素うどん
【1月31日特記】 今日、素うどんを食った。明日、3年半ぶりに大腸の内視鏡検査を受けるので、前の日の夕食は素うどんなどにしてくださいと言われたためである。
考えてみたら、生涯初めて外で食べる素うどんかもしれない。いや、僕のことだから忘れているだけである可能性もかなり高いが、それでも生涯でそんなに何度も食べたことがないし、過去に食べたことがあったとしてもそれからものすごく久しぶりであることは間違いない。
素うどんというのは貧乏人が食べるものだという印象が僕の脳裏にこびりついている。一体いつこびりついたのかは自分では解らないのだが、なんかそういう意識がかさぶたみたいに張りついている。だからこそ食べていない気がする。
かと言って、子供の頃食べてわびしい思いをしたからその後は食べていない、というのとは違う。
ウチは小さい頃は貧乏だったので、ならばその頃に素うどんを食べていても不思議はないのだが、もっと貧乏だったということなのか、あるいは、そういう時代だったということなのか、外食自体がほとんどなかった。だから多分素うどんも食べていない。
今から思えば安い材料費で、子供たちに美味しく栄養のあるものを食べさせようとして、母がとても苦労していたのが解るのだが、その思想の延長上には外で素うどんというのはない。
もう少し長じて、若い頃には、金があるとかないとかという問題ではなく、食べ盛りの身に素うどんでは腹が減るから食べなかった。
そして、さらに年を取って少しは蓄えができてきたり、あるいは蓄えの代わりに見栄が出てきたりすると、もう素うどんを食べるという発想はない。
という訳で、人生初か、あるいはとても久しぶりの素うどん体験となった。280円。
しかし、頼んでみて思ったのだが、「素うどん」より「かけうどん」のほうが聞こえが良い。素うどんの「素」は素っ裸の「素」。かけうどんは素っ裸ではなく、それこそなんか1枚かけてある感じ。違うかな(笑)
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