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Thursday, July 12, 2012

贈る言葉

【7月12日特記】 僕の会社は毎年初夏に人事異動がある。そして、この時期になると自分自身の最初の転勤のことを遥かに思い出す。

僕は入社3年目に東京転勤になった。嫌で嫌でたまらなかった。何故嫌だったかということは、とりあえず今書こうとしていることに関係がないので割愛するが、ともかく人生においてあれほど落ち込んだことはないくらい落ち込んだ。

そんな僕にみんながかけてくれる言葉には以下の3パタンがあった。

  1. 「東京の営業と言えば花形やんか」「仕事をするには東京やで」「いいなあ、東京。あたしも行きたい」などという脳天気な東京賛美
  2. 「何言うとんねん、贅沢な。俺なんかいきなり海外支局に飛ばされて大変やったんやから。日本語通じるだけでもマシやで」などに代表される逆切れ・罵倒型
  3. 「君が優秀なので東京に送り込むことにした」──これは、僕のことをろくに知りもしないくせに、当時の局長が僕に言ったテキトー極まりない言葉

僕はと言えば、そんなことを言われると、ただただ肚が立つだけだった。

そんなときに、入社した時の局長が現れて、僕を見てこう言った:

「おお、可哀想な奴がおる。世界で一番可哀想な奴がおる。おごったるからお茶飲みに行こ」

僕はこの言葉に救われた。この言葉が一番嬉しかった。

この局長は、どちらかと言えばトンデモナイ系だと思われている人だったが、僕にとってはこれ以上優しい言葉はなかった。僕はこの優しさに救われた。冗談抜きで、僕が今生きているのもこの人のおかげだと思っている。

あの時に僕は、「こんなことがすっと言える上司になりたい」と思った。

あれから幾星霜、僕はそんな管理職になれただろうか? それは判らない。でも、常にそんなことが言える人間であろうと思い、そんなことを意識しながら日々を過ごしていることだけは確かである。

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