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Wednesday, September 26, 2012

随想:出張考

【9月26日特記】 久しぶりに東京に日帰り出張してきた。

考えてみれば、我社の場合、大阪~東京間の出張が日帰りになる傾向がどんどん進んでいるような気がする。

もちろん交通の便が良くなったということもあるだろう。僕らが入社した頃は新幹線のひかり号で約3時間半の旅程だった。飛行機は高かったので、特別な理由がない限り、会社が利用を認めなかった。

それが今ではのぞみ号(「ひかり号」と書いたので、それに合わせて「のぞみ号」と書いてみたが、この呼称は近年あまり耳にしない。「号」をつける習慣は廃れてきたようだ)で約2時間半に縮まり、安い料金で飛行機にも乗れるようになった。

また、なんとなく世の中のムードが変わってきたということもあるだろう。昔は、「せっかく出張するんだから、どうせなら一泊して、現地の取引先や支社の同僚などと美味しいもんでも食べて来い」というような大らかな風潮があった。それがなんとなく締め付けムードになっているのではないだろうか。

経費節減という面もあるのだろうが、むしろ、取引先や同僚と飲食して語り合うことの意義を理解しなくなったという面もあるのではないだろうか。もちろん、そういうことの意義はいまだにあると僕は思うのだが…。

そして、経費節減ということで言うと、言うまでもなく泊まりは分が悪い。宿泊費と(プラス1日分の)日当が出るからである。

この日当というのが、昔から僕は解らない。なんで日当が出るのだろう? 皆さんの会社も大体出張したら幾許かの日当が出るんだろうか?

会社がくれると言うのでもちろん毎回ありがたく頂戴してはいるが、僕はどうしても何で日当がもらえるのかが分からない。そこに論理性が感じられないのである。

入社してすぐにその質問を先輩にぶつけてみたら、「出張中の弁当代だ」という答えが返ってきたが、それは解せない。だって、出張していようがいまいが昼食は取るのである。

そんなことよりも、「中で働いているより外に出て働いているほうが、とりわけ遠方にまで出向いて働くことのほうが偉いのだ」というような歪んだ思想に丸め込まれているような気がしてならない。

日当を払うほうも、「出張ご苦労さまです。僅かですが日当です」みたいな感じで、それに対して出張するほうも、「ああ、出張はホントに大変だ。日当でももらわないとやってられない」みたいな感じなのではないか? 僕は断じて間違っていると思うのだが。

それが証拠に、そんなに大変なものなのに、一般的に出張に行きたがる社員のほうが多いではないか?

これも僕には長年共感できなかった点である。僕は、今でこそかなり緩和されたけれど、入社してから20年間くらいは、出張が嫌で嫌でたまらなかった。それは、相談すべき同僚も上司もおらず、会社から遠く離れた土地で、会社の代表として、全責任を負って、自分ひとりで即断即決しなければならないからである。

入社して初めて行った出張の際も、ただ座って聞いていれば良いだけの会議と懇親会に出席するだけの出張だったのだが、果たして自分に務まるのだろうかと、そのプレッシャーにびくびくしていたのをよく憶えている。

ところが、最近の若い人たちは、入社してすぐに出張に行きたがる。いや、それどころか、入社試験の面接の席で、「あちこちに出張に行きたいです」と朗らかに語ってくれた学生さんもいた。

どうしてそういう発想になるのだろう? ひょっとしたら、日当が出て美味しいものも食べられるから、なんて思っているのだろうか?

だとしたら、会社と社員の思いはとんでもなくズレて来ている。

出張はある意味、重圧を伴う大変な任務である。そんなことも分かっていない奴に日当なんて払う必要はないと思う。一方、じゃあ出張というのは日当に値するほどの、一段価値の高い労働なのかと言えば全くそんなことはなく、会社のデスクにへばりついて働いているのと完全に同等であるべきだと思うのだが…。

たまに日帰りすると、いろんなことを考える。そして基本的には、次の日に無理やり他の用事をくっつけるような形でも良いから、出張は泊まりで良いのではないかと思う。そして、本当のところ、日当は別にもらえなくても構わないと思っている。

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