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Sunday, April 01, 2012

BS日テレ ドラマプレミア『背の眼』

【4月1日特記】 昨夜録画しておいたBS日テレのドラマプレミア「真備庄介霊現象探求所シリーズ『背の眼』」を観た。シリーズと銘打ってあるが、今のところは1回きりの単発ドラマである。評判が良ければシリーズ化、みたいな色気もあるのだろう、きっと。

原作は道尾秀介の同名の小説。監督は小松隆志。小松監督と言えば、僕は『幸福な食卓』を観ていて、その時の自分の記事を読み返すと、自分でも驚くくらい激賞している。このドラマも、激賞するほどではないが、悪くない。

そして脚本は、ホームページにもクレジットされていないが、清水友佳子。なんでわざわざ書いたかというと、個人的に twitter で何度か絡んだことがある人だからであるが、客観的に見て非常に手際の良い脚本だと思った。

ジャンルとしてはミステリである。ホラーの類と言っても良い。

ホラー作家の道尾秀介(平山浩行)が知り合いから送られてきた手紙と写真を持って東北の山奥の白峠村に向かうところから話は始まる。その手紙には、写真を撮ったら背中に奇妙な眼が写り込んだ人間が数日後に自殺したと書いてある。

興味を覚えた道尾がまずひとりで調査に行くのだが、その写真が撮られた現場で奇妙な声を聞いてしまい、ひとりでは手に負えないと思った彼は、帰京してから大学の先輩である真備庄介(渡部篤郎)に助けを求める。彼は「霊現象探求所」の所長である。そして、道尾、真備、真備の助手の北見凛(成海璃子)の3人で再び白峠村を目指す。

原作を読んでいないので、どこまでが原作によるもので、どこからがドラマ独自の演出なのかは分からないが、メインの登場人物3人のキャラがしっかり措定されていて却々面白い。

あくまで理知的なのだが、だからと言って非科学的なものを全否定するのではなく、「霊は存在するものであってほしい」と願っている真備。確かに、これこれは存在するという証明は一例を見つけるだけで終わるが、存在しないという証明は、数学の命題でもそうだが、非常に難しい。

真備という人物はそのことをよく解っているので、普段いんちきな宗教の化けの皮を剥がしたりしているくせに、存在しないと証明されていない限りは霊や超常現象を決して否定しない。そういう彼の明晰な論理性が台詞の中にも生かされており、大変面白い設定であると思った。

そして、凛は人の心が読めてしまう女の子だ。もちろん、彼女のこの特技が謎を解く上で大いに助けになるわけだが、得意がって他人の心を覗いたりはしない。彼女自身がその能力を重荷に感じていて、そのことも進行上のあちこちに垣間見える。これまた良い設定であると思った。

そして、作者と同じ名前の道尾は、そんな名前がついている割にはぱっとしない。これも明らかに作者の意図的な遊びなのだろうが。ま、現場に存在して、ストーリーに絡んではいるのだが、何の推理も披露せず、謎解きにも参加できない。これはこれで面白いと思った。

で、ここまで自分で整理してみてふと思ったのだが、このドラマはもう少しコメディっぽく作る手もあったなあと思う。原作を改変することがどこまで許されていたのかは知らないが…。

今回のドラマは割合シリアスに展開する。真備が折に触れて、あまりにも論理的な推理を披露して小さな謎を解いて行く。そして、その延長線上で、最後に事件全体の謎も解ける。

最後の謎解きの部分は、「なーんだ、そんなとこ行っちゃうのか?」との感がなきにしもあらずだったが、まあまあ面白かった。小出しにいろんなことが明らかになって行く脚本がとても適切な感じがした。

3人のコンビネーションも非常に良かったし、シリーズ化すれば良いのではないだろうか? うん、次作を見てみたい気はする。

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