TV CM 60years
【8月31日更新】 東京に出張に行ったついでに、と言うか、汐留の電通本社に行ったついでに、同じビル(カレッタ汐留)にあるアド・ミュージアム東京に寄って、「特別企画展 日本のCMぜんぶ1953-2012」を観てきた。
ウチの会社で先に行ってきた人がいて、面白かったから是非にと言われた(僕自身は実はその前からマークしてた)のだが、いやあ、これは良かった。面白かった。
何が面白いかって、それはとても単純で、テレビ開局以来のテレビCM動画がたくさん展示されているのだが、そのCMが面白いのである。
いや、展示の仕方もなかなか良い。何箇所かに置いてある大型ディスプレイの他に、iPad や、iPad よりもう少し大きいタッチパネル式のディスプレイを何台か使って、訪れた者が見たいCMを効率良く見せてくれる。
もちろん、展示の手際が良くても肝心のCMが駄作だとどうしようもないのだが、なかなか良いもの、懐かしいもの、見たいものをしっかりと選んでくれている感がある。
切り口がまた多彩で、年度ごとにまとめてあったり、CMクリエイターごとの特集になっていたり、関西系のアクの強いもの、海外のCMコンテストでの受賞作品、もちろん日本で大評判になったものなど、動画が置いてあるものが何本あったのかは分からないが、質量とも大したものである。
僕は時間の都合があったのでそんなに長くいられなかったが、これなら半日いたって退屈しないだろう。入場無料だから2日連続で来たって構わない。
作品例を紹介しておくと、もちろん日本最初の精工舎のCMがあり、ワ・ワ・ワとワがみっつのミツワ石鹸、なんであるアイデアル、はっぱふみふみのパイロット万年筆、レナウンのイェイェ、サミー・デイビス・ジュニアのサントリー・ホワイト、丸善石油のオー・モーレツ、チャールズ・ブロンソンのマンダム、友和・百恵のアーモンドチョコ、宮崎美子のミノルタ、岸本加世子と樹木希林のフジカラー、ポッキー4姉妹、小林繁と江川卓の黄桜、hungry? のカップヌードル、ソフトバンクの白い犬のお父さん、等々、枚挙に暇がないとはこのことである。
のんびり行こうぜのモービル石油のCMを観ていると、鈴木ヒロミツともうひとり(これは誰だっけ?)が山道で立ちションするシーンがあったのだが、こんなシーンは今は無理だ(「子供が街なかで真似したらどうする?」というクレームが必ず来る)と思ったり、あー、少し愛して長く愛してのサントリー・レッドは市川崑監督だったのかと感心したり、もしもSBの白い犬のお父さんシリーズの全CMを収めたDVDが発売されたら絶対買うなあとか、いろんなことを考えた。
表現というものに対する尊敬の念が改めて湧き起こった。まだ暫くは開催している。テレビ関係者、テレビ好きの方には是非ともお勧めしたい展示会である。
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