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Saturday, June 30, 2012

映画『LOVE まさお君が行く!』

【6月30日特記】 映画『LOVE まさお君が行く!』を観てきた。

作っている人には悪いのだけれど、僕はこういう犬や猫の映画はどうも安っぽい感じがしてあまり観ない。

犬に言うことを聞かせるという、普通の映画では要求されないようなスキルを要求されるというような面もあり、また、餌で釣ったりして犬を動かしているだけなのに、人間が勝手にその表情を解釈してしまうみたいな面もあり、つまりは一般映画とは随分違うところに位置づけられるジャンルであるようにも思う。

にも拘わらず、なんで見たかというと、大体が監督で映画を選んでいる僕のことで、つまりこれが大谷健太郎監督だったからである。

大谷健太郎監督は2004年の『約三十の嘘』で初めて観て、これはなかなか才能のある監督だと思った。そして、その後が『NANA』だった。僕はこの作品を観て、単に原作の非凡さを感じるに留まらず、映画としての表現の卓越性を読み取った。

その後、同じく漫画を原作とする水泳もの『ラフ ROUGH』を挟んで、『NANA2』と続き、その後が海堂尊原作の医療もの『ジーン・ワルツ』、そしてファッション青春ドラマ『ランウェイ☆ビート』と続く。

こうやって並べてみると、デビュー作の『avec mon mari アベックモン マリ』と出世作の『とらばいゆ』こそ見逃してはいるが、『約三十の嘘』以降は全部観ていることになる。しかし、どうも『NANA2』で宮﨑あおいが降りてしまった辺りからケチがついたのか、だんだん存在感が薄くなっているような気がしてならない。

特に前作『ランウェイ☆ビート』は、僕は割合高く評価したのだが、興行成績も世間の評価も低調で、ちょっと可哀想なくらいである。

そして、そんなことと、僕の犬の映画に対する偏見を合わせると、「ああ、とうとうこんな映画しか撮らせてもらえなくなったか!」みたいな気がしたのであるが、もちろん、本当のところは知らない。意外に本人が乗りまくって撮ったなんてことがあったって不思議ではない。

とは言え、やはりこういう映画はここまで能力のある監督には少し気の毒に思った。まあ、誰が作ってもせいぜいこんなもんだろう。決して感動の巨編にはなるまい。独自性も発揮しにくい。

TXでやっていたシリーズ企画の映画化である。結構ヒットした企画なので、あまりちゃんと見たことがない僕でさえ、まさお君と売れない芸人が全国行脚してたことと、まさお君がもう死んでしまったことくらいは知っている。

だから、それ以上に展開のしようがないし、作り込みようもない。まさお君が突然走りだすシーンの躍動感みたいなものが、普段はボーッとしているのと対照的にうまく映像化してあるとか、話の展開も無駄がなく手際が良いとか、ま、褒めるとしてもせいぜいそんなところである。

そんなことを思っているうちにエンディングを迎えて、スタッフロールを読んでいると、脚本は高橋泉である。これまた良い脚本家を持ってきたものだと思ったのだが、すぐに思い出した。──前作『ランウェイ☆ビート』も確かこのコンビだったはずだ。

ということは、多分2人は意気投合しているということなのだろう。その信頼感を維持して、是非とも次回はもう少し重いもの、硬派なものを撮ってほしいと思う。

で、いろいろ面妖なことを書いてしまったが、決して手抜きをした安物の娯楽映画ではない。ダメ芸人とバカ犬の心の交流だけでは飽きるだろうから恋の一つもさせようかと考えるのは当然なのだが、この香取慎吾と広末涼子の恋のエピソードはなかなかコンパクトで悪くない。

そして、まさお君は非常に良い「演技」をしているので、犬好きの人、TXのあの企画のファンの皆さんなら問題なく楽しめると思う。多分そういう人たちが多いのだろう。館内は満員に近く、笑いもちょこちょこ起こっていた。そういう意味では素直に良い映画である。

スタッフ・キャストの後、最後にもう1シーンあるので、慌てて席を立たないように。

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