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Tuesday, July 31, 2012

『夢違』恩田陸(書評)

【7月31日特記】 これは久しぶりに恩田陸らしい恩田陸だった。いや、恩田陸にはいろんな顔があっていろんなファンがいるので、読者の中には「これが恩田陸らしい恩田陸とは思わない」と言う人もいるのかもしれない。言い直すと、これこそは僕の好きな恩田陸だった。

「夢札を引く」という味わい深い表現──背後にいろんな想像が膨らんでくるこの表現を軸に、物語は展開する。この物語の時代には人間の見た夢を記録する機械ができている。そして、記録された他人の夢を見て、精神医学/カウンセリングの立場からそれを分析する職業がある。

その機械には「獏」という絶妙な名前がついているが、ではそれを使ってどうやって記録し、どうやって見るのかについて、あまり詳しいことは書かれていない。この辺りの、どこまで明示的に叙述するかが如何にも恩田陸らしい見事な匙加減なのである。適当なところで止めてあるから、読者の想像は却って止まらない。

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Monday, July 30, 2012

スパムの嵐

【7月30日特記】 ここのところ1週間、何がどうなったのか知らないけど、スパム・コメントとスパム・トラックバックの嵐。全部英語。

文章読んでるとスパムじゃない風のものもあるけど、要するにリンクを突っつかせようというもの。ウチのウィルス対策ソフトによると、他人のアドレスを騙って送りつけてきて、個人情報を取得しようとしている可能性があるとのこと。

しかし、なんで急にこんなに盛んになったのだ? 皆さんのとこはどうでしょう?

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Sunday, July 29, 2012

Play Log File on my Walkman #74

【7月29日特記】 ちょっと間が開いたけど、今年7回目のプレイログ。今回も10曲。

  1. ドーパミント(東京事変)
  2. ミルクティー(UA)
  3. さらば青春(小椋佳)
  4. 結婚ルーレット(松任谷由実)
  5. 私の好きなもの(佐良直美)
  6. デジタブル・イン・ベッド(Shi-Shonen)
  7. 格好悪いふられ方(大江千里)
  8. プカプカ(みなみの不演不唱)(ザ・ディランⅡ)
  9. BTOF(森へ帰ろう~絶頂のコツ)(MOONRIDERS)
  10. 女友達(MOONRIDERS)

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Saturday, July 28, 2012

ロンドン・オリンピック開会式に思う

【7月28日特記】 ロンドン・オリンピックの開会式を見た。毎度のことながら彼我の感覚の違いに驚く。

いくら有名な歴史的事実であり、いくら有名な病院であっても、それをオリンピックの開会式に入れ込むような発想は日本人にはないだろう。しかも、あそこで踊っていた人の多くが実際の医療機関の勤務者だなんて…。日本なら誘いもしないし、誘われても応じないだろう。

そして、ロンドン・フィルに Mr.ビーンを紛れ込ませるなんてこともありえない(笑) それは「不謹慎」の範疇に入ることである。

選手の入場行進ではファッション、特に色の組み合わせに驚く。なるほど、その国ではそういう組合せが成立するのか!──と。

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Friday, July 27, 2012

既成の女王

【7月27日特記】 昨日母の家に行ったら、テレビがついていて、懐メロ番組をやってた。何人かの女性歌手がフィーチャーされて、彼女たちの昔の映像が次々に出てくる。

僕が観るとしたら、興味が湧くのは後半の山口百恵や南沙織やキャンディーズなのだが、たまたまその時間帯はまだ番組前半で、江利チエミや美空ひばりの特集をやっていた。

で、見るとはなしに見ていて、初めて美空ひばりの魅力がちょっとだけ解ったような気がした。

江利チエミに対しては別段思いはないのだが、当時小学生の僕にとっては、美空ひばりというのは、旧い時代を代表する存在であり、倒すぺき既成の女王であった。

いや、音を聴いてそう思ったのではない。歌の最初のワン・フレーズを聴く前から、すでに美空ひばりは敵性の存在であったのである。

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Wednesday, July 25, 2012

多分、靴紐

【7月25日特記】 今朝僕が会社に行く時にマンションのエレベータに乗り合わせた家族がいた。家族としては少し変な組合せかもしれないが、やっぱり家族だろうと思う。

30歳を少し超えた辺りの女性。30代半ばか、ひょっとしたらアラフォーの女性。そして60代後半ぐらいの男女。

この男女は見るからに夫婦という感じ。となると、夫婦と2人の娘か? そういう組合せで2LDK(あるいは3LDKかもしれんが)から出てくるというのも珍しいが、ひょっとすると娘たちが両親の家に泊りに来ていたのかもしれない。

で、多分これから4人で旅行に行く。多分海外。

4人のうちの3人が、旅行に行くにしてはあまりに軽装なのだが、これは恐らくスーツケースを既に空港に送ってあるということなのだろう。一番若い女性だけがキャリーバッグを引っ張っている。多分忙しくて事前に送る暇がなかったのか、あるいは、キャリーバッグだから別にいいと思ったのか…。

そうやって、いろいろ観察していると、どこからどう見ても家族の海外旅行という風に見えるのだが、僕が最初にそう確信したのは老夫婦の靴である。

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Monday, July 23, 2012

ついに見つけた! Part II

【7月23日特記】 2年前に『ソング・フォー・アンナ(天使のセレナーデ)』のCDをやっと見つけたという記事を書いた。タイトルも、オータさんの曲だということも全く知らなかったのに、運良くでくわしたということである。

で、初めてウクレレを買った時からいつかは弾いてみたい曲だったわけで、そろそろ本当に練習したくなってきた。それでいよいよ本気で楽譜を探してみたのだがこれがまた見つからないのである。

『津田昭治ウクレレソロの世界 vol.2 ポップスコレクション』という CD 付きの教則本に収められているらしい(ただし、オータさんと同じバージョンかどうかは分からない)というところまでは判ったが、この本がまたどこのサイトでも絶版/在庫なしなのである。

耳で聴いてコピーもできなくはないが、これは非常に面倒である。一応キーだけは確かめて、最初の4小節くらいは「こんな感じか?」と弾いてはみたものの、僕の音楽的な素養とこのやり方では時間がかかって仕方がない。

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Sunday, July 22, 2012

『I LOVE YOU -now & forever- 』(完全生産限定盤)

【7月22日特記】 6/17の記事に書いた桑田佳祐のアルバムが届いたので聴いてみた。

全曲に触れていると膨大になるので、あの記事で書いた2曲についてのみ書くと、まず「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)」。これは基本的に1986/87年のNTV『MERRY XMAS SHOW』での演奏を引き継ぐアレンジで、バックは KUWATA BAND。

何十年ぶりに聴く名曲なのだけれど、ただ、残念ながらやっぱりあの時のTVスペシャルには敵わない。桑田とユーミンのデュエットだったものが桑田のソロになっていることもあるが、あの特番のオールスターキャストが全員でハモってきたコーラスの大迫力もない。

まあ、仕方ないか。この曲が音源として甦ったことを感謝しよう。

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Saturday, July 21, 2012

映画『ヘルタースケルター』

【7月21日特記】 映画『ヘルタースケルター』を観てきた。岡崎京子の原作漫画は、それが世に出てかなり経ってからであるが、2004年に単行本で読んだ。強烈な印象を受けた。だが、例によって詳細はあまり憶えていない。

ただ、今回りりこを沢尻エリカ様が演じると聞いて、それは何が何でも見なければ、と思った。これほどの嵌り役があるだろうか。というか、この役をできるのは沢尻エリカだけだろう。

しかし、不安があった。それは監督が蜷川実花であるということ。僕にとってはただ綺麗な画を撮るだけの監督という印象である。

そんなにしょっちゅうあることではないのだが、『さくらん』は WOWOW から録画して見始めたものの、あまりにつまらなくて、とうとう途中で投げ出して消去してしまったのである。

しかし、今回観に行って良かった。不安は拭われた。

原作の違いなのだろうか? 僕は『さくらん』の原作を読んでいないので、原作同士の比較をすることはできない。あるいは原作を読んでいるかいないかという違いだったのか? この『ヘルタースケルター』については原作の息吹と言うか、脈動と言うかがしっかり映画の中に根付いているのを感じる。

ただ、蜷川実花はやっぱり基本的にフォトグラファーである。流れや動きを追う人ではなく、瞬間を切り取る人である。だから、必然的にカット割りも細かい。だから、観ていると少し疲れる。リズムが速いばかりで変化がない。

長回しは使わない。たまに少し長めのカットもあるが、ふいにカットが変わって、ああ、僕だったらもう少し同じカメラで辛抱するけどな、などと思う。

そして、僕が思うに、蜷川実花は構図の人と言うよりは色彩の人である。この色彩感覚は『さくらん』の時と同じ印象であるが、今回は特にファッション界が舞台なのでカラーリングは思いっきり華やかで、服もメイクもネイルも本当に絢爛たるものである。

そこへ持ってきて、もとより蜷川実花は多分写実よりもイメージに走るタイプであり、加えてストーリーの上でもりりこの幻視が出てくるので、現実の風景の上に、さらに幻想的な色が次々に重ねられて行く。

絵の具が塗り重ねられる感じではなく、スポットライトが何重にも当たる感じ。色が重なれば重なるほど明るくなってくる。

映画の出だしは全身美容整形を受けて(と言っても写実的なシーンではなく、あくまで映画を始めるにあたって提供されるイメージなのだが)包帯でグルグル巻きになったりりこである。

包帯越しに乳首の形が分かる。そして、包帯を解いて胸があらわになる。その乳首のなんと可愛らしいこと。僕は思わず吸いたくなった。

って、何を馬鹿なことを書いている、と思われるかもしれないが、この映画に於いてはこういうことがちゃんと描けているかどうかがとても重要だと思う。しかも冒頭である。欲情させるところでちゃんと欲情させることのできるりりこでなければ、ヘルタースケルターは始まらない。

今さらストーリーを書くこともないと思うが、一応書いておくと、目玉と耳とアソコ以外は全部作り物と言って過言ではないトップモデル・りりこが主人公である。そして、その彼女の身体が、無理な整形に耐え切れずに崩壊して行く話である。テーマもモチーフも極めて単純である。

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Friday, July 20, 2012

7/20サイト更新情報

【7月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログのことではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

書評がこっちに移ってきた関係で、残念ながら今回も言葉のエッセイの新作が1編あるのみです。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Thursday, July 19, 2012

ヨドバシ Gold Point アプリ

【7月19日特記】 ガラケーを棄てて一番不便になったのはおサイフケータイが使えなくなったことである。もちろん、それを承知の上で iPhone 単独持ちに切り替えたので、諦めはついているのだが。

ケータイがないまま持っていてもあまり意味がないので、docomo の契約を解除すると同時に iD も Edy も解約した。それに代わって、今まで買い物にはほとんど使ったことがなかった PiTaPa の利用頻度が急に上がってきた。もちろん関西限定であるが、これはこれで使える店も少なくない。

で、もうひとつ不便なことがあって、それはヨドバシカメラでの買い物である。今まではポイントカードの情報をケータイのアプリと同期させてたので、ポイントを使うにせよ、iD や Edy で支払うにせよ、ポイントの読み取りと加算に1回、支払いに1回の合計2回、ケータイをピッとやれば済んだ。

ところが、ケータイがなくなって、ヨドバシのポイントはカードという物理的な存在を経由してしか管理できなくなった。

僕は財布のカードホルダーがいっぱいなのでヨドバシのポイントカードは定期入れに入れているのだが、そうすると昼休みに飯食ったあとちょこっと足を伸ばしてヨドバシで買い物、と思った時にカードを持っていないことが多くて断念することもままあったのである。

うーん、これだけは不便だなあと困っていたのだが、今日気がついたら、なんと iPhone 用のヨドバシのアプリがあるではないか──「ヨドバシ Gold Point カード」。

iPhone対応ゴールドポイントカードアプリ(iTunes App Storeのページへ)

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Wednesday, July 18, 2012

梅雨は明けたか?

【7月18日特記】 僕が住んでいるところは昨日梅雨明けしたらしい。それでふと思ったのだが、僕らが子供の頃は「梅雨明けしました」って明快に断言してたものが、いつの頃からか「梅雨明けした模様」などという弱気で傍観者的な表現に入れ変わっているのである。

昔の気象庁は高らかに「梅雨明け」を宣言していた。さすがに「わしらが気象庁じゃ。梅雨が明けたかどうかはわしらが決めるんじゃい」とまでは言い放たないにしても、まあ、そんな感じだった。

しかし、昔のほうが明らかに天気予報の精度が低かったので、「なんで梅雨明け宣言した翌日から連日雨がふるんじゃい」とか、「ここんとこずっとカンカン照りが続いてるのに何を今さら梅雨明けじゃい」などと言われることも、多分今よりは少なくなかったはずなのだ。

なのに、それにしても今のような他人事みたいな逃げ腰の通知はしていなかったのである。

──それは何なんだろう? 担当者が偉かったのか、世の中が牧歌的だったのか? いや、多分それが当事者意識というものだったのである。

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Monday, July 16, 2012

映画『苦役列車』

【7月16日特記】 映画『苦役列車』を観てきた。昨年芥川賞を受賞して、その凡そ作家然としない著者とともにちょっと話題になった小説の映画化である。が、僕は原作を読んでいない。原作を読んで映画を観てみようと思ったわけではない。

相変わらず監督で映画を選ぶことが多いのだが、この映画は山下敦弘監督である。2003年の『リアリズムの宿』以来、何等かの形で全部観ている。脚本のいまおかしんじという名前を見て、これは誰だったけ、と思ったのだが、あの『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』の監督ではないか!

なんという面白い組合せ。

しかし、よくもまあ、この私小説を映画化しようと思ったものである。字で綴るならやりようもあろうが、映像でとなると、この話はいささか料理しにくい素材なのではないだろうか?

舞台は東京、1986年。北町貫多(森山未來)は中学を出て以来、ずっと肉体労働をしている。「唯一の趣味は読書」と本人は言っているが、あと酒と風俗も「趣味」のうちだと言って良い、いや、肉体労働と読書と酒と風俗が生活の全てだと言っても過言ではない暮らしぶりである。

森山未來は、前作『セイジ 陸の魚』では、主人公と同じように、山深いロケ地まで何日もかかって自転車を漕いでやって来たらしいが、今回は撮影期間中ずっと三畳一間、風呂なし、トイレ共同の宿に泊まっていたと言う。

そうういう愚直な、と言うか、むしろ馬鹿馬鹿しい役作りが、しかし、彼の場合にはなんだかかなり奏功するようで、今回も見事に貫多になり切っている。冒頭の、風俗店から出てくるシーンからして、驚くほどやさぐれているのである。とてもあの『モテキ』の幸世と同じ役者がやっているとは思えない印象である。

『モテキ』の藤本幸世が草食系男子の典型だとしたら、『苦役列車』の北町貫多は、ある意味昨今絶滅しかけている肉食系男子であると言えるのかもしれない。しかし、あまりに肉食系、と言うか、なにしろ金払ってという形でしか女子と接触したことがないので、好きな相手ができてもどうして良いか分からず、いきなり彼女の手を舐めたりする有り様である。

そう言えば、映画の中で3人の人物が突然に「動物ごっこ」を始めるシーンがあるのだが、これなんか一見なんのことだかさっぱり分からん展開なのだが、これは貫多の動物性、野獣性を語る、と言うか、揶揄している、と言うか、却々奥深いメタファーになっている。

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Sunday, July 15, 2012

ま、ぼちぼちやっとります。

【7月15日特記】 もう何度も書いているので、中にはその全部の記事を読んでくださってて、もうその話は読み飽きたとおっしゃる方もあるかもしれませんが、オンラインブックストア bk1 のサイトに投稿した個々の書評のページに私のホームページから張っていたリンクが、bk1 が honto に改編されるに伴って一方的に切られてしまいました。

詳しくはカテゴリ「書評」の過去記事をお読みください

で、仕方なく書評を全てこのブログに移設することにしました。問題は、投稿した日の時間設定でここのブログに上げようとすると、非常に面倒くさいということです。

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Saturday, July 14, 2012

『曲り角の日本語』水谷静夫(書評)

【7月14日特記】 僕は「言葉好き」なのでこういう本をたくさん読んでいると思われているかもしれないが、好きなだけにありきたりなもの、底の浅いものを排除しようとして吟味してしまう。もちろん読んでみなければその辺のところは判らないのであるが、でも、この勘は昔からあまり外れることはなかったように思う。

それで、この本だが、さすがに辞書の編纂者が書いた本である。1926年生まれというのを知って、少し古臭いのではないかと心配したのだが、なんのなんのこんなに先進的でスリリングな日本語論を、僕は未だかつて読んだことがない。世の中に数学と言語学を関連付けて研究している学者がいるとは思いもよらなかった。

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Friday, July 13, 2012

評する言葉

【7月13日特記】 昨日書いた話の続き。

僕に「おお、可哀想な奴がおる。世界で一番可哀想な奴がおる」と言ってくれた局長の言葉で、もうひとつ思い出したのがある。

声をかけてもらって、仕事をサボってお茶を飲みながら、僕は今度自分の直属の上司になる東京の部長がどんな人か訊いてみた。局長は言った。

「おう、あれか、あれはなあ、人の世の哀れが解る男や」

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Thursday, July 12, 2012

贈る言葉

【7月12日特記】 僕の会社は毎年初夏に人事異動がある。そして、この時期になると自分自身の最初の転勤のことを遥かに思い出す。

僕は入社3年目に東京転勤になった。嫌で嫌でたまらなかった。何故嫌だったかということは、とりあえず今書こうとしていることに関係がないので割愛するが、ともかく人生においてあれほど落ち込んだことはないくらい落ち込んだ。

そんな僕にみんながかけてくれる言葉には以下の3パタンがあった。

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Tuesday, July 10, 2012

メール、ネット、アンテナ、コミュニケーション

【7月10日特記】 「同じメールのやり取りでも、普段からネットをフル活用してる人たちとやると、返りが早いし話も早い。今日の実感」と facebook に書いたら、「普段からネットをフル活用って、どんな水準なんだろう?」とのコメントをいただいたのだが、それは多分、

  1. 複数のメール・アドレスを持って、それらを適切に使い分けている
  2. twitter や facebook などの複数のソーシャル・メディアを駆使している
  3. モバイルを含む複数のデバイスからネットに接続している
  4. ネットとは概ね24時間繋がっている

というようなことではないのだ。

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Sunday, July 08, 2012

無題

【7月8日特記】 高校の同級生に会った。彼は僕とは同業の他社に務めていて、先日取締役になった。

その彼と、彼の部下2人(僕とは twitter などで交流がある)と僕の4人で話をしていたのだが、僕が彼の出世を少し冷やかしたものだから、彼も照れ隠しからか、彼の部下2人に対して僕のことを、「いや、こいつだって未来の社長候補やで」などと言い出した。

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Saturday, July 07, 2012

映画『グスコーブドリの伝記』

【7月7日特記】 映画『グスコーブドリの伝記』を観てきた。

途中で何度か眠りに落ちてしまった。が、これは昨晩寝不足だったせいで、そもそも僕は途中で眠くなった映画や音楽が悪い映画や音楽であったとは全然思っていない。

ただ、問題は途中で何度か眠りに落ちた奴が「良い曲だった」「素晴らしい映画だった」などと言っても全く説得力がないことである(笑) それを覚悟の上で書くが、とても良い映画であった。

1985年の『銀河鉄道の夜』は素晴らしい映画だった。今回はあの時と同じ、宮沢賢治の原作を、ますむら・ひろし原案による猫のキャラクターにして、杉井ギサブローが監督したものだ。

杉井は3年かけて脚本を書いた上で、今回も盟友であるグループ・タックの田代敦巳に制作を委託したが、田代が亡くなり、タックが解散し、その後を手塚プロが引き継いだ形である。

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Thursday, July 05, 2012

7/5サイト更新情報

【7月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログのことではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

書評投稿をやめてから、ホームページのコンテンツ更新はここのところ随分淋しいものになってしまっていますが、久しぶりにレギュラーのエッセイ以外のものを書きました。読書コラムの新作です。いつぞや予告した通り、丸谷才一について書きました。

それからいつもの言葉のエッセイがあります。

ということで、今回の更新は下記の通りです:

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Tuesday, July 03, 2012

『ブルックリン・フォリーズ』ポール・オースター(書評)

【7月3日特記】 ポール・オースターはどうもナショナル・ストーリー・プロジェクトに絡み自らも『トゥルー・ストーリーズ』を執筆して以来、“名もなき人たちの数奇な人生”というコンセプトの虜になってしまったようだ──というのが、僕がこの本を読んでいる最中に最初に感じたことだ。

そして、例によって読み終わってから柴田元幸による訳者あとがきを読むと、これは『幻影の書』から5作連続でオースターが書いた、「自分の人生が何らかの意味で終わってしまったと感じている男の物語」の3作目であり、3作連続で書いた「中高年の物語」の最初の作であると言う。なるほど、そういう整理の仕方があるのかと思った。

いつものオースターと少し異なるのは、柴田も指摘しているように、登場人物への焦点の当て方からするとやや「群像ドラマ」風であるということと、僕が思うに、先の読めないストーリーであると思った。展開がこれほど予想を裏切る、と言うよりも、先を予想することさえ許さない小説を、今までオースターは書いていただろうか?

いや、他の作家が書いた小説にも、これほど読めないタイプのものがあっただろうか?

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Monday, July 02, 2012

風邪の不思議

【7月2日更新】 風邪を引いたらしく、木曜日辺りから症状が出てきた。まずは喉の痛み、咳、そして、週が明けて鼻水に変わってきた。

僕の風邪は大体喉の痛みから始まる。そして、洟、場合によってはまた咳に戻る。たまに洟から始まることもないではないが、その時も途中で咳に変わる。

今回もそのコースを辿りながら、しかし、みんなこんな風に途中で症状が変わるんだろうか、と気になってきた。

それを考えると、僕らが痛いとか痒いとかいう感覚は他の人間が感じているのと全く同じ感覚なのだろうか?と心配になる。

あるいは僕が見ている色は他人が見ている色と全く同じなのだろうか? すべての色が少しずつずれていたとしたら、多分他人と会話していても違う色を見ていることに気づかないのではないか?

などと、いろいろ連鎖的に考えるうちに、ふと思い立って、妻に訊いてみた──風邪を引いた時に途中で症状が変わるかどうかを。

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Sunday, July 01, 2012

ブログの劣勢

【7月1日特記】 twitter や facebook が出てきたことにもよるのだろう。少しずつブログが廃れてきたなあ、と思う。

ここ数年のこのブログに関しては、別に閲覧数は減っていない(むしろ少し増えているくらいだ)。しかし、トラックバックがとんとつかなくなった。

昔は、映画評を書いているブログ同士よく TB し合ったものである。

恐らく面倒くさいのであろう。twitter の RT や facebook の「いいね!」に比べると、確かに面倒くさい。

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