« 11/5サイト更新情報 | Main | 『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ(書評) »

Tuesday, November 06, 2012

覚悟はできている

【11月6日特記】  少し前のことになりますが、大学時代の恩師の傘寿を祝う会に出席してきた時の話です。

先生は私の顔を見るなり、こんな風におっしゃって笑われました。

「また君に怒られるかもしれんなあ。70歳や80歳まで生きたからって何が偉いんだ、高い金取ってパーティなんかするな、って」

私は一瞬何のことだか分からなくてきょとんとしていたのですが、後者についてはすぐに思い出しました。

あれは先生の古希を祝う会の案内をいただいた時のことでした。今年が傘寿ですから、ちょうど10年前です。その案内状を見て、私は激怒して幹事役に怒涛の返信をしたのでした。何故ならば会費があまりに高かったからです。

もう、正確に幾らだったのか忘れてしまいましたが、一番上の桁は「万」でした。立食パーティで何万円というのは一体どういうことか!と怒り心頭に発して、私は返信はがきの通信欄に

「政治家の資金集めのパーティじゃあるまいし、何を考えているのですか。先生だってこんなことは決して望んでおられないはずです」

(ちなみに、会費がそんなに高くなったのは、確か旅行券だったと思うのですが、先生ご夫妻にかなり高額の「記念品」をお贈りしたためです。先生は決してそんなものを望んでおられなかっただろうと思うのですが…)

と書いて楯突いたのです。すると、あろうことか、これをそのまま他ならぬ先生ご本人に見せた奴がいたのです。信じられないことです。

私はそのことを知りませんでした。ともかく頭に来たので、当日は先生の記念講義だけ聴いて、その後のパーティには出ずに帰りました。

それを聞かされたのはその7年後、先生の喜寿の会でした。この時は会費が何千円というまともな金額に落ちていたので、素直に出席の連絡をしたのでした。

そう言えばあの日も先生は私の顔を見るなり、「また君に怒られるかもしれんなあ」とおっしゃったのでした。私が、「あの日は先生の講義だけはお聴きして帰ったのです」と言うと、「なんだ、来ていたのか、全然知らなかった」と喜んで下さいました。

そのことを、ちょうど3年後の今年のパーティで、またもや先生に同じことを言われて思い出したのです。それで、「そうそう、こういうことを先生に垂れ込んだ奴がいるんだ」ということも思い出して、一緒に悪い気分も蘇ったのでした。

いや、そういう奴がいることは先刻承知です。

会社でもそんなことがありました。外資系の取引先の担当者の振る舞いに激怒して罵詈雑言のメールを送ったら、それをわざわざ英訳してアメリカ人の上司に見せやがったのです。おかげで私は「出入り禁止」というやつを、そのアメリカ人から直々に申し渡されてしまいました(笑)

そんな経験もあるので、覚悟はできています。

ただ、覚悟ができているからって、何か対策があるわけではありません。垂れ込まれて大もめにもめるのを覚悟して待つだけのことです(笑)

幸い先生は、「そういう正論を吐けるのは君くらいだ」と随分喜んで下さいました。だから、別に先生と気まずくなったわけでも何でもなくて、ああ良かった、と胸をなでおろしたのでした。

しかし、話は元に戻りますが、先生が今度のパーティでおっしゃった「70歳まで生きたからって何が偉いんだ」というのは全く身に覚えがありません。いくら私でも、そんなひどいことを口にするはずがありません。

これはやっぱり誰かの讒言によるのか、それとも先生もお年を召したこともあって何か勘違いをされているのか、そこのところはよく分かりません。

「それは何かの勘違いでしょう。いくら私でもそんなひどいことは申しませんよ」と言うと、先生は「そうか」と笑っておられたので一応事なきを得たのですが、世の中却々油断がならないものです。はい、いつも覚悟だけはできているのですが(笑)

|

« 11/5サイト更新情報 | Main | 『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ(書評) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110115/56051726

Listed below are links to weblogs that reference 覚悟はできている:

« 11/5サイト更新情報 | Main | 『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ(書評) »