて、僕はもう何年もこれをやっています。

それは何かと言うと、それぞれの映画が得た合計点数を「審査員何人×平均得点何点」という形に分解してみる遊びです。

今年(対象としては去年)で言うと日本映画の投票には編集部を含めて66人の審査員が投票しています。それぞれが55点を持ち点として、第1位に10点、第2位に9点、第3位に8点…、第10位に1点という風に入れていきます。そして、その合計点によって順位が決められます。

しかし、考えて見れば同じ200点でも20人×10点の映画もあれば、40人×5点の映画もあるわけです。

雑駁に言って、前者の場合は投票した審査員が皆1位に推挙したという、とても思い入れ度の高い映画であると言えます。後者の場合は66人中40人が点数を投じたという、とても大勢に受けた映画だと言えます。

あくまで上位の10本くらいに限っての手法なんですが、そんな違いが見えてくるのが面白いんですよね。だから、やめられません。さて、今回はとてもおもしろい結果が出ました。早速披露してみましょう。

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Saturday, February 16, 2013

映画『ナイトピープル』

【2月16日特記】 映画『ナイトピープル』を観てきた。門井肇監督。

この監督の作品では『休暇』を観ている。扱った題材(=死刑執行)の重さに少し負けた感はあったが、そこそこ良い映画だった。

今回は逢坂剛原作のミステリである。始まって暫くはやたらとテンポが良く展開が速い。

冒頭、とある政治家の家に強盗が入るシーン。金を取り戻そうとしたヤクザ(その政治家と闇で通じている)の子分・葛西(三元雅芸)が犯人に刺される。

続いて、バー「ナイトピープル」のシーン。マスター木村(北村一輝)のところに、「働かせてほしい」とやってきたちょっと謎っぽい女・萌子(佐藤江梨子)。そして、店に現れるこれまた正体不明の男・曽根(杉本哲太)。

この2つの話が最初は繋がらない。それが、あるところで繋がってくる。普段それほどミステリを読まない僕からすると、如何にもミステリ(笑)という感じの展開である。

で、登場人物同士が騙し騙されの駆け引きが始まる。それを観ている観客も何度も騙され、ストーリーは思いもよらぬ方向に展開する。

そういう意味では良く練れた原作であり、こなれた映画化なのだろう。

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Friday, February 15, 2013

映画『コドモ警察』

【2月14日特記】 社内試写で映画『コドモ警察』を観た。実はTVドラマのシリーズは1本も見ていないのだが、面白かった。TVシリーズを見ていないほうが、ひょっとしたら新鮮で面白いのかもしれない。

設定は単純で、悪の組織に踏み込んだ時に罠に嵌ってしまい、子供になってしまうガスを浴びせられた刑事たちの話である。そういう訳で、鈴木福くんをはじめとする、普段「子役」と呼ばれている小さな役者たちが大きな大人を演じている。

鈴木福くんはご存知の通り、あまり滑舌も良くなく、口がうまく回らない。その彼が、恐らくは石原裕次郎演ずるところの『太陽にほえろ!』のボスを模したと思われる「デカ長」を演じて、大人の台詞を喋る──そのギャップを楽しむコメディである。

熱心にTVシリーズを観ていた人によると、あの頃より子供たちは演技が巧くなっているとのこと。で、あるならば、TVシリーズの時のほうが面白かったのかもしれない。

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Thursday, February 14, 2013

僕の温熱療法

【2月14日特記】 これは医学的な裏付けがあるわけでもなく、科学的なデータが揃っているわけでもなくて、あくまで僕の“感じ”の話なので、「真似してやってみたけど治らなかった」と言われても困るのだが、それでも書くのは、「僕に効くのだから他の人にも効くかもしれない」という“思い”があるからである。

年を取ってくると急に関節やら筋やら筋肉やらが痛くなってくることがある。それは肩だったり、腰だったり、あるいは膝だったりする。

別に昨日激しい運動をしたからとか、変な姿勢で長時間過ごしたからとか、そういう思い当たるフシは何もない。

こういう状態で医者に行くと、まあ、せいぜいレントゲン撮って骨に異常のないのを確かめてから湿布薬くれるのが関の山である。しかし、それでは却々治らないのである。

医者に行っても治らないのなら、自分で市販の湿布薬貼っておいても同じだろう、と思って貼ってみたりもするのだが、医者に行っても治らないものが、勝手に湿布貼って治るべくもない。

で、ある日ふと思いついて温めてみたのである。用いるのは貼るタイプの使い捨てカイロ。1日、2日ではもちろん治らない。しかし、10日、2週間と連続して貼っていると不思議なことにいつしか治っているのである。いや、ホントに。

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Tuesday, February 12, 2013

『ウェブで政治を動かす!』津田大介(書評)

【2月12日特記】 僕はずっと、津田大介という人は現状をまとめるのがとても巧い人で、あまり自分から新たな提言をする人ではないと思っていた。いや、そんなことを言うと当の津田さん(一応何度かお会いしているのでさん付けにしておく)は心外に思うだろう。それは僕も分かっている。あくまで僕の印象の問題なのである。

今までも津田さんはいろいろと行動してきた。音楽ライターとしてキャリアを始め、その中でパソコンやインターネットと出会い、やがて音楽配信と著作権の問題に突き当たる。ちょうどその頃に日本ではいち早く twitter を始め、所謂「tsudaる」という行為を開始している。

それが有名になって、政府からお呼びがかかるなどもして、次第に政治との接点を作って行った。そして、その集大成がこの本だと言って良いだろう。

先ほども述べたように、この間津田大介は常に「まとめ」の仕事だけをして何も提言したり行動したりして来なかったわけではない。

ただ、彼の書いたものの印象からすると、ものごとを整理してまとめて行くのがあまりに巧いということもあって、どうもその側面だけが目立っていたように僕は思う。そして、彼が言わば問題の先端を突き進んでいるのに対し、彼の読者はあまりに遅れた位置にあり、そういう意味でまだ啓蒙的な要素が非常に強かったように思う。

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Monday, February 11, 2013

映画『きいろいゾウ』

【2月11日特記】 映画『きいろいゾウ』を観てきた。廣木隆一監督──僕は勝手に「引き画の廣木」と呼んでいる。

ともかく印象に残るロングの画を撮る人である。この映画だからカメラを引いて田園風景を映し込んでいるのではない。背景が美しい大自然であっても薄汚れた廃墟であっても、どんな映画でもこれをやるのである。

冒頭引いた画から入って徐々に人物に寄って行くような画ではない。おいおい、そこは役者の表情見えなくていいの?とこっちが心配になるようなシーンでカメラは引いたまま寄らず、深い大きな構図を見せるのである。

そして、特筆すべきはその引いた画が力強いこと。ロングにすることによって、我々は端的に人間という存在の小ささを感じることになる。ただ、そこにあるのは孤独感とか寂寞感とかいうものではない。

人間の小ささよりも、むしろ自然や社会の大きさを感じてしまう──そんなポジティブなロングの画作りをするのが廣木隆一監督なのである。

この映画でも冒頭のツマ(宮﨑あおい)が庭に散水しているシーンが俯瞰の引き画である。海辺にパラソル立ててツマとムコ(向井理)が寝転ぶシーンもロングである。2人が川を挟んで大地(濱田龍臣)と最初に喋るシーンもそうだ。

他にも山ほどあった。夕暮れの武辜家を捉えた圧倒的なロングがあった。クレーンでゆっくり回ってきた。ほとんどは台詞のあるシーンだ。役者の口許も目許も見えない。でも、人物の感情はちゃんと伝わってくるのである。

それから、長回しもやる。

軽トラックの中でツマとムコが言い争いになるシーン。走る車を外側から撮影している。最初のムコがたくさん喋るところは運転席側の窓の外からの長回し。ツマがむくれて、苛立って、泣いて、少しだけ落ち着いてくるのを今度は助手席側の外から、途切れることなく一気に見せてくれる。

そして、この映画で一番凄いシーン。そう台所の流しでツマがムコの手を打つシーン。最初は手許を映しているがその後はそれぞれの顔をアップで撮った長い長いシークエンス。表情と音だけで全てを伝えてくる。そういう行動でしか、自分のモヤモヤした感じを表現するしかなかったツマの胸中を、ムコの想いを伝えてくる。

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Sunday, February 10, 2013

映画『脳男』

【2月10日特記】 映画『脳男』を観てきた。瀧本智行監督。

“脳男”(生田斗真)は生まれつき感情がない。痛みも一切感じない。その代わり超人的な記憶力と身体能力がある。如何なる外界刺激に対しても無表情で反応がなく、しかし、素速く鋭い動きで人を文字通り秒殺する。

一方で、緑川紀子という爆弾テロリスト(二階堂ふみ)が登場する。こちらも脳男に匹敵する異常なキャラクターである。レスビアンの関係にある相棒のゆりあ(太田莉菜)も一緒にいる。

茶屋(江口洋介)と広野(大和田健介)という2人の刑事が潜伏現場と思しき工場跡を突き止め、中に入ろうとした時に爆発が起こる。踏み込んでみると犯人はおらず、脳男がひとり立っていた。

茶屋はとりあえずその脳男を連行する。精神科医の鷲谷(松雪泰子)と空身(甲本雅裕)が彼の鑑定を引き受けることになり、調べて行くうちに恐るべき事実が明らかになる──荒っぽく言うと前半は大体こんな感じのストーリーなのだが、ひと言でまとめてしまうと、これは荒唐無稽の部類である。

面白くないかと言われれば確かにある意味面白い。が、心底楽しむことができない。

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Saturday, February 09, 2013

映画『さよならドビュッシー』

【2月9日特記】 映画『さよならドビュッシー』を観てきた。利重剛(りじゅう・ごう)監督。

利重剛は昔から好きな役者である。最初に見たのはTBSの金曜ドラマ『父母の誤算』(1981年)。母親である小山内美江子が脚本を手がけた作品に無表情・無感動の高校生役で出て鮮烈な印象を残した。これが役者デビューである。

同じ頃大学で自主映画を撮り始めており、黒沢清、万田邦敏、今関あきよし等よりは少し下、犬童一心、手塚眞の世代に当たる。同じ1981年に『近頃なぜかチャールストン』を岡本喜八に持ち込んで共同脚本を務め、周囲を驚かせた。

そして、1996年の『BeRLiN』辺りから監督として名前も売れ始めた。残念ながら僕が観た監督作品はこれだけである。確か何か賞も獲ったと思うのだが、僕はあまりピンと来なかった。荻生田宏治監督と共同で脚本を書いた『帰郷』はとても良かったけれど。

やっぱり彼は役者の人ではないかなと思うのである。彼が出演した映画はこれまで映画館で12本見ているが、気の弱い好青年から暴力的な変質者まで、どんな役をやらせても本当に巧いと思う。ちなみに、夫人は元プリンセス・プリンセスの今野登茂子である(この映画にも音楽担当で参加している)。

さて、利重剛の人となりはこの辺にして本題に入る。この『さよならドビュッシー』は利重剛が『クロエ』以来10年ぶりにメガホンを取った作品である。ただ、僕が好きなのはあくまで俳優・利重剛であって、監督・利重剛ではないので、実のところそんなに期待しないで観に行ったのである。

しかし、観に行って良かった。もう、めっちゃくちゃに面白かった!

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Friday, February 08, 2013

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月8日特記】 『キネマ旬報』2月下旬決算特別号が発売になりました。

今年はちょっと書くのが遅くなってしまいましたが、例年通りこの11位以下の順位と、僕が選んだ「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい映画10本」の突き合わせをしたいと思います。12/281/11 に書いた記事の続編ということになります。

で、1/11 の記事で書いた通り、今回は10位以内にはなんと、僕が選んだ映画が1本しか入っていませんでした。それは『桐島、部活やめるってよ』でした。さて、では残りの9本のうちの何本が20位以内に入っていたのでしょう?

答えは3本です。──第15位の『ヒミズ』、第16位の『その夜の侍』、第18位の『天地明察』合計で4本とは、今年はまことに低調でした。とりあえず、順番に見て行きましょう。

『ヒミズ』が10位以内に入っていないのは不満ですが、予想はしておりました(笑) 『その夜の侍』はひょっとしたら入るかなと思った作品で、「あ、選んできたか。やっぱりキネ旬だね」という感じ。『天地明察』は入らないだろうと思っていたので、これは嬉しいです。

さて、今年は僕が選んだ残りの6本が、キネ旬ではそれぞれ何位にランクされているかを先に書いてしまいます。

まず、『キツツキと雨』が第21位。これもキネ旬らしいチョイスですね。僕は少し迷って選んだのだけれど、この順位は僕と同じような評価と言って良いでしょう。

それから、敬愛してやまない森田芳光監督の『僕達急行 A列車で行こう』が第28位。急死した監督の遺作ということで、もう少し上位に行くかと思ったのですが、そうでもなかったです。

『ヘルタースケルター』が第32位。これは僕自身期待せずに観に行ったら大いに裏切られたので選んだのですが、うん、まあこんなとこかなあ、という感じ。

アニメの『グスコーブドリの伝記』が第50位。これは評価低いですね。14点入ってますけど、点数を入れた審査員は2人しかいません。みんなあまり見てなかったのではないでしょうか?

もっとひどいのは『ポテチ』が3点で第106位。これは解せませんねえ。僕は中村義洋監督の最高傑作ではないかと思ったのですが…。まことに残念としか言いようがありません。

そして、最後の1本『僕等がいた』は選外。66人の審査員が1点たりともつけず、123位タイまでの131本の中に名前はありませんでした。まあ、前後篇ですからね。しかも、前後篇ともに観ないとどうしようもない作品なので、選考の上では明らかに不利でしょう。仕方ないですね。

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Wednesday, February 06, 2013

『人質の朗読会』小川洋子(書評)

【2月6日特記】 短編が9作収められている。が、単なる短編集ではない。その設定が大変面白い。

地球の裏側(と言うから多分南米なのだろう)に旅行中の日本人8人(うち1人は添乗員)の乗ったバスが反政府ゲリラに襲われ、全員が人質となって山小屋に拉致監禁されてしまう。

事件は長期化するが、彼らはやがてその小屋の中で、自らの人生における忘れられない経験を書き綴り、それを朗読する会を始める。そういう事情がまず、「第一夜」に入る前に簡単に説明される。

そして、それに続いて、彼らが朗読した話が順に掲載されている。日本人は8人のはずだが、何故だか「第九夜」まである。それが何故なのかは、ここには書かないでおく。

一人ひとりが語るストーリーは、超常的なもの(特に第一夜がそうだ)もあれば、話自体は日常的なものもある。ただ、いずれもミステリアスな味付けになっている。この辺りが如何にも小川洋子という感じである。

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Tuesday, February 05, 2013

2/5サイト更新情報

【2月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はいつも通り、月に2回更新していることばのエッセイの他に、以前書いた音楽エッセイに少し加筆しました。

ことばのエッセイは2001年6月に書いた『敬語の稽古』の続編です。また、これは去年の9月に書いた『上から目線』の続編でもあります。

そして、加筆した音楽エッセイのほうは、多分どこを加筆したかお分かりになる方はおられないと思いますが、確かに加筆しました(笑) 具体的には表の部分に1曲加えたということです。ま、それがどれであれ、この表をじっくり味わってもらえたら嬉しいです。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Monday, February 04, 2013

筒美京平 GOLDEN HISTORY

【2月4日特記】 知ってる人はもうとっくに知ってる話だと思うが、筒美京平のコンピレーションが各レコード会社から一斉に発売になった。僕の知る限り2枚組×6作品(6社)である。

7社目は Amazon では現在品切れになっているが、TSUTAYA では製造中止と伝えていた。定かなところは分からない。

筒美京平の偉大さを今ここで語るまでもないだろう。

近代~現代の日本の流行歌の歴史の中においては、僕は古賀政男より、服部良一より、阿久悠より重要な存在であると思っている。

さすがに筒美京平の楽曲については僕も既にたくさんの音源を保有しているので、これらを片っ端から買うのは無駄が大きい。そこで TSUTAYA DISCAS から取り寄せることにした。

今、第一弾としてビクターとキャニオンから発売された2セットが僕の手許に届いている。

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Sunday, February 03, 2013

映画『つやのよる』

【2月3日特記】 映画『つやのよる』を観てきた。行定勲監督。原作は井上荒野。

行定監督の映画を観ていて時々思うのは、途中で飽きてくることがあるということだ。あまりダイナミックなことが起きないままシーンが流れて行くからである。でも、これが行定監督の味かなあと思う。

ある種「えっ、これで終わり?」という、訳の分からない映画であるとも言える。もしも僕が今の半分の年齢だったなら、この映画を失敗作と断じていたのではないかと思う。僕も歳を重ねて漸くこういう味が解ってきた。

観ていて『きょうのできごと a day on the planet』を思い出した。群像劇である。一見バラバラのオムニバス風ではあるが、僕はやっぱり群像劇と呼びたい。そして、そう、今回もあまり華々しい出来事は起きない。だが、設定はかなり凝っている。

タイトルになっている「つや」は女性の名前である(漢字では「艶」と書く)。だが、物語の主人公ではない。それどころか顔もまともに映らない。彼女は40代の半ばで、病院で死にかけている。何の病気なのかも語られない。

艶の夫が松生春二(阿部寛)である。彼は病院につきっきりである。いや、艶が元気だった頃からずっと艶の後を追いかけ回して、艶の面倒を引き受けてきた。自分と婚姻関係にありながら奔放な男関係を続ける艶に、嫉妬しながら、しかし、ひたすらに愛し、彼女の引き起こすトラブルさえ片付けてきた。

その松生が、艶の死に瀕して、艶の昔の男たちに連絡を取り始める。

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Saturday, February 02, 2013

Kindle Fire HD 使用実感 その2

【2月2日特記】 Kindle Fire HD が手許に届いてから3週間の頃に使用感についての記事を書いたが、それからさらに3週間が過ぎたので、第2弾を書いてみる。その後気がついたことだけではなくて、単に前に書き漏らしたことも少なくないのだが…。

まず、これはもう商品が届いて手に取った瞬間に思ったことなのだが、タッチパネルの感度はあまり良くない。時々タップやスワイプに反応しないのである。

iPhone や iPad とは比べ物にならない。ああ、やっぱり、あれが世界最高なのか、と逆に実感した。喩えは悪いかもしれないが、若い女性と中年のおっさんほど肌触りが違う。まあ仕方がないか。

それから、電子本に関して言うと、前の記事では「まだ多いとは言えないが、そのうちどんどん増えてくるだろう」と書いたけれど、やっぱり本を買おうとするたびに規格の乱立を実感する。

Kindle で読めるバージョンが多いか少ないかといった小さな問題ではなく、「あれなら読めるけど、これなら読めない」という例が多すぎるのである。つまり、まだこの世界はハードの時代なのである。

ビデオにしても DVD にしても、規格争いに決着がつかないとソフトの時代は来なかったのである。ソフトの時代とは、つまり、自動車がどういう仕組なのか全く分からなくても平気で運転する人が出てくるような時代である。

自分で整備もできないドライバーというのはある意味困った存在であるが、そういう人が増えた時に初めてコンテンツや利便性は飛躍するのである。

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