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Wednesday, November 28, 2012

『中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?』NHK_PR1号(書評)

【11月28日特記】 あっちはNHK、こっちは民放とはいえ同じ業界にいて、あっちは公式、こっちは勝手にやっているだけとはいえ、同じように twitter をやっている者として、ものすごく共感の持てる本である。

まるで会って打ち合わせたかのようにPRさんと全く同じ感慨を持ち、全く同じ結論に達している。僕らは会ったこともないし、それどころか、ほんの1ヶ月ほど前までは僕はPRさんをフォローしていなかったし、PRさんのほうはこの3年間ほど一貫して僕をフォローしてはいない。なのに辿り着くところは全く同じなのである。

これこそが twitter の不思議であり、マジックなのである。

もちろん、PRさんのツイートと僕のツイートでは随分印象は違うだろう。それは中の人(PRさんは「中の人などいない」と書いているけど、ま、ここでは便宜上そう書く)の個性が現れているからである。

しかし、その書きっぷりの個性は別として、twitter って本質的にこういうものではないかな、企業アカウントをやるならこういう風にツイートするべきではないかな、twitter の怖いとこ・難しいとこってこういうとこだよね、こういう時が twitter やってて一番嬉しい時だよね──みたいな感慨が、この本に書いてあることと僕とでほぼ完全に一致するのである。僕らは全く別々にツイートして来たというのに!

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Monday, November 26, 2012

西宮ガーデンズ4周年

【11月26日特記】  今日で西宮ガーデンズは4周年なのだそうである(ご存じない方のために書いておくと、昔の西宮球場の跡地にできた大型商業施設である)。ということは、その中に入っている TOHOシネマズ西宮OS も4周年である。

ここは僕が人生で一番よく行った映画館で、ここで合計83本の映画を見ている(ということは西宮ガーデンズ自体には間違いなく100回以上行っている)。

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Sunday, November 25, 2012

ユニクロの人生

【11月25日更新】 今日は夫婦でユニクロで大量7点の買い物をした。悲しいかな温いのである。

今までに買ったどれだけ上等のパンツよりもユニクロの暖パンのほうが暖かいのである。ヒートテックの手袋は親指と人差指に通電糸が使ってあって iPhone の画面が操作できるのである。他にもいろいろ工夫がある。あまりに安いので、買おうかどうしようか迷うことにならないのである。

思えば昔のユニクロは、1回着用したものでも交換に応じるというのが売り物だった。「替えてえな」と駄々をこねるおばちゃんのCMをやっていた。ダサい衣料店の典型だった。

それがいつのまにこんなにイメージを入れ替えて、こんなに客が殺到する店になったのだろう。

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Saturday, November 24, 2012

風邪の終わりの煙草

【11月24日特記】 煙草をやめてもう5年以上経つが、時々煙草のことを思い出す。いや、吸いたくなるというのではない。

僕は別に苦しむということもなく、人生最初で最後の禁煙トライで煙草をやめた。しかし、やめた直後はさすがに毎食後とか、デスクワークがはかどらない時などに煙草を吸いたいと思った。

でも、それも一過性の現象で、今ではそういうことは全くない。ただ、どうも考えがまとまらなかったりイライラしたりした時に、時々「あ、俺、昔はこういう時には煙草を吸ってたんだ」と思い当たることがある。

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Friday, November 23, 2012

映画『ふがいない僕は空を見た』

【11月23日特記】 映画『ふがいない僕は空を見た』を観てきた。『赤い文化住宅の初子』『百万円と苦虫女』のタナダユキ監督である。

『赤い文化住宅の初子』では、主人公の中学生・初子の、目も当てられないほどの絶望的な貧困を描きながら、その奈落の底に無尽蔵に注ぎ込むような、同級生・三島の不動の愛を、そして、その愛による希望を描いた。

『百万円と苦虫女』では、蒼井優の個性があまりに前面に出すぎてしまった嫌いはあったが、「自分探しみたいなことですか?」「いや、むしろ探したくないんです。探さなくたって嫌でもここにいますから」という台詞がとても印象的で、全編を通じて、そういう風に自分を突き放した感じがとても良かった。

だから、この映画を楽しみにしていた。

今回は原作ものである。山本周五郎賞とか、『本の雑誌』が選ぶ2010年度ベスト1などを受賞した小説である。そして、今回の脚本は、山下敦弘監督とのコンビで知られる向井康介である。知らなかったのだが、タナダ監督の前作『俺たちに明日はないッス』の脚本も向井が手がけたらしい。

3人の登場人物による2つの話から、この映画はなっている。

ひとつ目の話は、コスプレを趣味としている主婦・あんず(田畑智子)がたまたま知り合ったイケメン高校生・卓巳(永山絢斗)と恋に落ちるというか、浮気するというか、そんな話である。この話の最初のほうの幾つかのシーンは、あんずの視点からと卓巳の視点からとで2度描かれている。

それからもうひとつは、卓巳の親友の良太(窪田正孝)の話。こちらは『赤い文化住宅の初子』に通じるような極貧の世界である。父親はいない。母親は他の男と暮らしている。母親が作った借金の督促が途絶えない中、良太は認知症の祖母と2人で、コンビニと新聞配達のバイトをしながらなんとか糊口をしのいでいる。

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Thursday, November 22, 2012

『語感トレーニング』中村明(書評)

【11月21日特記】 僕はこの人が編んだ『日本語 語感の辞典』を持っている。発売してすぐに買った。まさに待ち望んでいたような辞書だった。

しかし、この本は、辞書であると言いながら、収録されている語数も多くなく、そういう意味でやや実用性に欠けるところがある。パラパラとページをめくって、読み物として読めば非常に面白いのだが、かと言って、読み物の体裁を取っているのではなく、形式はあくまで辞書であり、読み物のように体系立てて読者に語りかけてはくれないのである。

──そういう読者のジレンマを解消してくれたのが、今回のこの新書ではないかと思う。
ここでは「語感」というものを、1)表現する《人》に関するもの、2)表現される《もの・こと》にかかわるもの、3)表現に用いる《ことば》にまつわるものの3つに分類し、それに沿った章立てになっている。

例を挙げれば、1)は男言葉と女言葉の違いである。2)は男を形容する言葉と女を形容する言葉の別である。そして3)はどれだけくだけた言葉か、といったようなことである。
なんとも解りやすい整理の仕方ではないか。そして面白い。

ただ、僕としてはひとつだけ困ったこと、と言うか、少し居心地が悪いところがある。

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Wednesday, November 21, 2012

僕と貴志祐介と大島優子

【11月21日特記】 AKB48 の大島優子さんが映画『悪の教典』を観て、「私この映画嫌い」と言って途中で飛び出してきたという話がネット上を賑わしている。

彼女はその後の記者会見でこう語ったそうだ:

命が簡単に奪われていく光景に涙が止まりませんでした。映画なんだからという人もいるかもしれませんが、私はダメでした…ごめんなさい。

映画は見ていないが、解るような気がする。貴志祐介の原作だから。いや、僕はこの原作小説を読んだというのでもない。僕が読んだ貴志祐介は彼の名前を一躍有名にした『黒い家』だけである。

それはある意味、めちゃくちゃ面白い小説だった。読み始めたら途中でやめることを許さないという意味での面白さだ。

しかし、これほど残忍で、救いがなく、後味の悪い小説を書く奴を、僕は許せないと思った。それで、読み終えた途端に「ええい、くそっ、忌々しい!」という言葉が自然と口をつき、誇張でも比喩でもなく、僕はその本をゴミ箱に、文字通り投げつけて棄てたのだった。

以来彼の本は本屋で手に取ったこともない。

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Monday, November 19, 2012

11/19サイト更新情報

【11月19日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回もまた言葉のエッセイのみということになりました。どっかで時間を取って他のコーナーについても新作を書きたいとは思っているのですが、思うように時間が取れません。まだ、暫くこの状態は続きそうです。

で、今回は憧れの人から取ってきた筆名や芸名の話。今回の更新は下記の通り:

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Sunday, November 18, 2012

オンライン・チケット予約の広がり(と、広がらない不思議)

【11月18日更新】 昨日『その夜の侍』を観に行って初めてシネ・リーブル神戸がオンライン・チケット予約に対応していたのを知った。11/7からだそうな。

知らなかったもんだから、早めに劇場に行って席を押えたのだが、そんなことする必要はなかった。まだかまだかとずっと待っていたのだが、漸く対応してくれたので、これで金輪際早めに行く必要がなくなったということだ。

帰宅して改めて調べてみたら、同じ日活系のシネ・リーブル梅田も、同じテアトル・シネマ・グループのテアトル梅田も、HPの体裁は少しずつ違うものの、それぞれネット上での予約に対応していた。

シネ・リーブル梅田と同じスカイビルに入っている梅田ガーデンシネマだけはまだのようだが、これで僕がよく行く映画館はほとんどがネット予約に対応した形である。

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Saturday, November 17, 2012

映画『その夜の侍』

【11月17日特記】 映画『その夜の侍』を観てきた。

予告編を見て、即座にこれは観ようと決めた。僕は知らなかったのだが、赤堀雅秋という、結構有名な劇作家/演出家/俳優の初監督作品らしい(俳優としては、僕は彼の出演作を5本見ているのだが、あんまり印象に残っていない。まあ、忘れてしまうのはいつものことだがw)

舞台の演出家が映画を撮ると、三方を囲まれた四角い舞台という制約から解き放たれて可能性が広がりそうなものだが、現実には舞台的な構図から抜け出せずに、結局のところ映画にする必然性のない作品になってしまうことが多い。

だから、舞台の演出家が撮った傑作映画というのは、じっくり探せばあるのかもしれないが、僕は俄に思い出せない。むしろ、そんなことだったら舞台でやってりゃ良いのに、と落胆することが多かったように思う。

この映画でも最初、カメラがやたらと人物を追っかけるのが好きだったりする(ちょうど、舞台上で台詞を喋っている役者を観客が目で追うように)辺りが気にはなったが、でも、舞台と映画がどんなに違う性格のものであったとしても、その差異を消し飛ばしてしまうような脚本の凄みが、この作品にはあった。

そして、まさに映画でしか見せられない画もたくさんあった。

それは、例えば汗である。

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Wednesday, November 14, 2012

みんな大丈夫なのか!?

【11月14日特記】 自分のブログの「人気記事ランキング」を時々見ている。

と言うか、左カラムの、ブログを開いて少しスクロールすると見える位置にあるので、見るとはなしにチラチラ見ている。そう、普段は見るとはなしに見ている。

しかし、ここのところ、ちょっと気にして見ていた。

それは、11/8(木)に「iPhone4S の『メール』が、立ち上げた瞬間に落ちてしまう」という記事を書いて以来、恐らく同じ症状で悩んでいる人がこれを読みに来るのではないかと思っていたからである。そもそもみんなが検索しやすいように、元々 facebook に書いた記事をこちらに転載したのである。

しかし、「人気記事ランキング」の上位には一向に上がってこない。

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Tuesday, November 13, 2012

Play Log File on my Walkman #78

【11月13日特記】 不定期で掲載してる僕の Network Walkman でのプレイログ。今回も10曲。

  1. ZUTTO(永井真理子)
  2. マークII(吉田拓郎)
  3. 夏に恋する女たち(大貫妙子)
  4. ストレンジ・デイズ -奇妙な日々(佐野元春)
  5. 白いくつ下は似合わない(アグネス・チャン)
  6. 帰ってこいよ(松村和子)
  7. 早春の港(南沙織)
  8. いつまでもいつまでも(ザ・サベージ)
  9. NUM-AMI-DABUTZ(Number Girl)
  10. さよならの向う側(山口百恵)

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Sunday, November 11, 2012

『マイティ・ウクレレ』

【11月11日特記】 DMM から DVD を取り寄せて映画『マイティ・ウクレレ』(原題: Mighty Uke)を観た。

世界一流のウクレリアンの演奏風景にインタビューを絡ませて、ウクレレの歴史や魅力を語る映画だろうと思っていたのだが、そうではなかった。

まあ、宣伝文句には錚々たるウクレレ弾きが出演していると書いてあるが、僕が知っていたのはジェイク・シマブクロだけで、オータサンをはじめとするハワイのプレイヤーは他にはほとんど出てこない(あ、タイマネ・ガードナーはちょこっと出てたけど)。

演奏を聴いているとみんなめちゃくちゃに上手いのだけれど、その中にはアマチュアや無名のプロも含まれている。そして、その演奏を最初から最後までじっくりと聴かせるシーンは意外に少なく、インタビューが被ってきたり、途中から始まったりする。

これは演奏を聴かせる映画ではないのである。しかし、だから物足りないかと言えば全然そんなことはない。ウクレレの楽しさをこれほど見事に捉えた映像があっただろうか? ウクレレの魅力を、言葉ではなく、音と映像でここまで見事に語った映画があっただろうか?

いやぁ、楽しい、愉しい、楽C!

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Saturday, November 10, 2012

映画『のぼうの城』

【11月10日特記】 映画『のぼうの城』を観てきた。そんなに当たる映画だとは思っていなかったのだが、随分入っている。

犬童一心と樋口真嗣のダブル監督という珍しい形であるが、確かこの組合せは前にもあったなあと思って調べてみたら、全くの勘違いだった。

というのは、この映画は一旦完成しながら、激しい水攻めのシーンがあったために、東日本大震災の被災者への配慮から上映が延期されていたのである。僕が前に聞いたのは他でもないこの映画の制作が決まった時であった。あれからもう随分の年月が経っているために、何年か前にもこの組合せがあったと勘違いしたのである。

僕は犬童一心は自主映画時代から観ていて、最初の頃は少女の映画を撮る人、その後はマイノリティの映画を撮る人という印象だったのだが、いつの間にか大御所っぽくなってきて、遂にこんなスペクタクル時代劇を撮るようになった。

樋口真嗣監督は、監督作品としては『日本沈没』と『隠し砦の三悪人』の2本を観たが、ドラマの演出家と言うよりは、やっぱり平成ガメラ3部作に代表されるような特撮の専門家というイメージである。

パンフを読むと、このあまり接点のなさそうな2人が意外にもお互いのことを前から評価していたようで、大抵の人は監督が2人もいて大丈夫かと心配するのだが、この組合せはどうやら合理的な分業が成立する一方で良い化学反応を起こしたのではないかと思う。

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Thursday, November 08, 2012

iPhone4S の「メール」が、立ち上げた瞬間に落ちてしまう

【11月8日特記】 これは facebook にも書いた記事ですが、あっちは知人・友人との連絡用の場所です。この件は一般の方々にとっても有用な情報かもしれないと思い、このブログにも2つの記事を合体して、(少し加筆もして)転載することにしました。

以下がその時の本文です。

【11月7日11時ごろ記】 今朝起きたら、突然 iPhone4S の「メール」が、立ち上げた瞬間に落ちてしまうという現象に陥っているのに気づきました。一応新しいメールは受信するのですが、その後アプリごと落ちてしまうので、メールを読むことも書くこともできません。

ググってみたら、なんとこれは iPhone ではかなりポピュラーな(笑)現象のようで、いろんな人がいろんな解決策を書いてくれています。

  1. まず、多かったのが「設定>一般>リセット>キーボードの変換学習をリセット」で何故だか一発でなおりました、というもの。
  2. 次に、iPhone の強制終了→再起動でなおった、というもの。
  3. そして、アプリ「MemStatus」によるメモリの開放でなおった、というもの。同じような例で、アクティブなままになっているアプリを全部落としたらメモリが開放されて元に戻った、というもの。
  4. それから、出社して、会社の後輩に教えてもらった、「Webなど別のルートから全てのメール・アカウントに接続して、受信箱に入っているメールを全て別のフォルダに移動する」という方法。

──どれも効き目なし。困った(-公- ;)

言うまでもないですが、メール読めないと不便。あとは復元しかないのでしょうか?

しかし、「復元してもダメでした」との記事もあります。

はて…。そして僕は途方にくれると言うか、ふがいない僕は空を見たと言うか…

(で、その後会社で仕事の合間にいろいろ試してはみたものの、全く改善の余地はなく、そのまま夜を迎えました)

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Wednesday, November 07, 2012

『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ(書評)

【11月7日特記】 読み終えるまでに随分時間がかかってしまったが、決して面白くなくて読みあぐねていたわけではない。SF慣れしていない僕が全体像を掴むのに時間がかかったということである。

ともかく入り組んだ話である。まず場所はタイの首都バンコクである。時代は近未来。多分地球温暖化の影響で、世界中の海面が上昇し、ほとんどの沿岸都市は水没してしまっている。タイは防潮堤を巡らせてそれを逃れたのである。

加えて遺伝子操作の弊害で複数の疫病が農作物と人間を冒している。そのため病気に耐性のある作物を栽培できる何社かの「カロリー企業」が世界の産業と経済を支配している。

石油資源は枯渇しており、機械や設備は「手回し」や「ゼンマイ」で動いている。ゼンマイと言っても、人間の手で巻くのではなく、これまたメゴドントという遺伝子操作された強靭な象を鞭打って巻かせているのである。

国は「子供女王陛下」とその摂政たるチャオプラヤによって治められているが、実質上治安を掌握しているのは環境省の検疫取締部隊である「白シャツ隊」であり、環境省と通産省の間には激しい権力争いがある。

そして、そこに住むのはタイの民族だけではなく、主にカロリー企業の社員であるファラン(西洋人)と、「イエローカード」と呼ばれる中国系難民がおり、さらにその他に、遺伝子操作で作られた新人類である「ねじまき」がいる。ねじまきは全て日本製で、タイにおいては違法な存在である。主人に従うようにプログラムされ、肌理が細かくなるように毛穴を少なくしているので、タイのような暑い国ではすぐにオーバーヒートしてしまう。

──僕は普段は書評を書く時にはこんなに詳しく設定やストーリーについては触れないのだが、今回はこういうことを説明することが、この本の面白さを説明する一番の方法だと感じるので、こういう書き方をしてみた。

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Tuesday, November 06, 2012

覚悟はできている

【11月6日特記】  少し前のことになりますが、大学時代の恩師の傘寿を祝う会に出席してきた時の話です。

先生は私の顔を見るなり、こんな風におっしゃって笑われました。

「また君に怒られるかもしれんなあ。70歳や80歳まで生きたからって何が偉いんだ、高い金取ってパーティなんかするな、って」

私は一瞬何のことだか分からなくてきょとんとしていたのですが、後者についてはすぐに思い出しました。

あれは先生の古希を祝う会の案内をいただいた時のことでした。今年が傘寿ですから、ちょうど10年前です。その案内状を見て、私は激怒して幹事役に怒涛の返信をしたのでした。何故ならば会費があまりに高かったからです。

もう、正確に幾らだったのか忘れてしまいましたが、一番上の桁は「万」でした。立食パーティで何万円というのは一体どういうことか!と怒り心頭に発して、私は返信はがきの通信欄に

「政治家の資金集めのパーティじゃあるまいし、何を考えているのですか。先生だってこんなことは決して望んでおられないはずです」

(ちなみに、会費がそんなに高くなったのは、確か旅行券だったと思うのですが、先生ご夫妻にかなり高額の「記念品」をお贈りしたためです。先生は決してそんなものを望んでおられなかっただろうと思うのですが…)

と書いて楯突いたのです。すると、あろうことか、これをそのまま他ならぬ先生ご本人に見せた奴がいたのです。信じられないことです。

私はそのことを知りませんでした。ともかく頭に来たので、当日は先生の記念講義だけ聴いて、その後のパーティには出ずに帰りました。

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Monday, November 05, 2012

11/5サイト更新情報

【11月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

このところずっとこの状態が続いていますが、今回もまた言葉のエッセイのみということになりました。一応これだけは月2回レギュラーで更新し続けています。

今回は知人に教えてもらった NAVER まとめサイトを読んで感じたことを書きました。

ということで、今回の更新は下記の通り:

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Sunday, November 04, 2012

映画『黄金を抱いて翔べ』

【11月4日特記】 映画『黄金を抱いて翔べ』を観てきた。原作は読んでいるはずなのだが、例によって何も憶えていない。読んだのがあまりに前のことであるとはいえ、映画を観た後でも全く思い出す部分がないのが如何にも自分らしい(笑)

で、そんなことを言いながらこんなことを書くのも何だが、高村薫の小説を2時間程度のドラマや映画にするのは非常に難しい作業である。例えば、平山秀幸が監督した『レディ・ジョーカー』は典型的な失敗作だったのではないかと思う。いつもそういう形になりがちなのだが、「時間が足りない」感じになってしまうのだ。

映画素材として高村薫の小説を見ると、小説を解体して映画として再構築する作業の中で、全ての要素があまりに緻密に複雑に絡まり合っているので、棄てる部品がないのである。しかし、何かを棄てなければ2時間の映画にはならないのである。それが却々うまく行かない。

宮部みゆきの小説が社会を描いているのに対して、高村薫の小説は焦点がもっともっと個々の人間に寄っている。だから、あれだけの大著になる。そして、2時間の映画では描ききれなくなるのである。

そんな中で奇跡的にうまく行ったのが、崔洋一が監督した『マークスの山』だったような気がする。

さて、今回の井筒和幸監督はどうだったのか? 非常に興味を持って観たのだが、これが映画として面白いかどうか、しっかり作れているかどうかは別として、原作の小説をうまく映画化できたかどうかというポイントだけで見ると、僕はやっぱりちょっと失敗だったのかなあと思う。

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Saturday, November 03, 2012

テレパソ動く

【11月3日特記】  久しぶりに PC で TV を観た。

ウチは夫婦2人なので、テレビジョンの受像機は1台しかないのである。今日はそのテレビが置いてある部屋で妻が勉強していたので、僕が別室に行って、テレビパソコンで日本シリーズ第6戦を観た。はて、何年ぶりだろう? 最初は「これ、どうやったらテレビが見られるんだったっけ?」ってな感じであった。

そもそも、今の PC を買う時に、テレビ用のチューナ内蔵のものを買うかどうか悩んだのである。そんなに必要なものとは思わなかった(そして、今でも思っていない)。が、いろんな機種を比較していたら、ほしい SPEC の機種にたまたまチューナが内蔵されていた、という経緯で今の PC を買ったのである。

で、結論としては、何年かに一度今日みたいな日があるのであれば、まあ、TVチューナ内蔵 PC を買っておいても良いかな、でも、ま、なけりゃないで済みそうな気もするし──とどっちつかずである。

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Thursday, November 01, 2012

コミュニケーション

【11月1日特記】  一昨日の記事、久しぶりに複数の方から対照的なコメントがついた。ま、今回は単なる「現象」の報告なので議論というところまでは至らないが、こういう風に多様な人が多様なコメントを書いてくれるのもまたブログの醍醐味である。

多分どのブログでも最近活性が落ちているのではないかと思うのだが、僕のブログでもこんな風な盛り上がり(と言って良いかどうかは不明だがw)は長らくなかったので、なんだか少し嬉しい。

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