読み返す愉しみ
【4月23日特記】 僕は自分の書いたものをよく読み返す。ナルシストと言われたらそうなのかもしれないが、しかし、読んで満悦感に浸っているわけではない。むしろ逆に事実関係の誤りや文章のまずいところがないかチェックしている。
そう、チェックが好きなのである。
だから、このブログの記事も不断に書き改められている。もちろん、過去の痕跡を残さずに書き改めてしまうと却って具合の悪そうな場合を除いての話だが。
ともかく1回読み返せば必ず1箇所は書き改めようかどうしようかと悩むところが出てくる、と言っても過言ではないだろう。
言うなれば、Web上の作品は永遠のベータなのである。いや、出版された本などと違って、永遠のベータであることを許される媒体が Web だということだ。
だから、時が経てば経つほど、少しずつ文章が研ぎ澄まされている実感がある。うっかり書いていた誤りが正され、意味の取りにくかった表現が改められ、少しずつではあるが全体にすっきりと伝わるものになって行くのではないだろうか。
もちろん、日が経って古くなり役に立たなくなる情報もあるだろう。だが、少なくとも表現は磨かれて、内容は正確になり、文章全体の精度は上がるのではないかと思う。
僕はそれが嬉しくて Web に“作品”を書き散らしているようなものだ。
今日も突然4年前に書いた記事の誤りに気づいて加筆訂正した。それをことさら「訂正しましたよ」と掲げる気もない。たまたま昔の記事にたどり着いた読者に嘘の情報を伝えなければそれで良い。
少しでも良い文章になればそれで良い。そういうことが少しずつでもできる──それが Web である。それが楽しくて僕は自分の書いたものを読み返す。
そう、ある意味自己満足ではある。それがナルシストと呼ばれるのであれば、そうなのだろう。
そして僕は今日もあっちの記事、こっちの記事を読み返している。
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