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Thursday, November 03, 2011

映画『電人ザボーガー』

【11月3日特記】 映画『電人ザボーガー』を観てきた。井口昇監督には2009年の映画『ロボゲイシャ』と同年のTVシリーズ『古代少女ドグちゃん』の2段キックで魅せられて完全にファンになってしまった。

そのあと『ドグちゃん』の再編集と放送前のパイロット版で構成した『古代少女ドグちゃん まつり スペシャル』を観て、盟友の西村喜廣・坂口拓と3人で監督した『戦闘少女』も観た。もちろん『ドグちゃん』シリーズは続編の『ドグーンV』も合せて、井口監督以外が脚本を書き演出した回も含めて全話観た。

この人の魅力はオタクの感性とポルノの実績の見事な融合である。適当にチープで、しかし、凝るところは徹底的に凝り、造形/ギミックの発想は秀逸で観るものを飽きさせない。ヒーローものとジャパネスク、アダルトビデオとSF、安いコメディとコテコテの青春もの、それらがぐっちゃぐっちゃに出てくる魅力である。

『片腕マシンガール』が先に海外で評価された訳だが、僕は見逃してしまい、まさに『ロボゲイシャ』がその最たるものだった。

で、この作品で言うと、非常に残念なことに僕はTVでやっていた『電人ザボーガー』を全く知らないのである。知っていれば間違いなくもっともっと楽しめていたと思う。

エンディングで昔のTV版と思しき映像が出てくるのだが、映画の中にあったのと同じシーンの連続である。ふーん、新たに焼き直したのではなく、ここまで忠実に再現したのか、と驚いた。多分井口監督はこのTV実写ものにひとかたならぬ思い入れがあってのことなのだろう。

もし原作を知った上で見ていたら、そういう思いがひしひしと伝わってきたはずだ。

もっとも、昔の話を忠実に再現するだけではなく、中年になって失業やら糖尿病やらに悩まされる元ヒーローを、他ならぬ板尾創路というキャストで後半にまとめて来たところが如何にも井口昇らしい。そして、親子の愛情ドラマを結構まじめに演出しているところも井口昇らしい。

ただ、僕のように原作を知らないし思い入れもない人間から見ると、しっかりとした原作があったことが井口監督に少し窮屈な経験をさせたのではないかなと思うのである。

ところどころ笑えるのだが、いつもの井口作品ならもっと会場ドカンドカン言わせてたはずだ。それに、エッチな部分が圧倒的に少ない。これは原作へのリスペクトが引かせたのかなあ。いつも通り亜紗美が出てたりするのだが、あまり「見せ場」がないのである。水井真希の姿もほしかったところ。

しかし、それにしても映画館に来ているのはオタクっぽい怪しい人ばっかり! しかも、妙に年齢層が高い! んで、パンフレットを買おうと思ったら「好評につき売り切れ」の貼り紙!

いやはや、そういうウォッチングも含めて、今日は随分楽しんだ。次回はオリジナルの本格サイボーグものを期待したい。

ところで、この映画で久しぶりに佐津川愛美を見た。ホリプロからアイドルとしての売り出しには失敗したが、『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』や『奈緒子』で女優開眼したと思ったのだが、うん、少し伸び悩んでいる感じ。この娘も次回作を期待したい。

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Comments

こんにちは。通りすがりの映画ファンですが、今回の書き込みにちょっと異議があります。

>ホリプロからアイドルとしての売り出しには失敗したが、『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』や『奈緒子』で女優開眼したと思ったのだが、うん、少し伸び悩んでいる感じ。

佐津川さんについては、デビュー当時から女優活動がメインで、基本的にいわゆる「アイドル活動」はしていないはずです。最近でこそテレビドラマなどの出演も多くなりましたが、ホリプロ側も女優として、それも映画中心の育成方針でやって来たと解釈していますし、このことが現在の彼女の演技力形成に多大な貢献をしたと思っています。少なくとも映画ファンの間ではその実力は高く評価されていますし、同世代の役者の中では頭一つ抜けているものと思っています。

yama_eighさんはその方面の方かとご推察いたしますが、彼女の出演作はあまりご覧になっておられないのではないでしょうか。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の他にも多くの佳作があります。『悪夢のエレベーター』、『春色のスープ』や『渋谷』などは是非おすすめしたいのですが、残念ながら『渋谷』はDVDがリリースされていません。ちなみに彼女は公開待機作を含めて現在までに25本以上の出演作品があります。もっともメジャーな作品もありませんが(笑)。

「少し伸び悩んでいる」というのは人気度や露出度(特にテレビ媒体での)という観点からはそのとおりですが、演技力の伸びという意味では当たっていないと考えます。yama_eighさんも未見の作品をいくつかご覧いただければ、短い台詞や間合いの中にもその演技力の非凡さや感性の煌めきを感じていただけるものと思います。本ブログのタイトルのとおり「些細なことの中に真実がある」です。

突然お邪魔した上、長文の書き込みで大変失礼いたしました。

Posted by: 通りすがり | Monday, November 07, 2011 at 12:14

> 通りすがりさん

これは失礼致しました。書き方が拙かった点もありますが、本来的には「もっと伸びて活躍してほしい」という趣旨で、悪意はありませんのでどうかご宥恕ください。

一応釈明めいたものを書いておくと、

「アイドルとして売り出し」云々の件はデビュー直後にバラエティ番組にレギュラー出演していたりしたことを指したつもりでしたが、「失敗した」はちょっと乱暴な表現だったかなと反省しております。今から本文を修正しようかとも思いましたが、コメント欄との整合性が失われるので、一応お詫びをした上でこのままにしておきます。

「伸び悩んでいる」というのは露出の度合いを言ったのではなく、『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』や『奈緒子』と比べるとこの映画での演技は精彩を欠いているという意味です。僕はそう感じました。こればっかりは感じ方の問題ですので、反論されてもどうしようもありません。

ただ、いずれにしても非常に才能のある女優さんなので今後に期待したいと思っています。

書き込み有り難うございました。機会があればご推薦の作品も観てみたいと思います。

Posted by: yama_eigh | Monday, November 07, 2011 at 13:45

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