『I LOVE YOU -now & forever- 』(完全生産限定盤)
【7月22日特記】 6/17の記事に書いた桑田佳祐のアルバムが届いたので聴いてみた。
全曲に触れていると膨大になるので、あの記事で書いた2曲についてのみ書くと、まず「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)」。これは基本的に1986/87年のNTV『MERRY XMAS SHOW』での演奏を引き継ぐアレンジで、バックは KUWATA BAND。
何十年ぶりに聴く名曲なのだけれど、ただ、残念ながらやっぱりあの時のTVスペシャルには敵わない。桑田とユーミンのデュエットだったものが桑田のソロになっていることもあるが、あの特番のオールスターキャストが全員でハモってきたコーラスの大迫力もない。
まあ、仕方ないか。この曲が音源として甦ったことを感謝しよう。
それから、「ジャンクビート東京」。これは87年に僕が買った12インチ・シングルの音源がそのまま再録されているのだが、久しぶりに聴いて腰抜かした。この桑田佳祐といとうせいこうのラップのぶっ飛び方は何なんだ!
ものすごい乗り、ものすごいうねり、ものすごい揺れ、ものすごい響き。そして爆発!
「出てこいよ みんな出てこいよ」というのは、「みんないっしょに遊ぼうよ」という意味ではない。「嘘だろ? みんなで俺をかついでるんだろ? どっかその辺に隠れてるんだろ? 頼むから出てきて『嘘だ』って言ってくれよ」という意味である。
当時この詞を書いたいとうせいこうの頭の中にあったのは、多分「核戦争で壊滅的な打撃を受けた首都・東京」みたいなイメージだったのだろうが、今聴くと確実に東日本大震災と福島原発の事故を想起してしまう。
そして、詞もすごいが、リアルフィッシュと桑田、いとうのパフォーマンスがものすごい!
つか、この曲が収められている4曲入りのボーナス・ディスク、これ一体何なんだ?っつうほどすごいよ。
1曲目が小林克也&ザ・ナンバーワン・バンドの「六本木のベンちゃん」。このなんとも言えない小林克也のノリと、詞も曲も人を小馬鹿にしたような作りがおかしい。
2曲目がこのリアルフィッシュ feat. 桑田佳祐・いとうせいこうの「東京ジャンクビート」。
3曲目がリトル・フィートのローウェル・ジョージへのトリビュート・アルバムに収められていたらしい「LONG DISTANCE LOVE」。これは桑田のソロで、全く奇を衒ったところのない演奏なのだがめちゃめちゃ良い。
そして最後がCXの『桑田佳祐の音楽寅さん』から生まれたという「突然の吐き気~えりの思い出~」。これまた“なんじゃそりゃ?”な楽曲なのだが、ユースケ・サンタマリアとの競演が面白い。
このボーナス・ディスクがついているのは Limited Edition なので急いだほうが良いと思う。
通して聴いてみて、ソングライター桑田のみならず、ヴォーカリスト桑田の大いなる魅力を改めて確認した。
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