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Saturday, April 07, 2012

映画『SPEC ~天~』

【4月7日特記】 映画『SPEC ~天~』を観てきた。『SP』などもそうだったが、最近こういう構成の映画が多い。つまり、TVのシリーズを全回観ていないと、その続編である映画がさっぱり解らないのである。

まあ、だけど、この作品などは、その裏返しに、まさにコアなファン、マニア、オタク向けのサービス満点の作りになっており、確かにいきなりこの映画を観て「さっぱり解らん!」と怒り出す人も中にはいるとは思うが、それは放っておいて良いような気もする。

TVドラマも全然観ていないし、映画も観る気がない人のために説明しておくと、SPEC というのは、昔の言い方で言えば「超能力」である。そう、これはその手のストーリーである(どうせ観る気がないのだから、その程度の説明で充分だろうw)

TVドラマの時もせいぜい10%ぐらいの視聴率しか取れなかった作品である。だけど、観る人は全部見ている──そういう類のドラマである。そして、その連続ドラマのファンたちが、ごっそりそのまま映画館に足を運ぶのだろう。初日ということもあって、映画館はぎっしり満員だった。

改めてこれまでの構成を振り返っておくと、そもそもこのドラマは、植田博樹プロデューサ・西荻弓絵脚本・堤幸彦監督という同じメンバーで1999年1月期に放送した『ケイゾク』というドラマを踏まえている。竜雷太が扮する野々村光太郎という刑事はこのドラマから『SPEC』に引き継がれたキャラクターである。

そして、2010年10月期に放送された『SPEC』は10話からなっており、それぞれに甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干から一文字ずつ割り当てられている。そのシリーズの続編として、今年の4/1に放送されたスペシャルドラマが『SPEC ~翔~』で、その続編がこの映画『SPEC ~天~』である。

ちなみに、言わずもがなではあるが、ドラマシリーズの最終回・4/1のスペシャル・この映画に割り振られた漢字を並べると「癸翔天」となり、これは明らかに「起承転結」を踏まえており、即ち、このあと完結編があることを示唆している。

で、この作品のファンなら恐らく誰もが憶えていると思うが、TVシリーズの最終回の最後で、戸田恵梨香が「絶対映画化なんかしない」と明言していたのである。観ていた者は逆に「ひょっとしたら映画化するのかな」と思ったはずで、そういうファンに対する細かいくすぐりが見事に散りばめられた作品なのである。

この映画の中でもそういう気配りとサービス精神は本当に細部に行き渡っている。そして、この映画では瀬文焚流(加瀬亮)のややコミカルな面が強調されている。遊びまくった脚本が本当に面白く、心地良い。逆にそれを心地良いと思えない人は、この映画は見ないほうが良いと思う。

青池里子(栗山千明)が覆面をはずして素顔を見せたのを見て当麻紗綾(戸田恵梨香)が言う台詞とか、帰国子女の青池の不自由な日本語とか、津田助広(椎名桔平)が自分の名前の漢字の説明をするときの仕方(しかも、その時は画はオフで音声だけ残してある)とか、伊藤淳史が伊藤淳史の役だったり、マダム陽(浅野ゆう子)のシーンでは伊丹幸雄やら中山律子やら須田開代子やら、とんでもなく懐かしい名前が連呼されたり──大いに笑った。

で、ストーリーのことはあまり書かないでおくが、『SPEC ~翔~』で1回整理されていろんな謎が解けたのに、振り出しに戻ってまたぞろややこしくなって来た感がある。ま、荒唐無稽と言えば荒唐無稽であるが、これを愉しまずしてどうする? この頭がクラクラして来る感じが、そして真面目なのかふざけてるのか判らない感じが良いのである。

ただひとつだけ言えることは、この作品をもしニ流の監督がありきたりの発想で撮ってしまうと、それこそ荒唐無稽、駄作の最たるものになってしまうところだが、構図とカメラの動きと特撮の妙(もちろん得意のタイム・スライス技法もある)による、堤幸彦ならではの映像美の中で展開しているからこそ、こんなに面白いのである。あ、それから音楽も良い。

そして、脚本としては西荻弓絵ひとりの名前がクレジットされているが、これだけ複雑怪奇な設定及びてんこ盛りの小ネタは、皆で寄ってたかってアイデアを出してこない限り無理である。そういうチームワークを感じさせる映画なのである。

で、コアなファンのひとりである僕としては大満足である。もう一度連続TVドラマの初回から全部観てみたい気がする。いや、できれば『ケイゾク』の初回からかな? もう一度見なおして、気づかずに見過ごしてきたところをおさらいしたい気になるのである。

それがファン心理である。そして、これはそんなファン心理にしっかり答える作品なのである。

ところで、今回も性懲りもなく予告(?)があるので、スタッフロールが終わっても、館内の照明がつくまで決して席を立たないように(笑)

★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。

ラムの大通り

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----この映画って、 TVを観てないと分かりにくいと聞いたけど? 「ぼくもそれは気になっていて…。 そこで、試写前に配られた小冊子で軽くお勉強。 それだけでもかなり役に立った。 もちろん、深いところまで楽しもうと思ったら、 それくらいでは全然足りないんだろうけど...... [Read More]

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