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Friday, December 16, 2011

自信考

【12月16日更新】 「自分にはやりとげる実力があるのに、上司がチャンスをくれなかった」──最近の若い人はよくそんな風に言う、という話を聞いた。それが職場に対する第一の不満であったり、あるいは転職の理由であったりするわけだ。

そう言われると確かにそういう人も少なくないように思う。で、もっと言うと、じゃあ彼らは自ら上司に「私にやらせて下さい」とアピールするかと言えば、決してしないのである。自分からは決して動くことなく、「適切な指示もできない上司がバカだ」みたいなことを平然と言うのである。

いや、もちろん全員でもないし、ほとんどでもない。ただ、昔と比べるとそういう人たちが爆発的に増えている気がする。

「今どきの若い者は」という言説は、太古以来途切れることなくどの時代の書物にも記されていると聞く。僕自身がそんなことをここに書いているのも、実は単に自分が年を取ったということを証明しているだけなのかもしれない。むやみに若い人たちを悪し様に言うべきではない、とは自分でも思っている。

でも、やっぱり、上で書いたような若い人たちを見ていると、「その根拠のない自信は一体どこから来るの?」と問いかけたくなる。

うん、僕たち自身も若い頃はけっこうひどかった。今振り返ればそれはよく解る。

行き当たりばったりで、短絡的で、他人に対して狭量で、その一方で自堕落だった。見栄と見栄えばかりを気にしていた。すべてに正しい理由を求めているようで、実は肝心のところで根拠がなかったりもした。

でも、彼らのような妙な自信はどこにもなかった。自信がなくていつも不安で震えていた。不安の裏返しの強がりや、「ええいくそっ」の暴走は結構あっただろう。でも、そんな落ち着いた自信はどこにもなかった。

自信を持つのは場合によっては良くないことだ。だって、年寄りたちは長いことかかって自信を築き上げ、そして、必ずその自信が社会の弊害になるのだから。

若い頃からの自信は、ひょっとしたら若い頃から自分を滅ぼすのかもしれない。

もうちょっとよく考えてみようよ。僕らはみんな本当にダメ人間なのだ。──そうは思わない?

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