TBS『ダブル・フェイス 潜入捜査編』
【10月21日特記】 10/15(月)の放送を録画しておいた TBS の『ダブル・フェイス』を観た。WOWOW との共同制作ドラマである。
で、「視聴者から苦情が…」とか何とか言われてた意味が見終わってから漸く分かった。全くの途中で終わってしまうのである。「一旦完結」という印象もなく、単純に「続く」という感じである。そして、10/27(土)に WOWOW で放送する後編の予告編まで平然とやっているのでちょっと驚いた。
別に違うチャンネルで続編を放送したって構わないのであるが、問題は WOWOW が有料放送であるということである。僕は長年の WOWOW 加入者だから良いのだが、そうでない人はこれから金払って契約しないと見られないのである。そりゃあ、まあ、「どうしてくれる」と怒鳴りこんでくる人もいるだろう。
ところで、中身はどうかと言うと、これが実に面白い。大ヒットした香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクだとのことで、元の映画を観た人なら既知のストーリーなのだろうが、オリジナルを全く観てもいないし何も知らない僕にしてみたら、これは本当によく考えたなあと言いたくなる筋である。
西島秀俊が普段は暴力団織田組の組員として暮らしながら裏で警察に内通している「潜入捜査官」、香川照之が織田組に買収されて捜査情報を横流ししている警察幹部という役回り。お互いに誰が敵の走狗なのかを突き止められないまま動いている。本当によく考えて練られた設定である。
この2人に加えて、西島の舎弟役で伊藤淳史、織田組長に小日向文世、警視正に角野卓造、西島が心を許す精神分析医に和久井映見という、却々的を射てシブい配役である。
監督は ROBOT の羽住英一郎。『海猿』シリーズで有名だが、実はそれ以外の映画ではそんなに話題になっていない人である。
そして、脚本が羽原大介。この人は『ゲロッパ!』、『パッチギ!』、『フラガール』、『ヒーローショー』と、良い脚本をいっぱい書いている人で、僕の好きな脚本家である。特にタイトルが全部カタカナの時の出来が良いのは偶然だろうか? 今回もタイトルはカタカナのみである。
衒ったところははなく、妙に芝居がかかった台詞もないのだが、緊張感を持ってストーリーをどんどん進行させて行く上手い脚本だと思う。果たしてオリジナルの映画にどれだけ忠実なのかは気になるところである。
さて、どっちにしても最終的な記事を書くのは WOWOW での『偽装警察編』を観てからである。
ところで、これで WOWOW は加入者が増えるのだろうか? いや、WOWOW も決してそんな小さな効果を狙ってのことではないと思うのだが…。
何故、どういういきさつでこの両社がこんな形で組むことになったのかは知らないが、組合せとしては面白い試みである。先陣を切る TBS 側のメリットがイマイチ見えないのであるが、ただ、いずれにしても逆の放送順では決して成立しなかっただろうし(笑)
これだけ TBS に番宣/前煽りしてもらった後だけに、WOWOW の後編に対する視聴者の期待は大きいのではないだろうか。僕も非常に楽しみにしている。
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