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Saturday, January 14, 2012

映画『ロボジー』

【1月14日特記】 映画『ロボジー』を観てきた。うーん、これは評価分かれるかな。

中小家電メーカーのワンマン社長(小野武彦)の思いつきでロボット博に出展することになり、その二足歩行ロボットの開発を命じられた3人の社員(濱田岳、川合正悟、川島潤哉)が、そんなこと急に言われても開発できるはずがなくて、切羽詰まったとは言え、いくらなんでもそんなことを…、という筋である。

(このストーリー、一体どこまで書くと「ネタバレ」になるのかがよく分からないw。このタイトルと予告編から、そんなことは誰でも想像がつくことだから、もっとはっきり書いても良いのだが、ま、とりあえずここまでにしておく)

で、展開には何箇所も穴がある。コメディだからそれで良いのだと割りきって見られるか、いや、いくらなんでもそんなことみんな気づくだろう、などと思ってしまうかで、このドラマは楽しめるか楽しめないかが分かれてくると思う。

いずれにしても、もしもロボットが本物ではなく、実は中に爺さんが入っているとしたら、というジャスト・ワン・アイデアで(あらら、書いちゃった。まいっかw)映画を作ってしてしまうのは少し無理があるということである。

しかし、その爺さんを演じるのが老優でも名コメディアンでもなくミッキー・カーチスで、しかも五十嵐信次郎などという名前で出ているところが面白いではないか。

そして、エンディング・テーマも歌っている。これがまた、この映画にぴったりのスティックスの『MR. ROBOTO』(1983年)のカバー(結構いいよ、これ)。んでもって、バンド名が「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」と悪乗りしてる。バンドのメンバーはミッキー吉野(これでダブル・ミッキーだw)、斉藤ノヴ他。

そう、その他にも、如何にも矢口史靖監督らしい細かい仕掛けがいっぱいあって、そこが楽しい。これはガハハと笑うコメディではなく、クスっと笑うコメディなのである。

例えば、

  • ロボットの名前が「スーパー潮風」などという、如何にも昭和40年代の家電製品にありがちなネーミングである
  • 爺さんが本物のロボットに嫉妬して足引っ掛けて転ばしたりしたり、翻訳ソフトのせいで日本語がおかしくなるなどの小ネタがいっぱい仕込んである
  • 台詞もないほんのちょい役で竹中直人が出てたりする(これがまたピッタリの役!)
  • 3人の“開発者”に絡んでくる、ロボット工学オタクの女子大生(吉高由里子)がカラクリを見破る際の証拠のあまりにあまりのしょーむなさ(笑)

とか…。

そういう遊びが随所にある。そのディーテールの遊びを見る側も遊べない限りこの映画は面白くない。結局は矢口史靖が好きか嫌いかというところに落ち着くのかもしれない。

僕は結構面白かった。最初のシーンが布石としてよく効いていた。最後は、この映画ではそれ以外の結末はありえないだろうというところにきっちり収束していたけれど(笑)

展開は綻びだらけだけど、随所に小粋で面白いシーンのある映画だった。

『スウィングガールズ』とは比べるべくもなく軽いし、前作『ハッピーフライト』と比べても、まあ、あっちのほうが面白かったかなという気もするが、僕はこういう映画は決して嫌いではない。

CGを使わずに金属製の着ぐるみで通しているところが、いかにも工作っぽくて、もの作りが好きですという感じが伝わってくるのである。ロボットの顔も見事にキュートである。

これで監督が古厩智之だったりしたら、洒落としては最高だったのだが(まあ、矢口史靖のオリジナル脚本なのでそんなことはあり得ないのだがw)

五十嵐信次郎もさることながら、濱田岳がいつも通りの感じでめっちゃ巧いし、吉高由里子も如何にも最近の吉高由里子らしい嵌り役であった。

こうやってあげつらっていくと、意外に見るべきポイントは多い。問題はそれが全部細部であるということで、最初に書いたことに戻るが、それが楽しめるかどうかで映画の評価は割れるのではないだろうか。

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