映画『ミッション:8ミニッツ』
【11月5日特記】 映画『ミッション:8ミニッツ』を観てきた。監督はデヴィッド・ボウイの息子で、『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ。あれが衝撃の劇場用デビュー作品だったが、この映画もすこぶる評判が良い。
タイトルが簡潔に設定を語っている──8分間の使命。軍の作った「ソースコード」によって、コルター・スティーブンス大尉(ジェイク・ギレンホール)はカプセルの中から何度も過去にトリップする。
目覚めれば列車の中、目の前にはクリスティーナ(ミシェル・モナハン)という見知らぬ美人が自分に話しかけており、そこでは自分はショーン・フェントレスという名の教師である。そして、8分後には列車に仕掛けられた爆弾が爆発して乗員乗客が全員死亡する。
コルターの使命はその8分の間に爆弾を仕掛けた犯人をつきとめることである。で、この映画で特に面白いのは犯人を突き止められずに爆弾が爆発してしまうとコルターはカプセルに戻ってきてしまい、犯人を突き止めるまで何度も何度も過去に戻ってまた8分間をやり直させられるところである。
失敗すると何度も何度も元に戻ってしまうと言えば、パンフレットにもあるように、98年のドイツ映画『ラン・ローラ・ラン』を思い出すが、『ラン・ローラ・ラン』が何だか解らないけれど面白い映画であったのに対し、こちらはかなり精緻に組み立てられたフィリップ・K・ディックばりのSFである。
テンポが良い。観客に情報を少しずつ小出しにするのが上手い。で、映画が終わったかと思えば終わってなくて、その辺からよく考えないと何がどうなったのか解らなくなる。
うーん、どうにもこうにも悔しいが、僕はどうやら重要な何かを見落としているのではないかという気がする。夫婦で「あれはこういうことか?」「いや、こういうことじゃないの?」といろいろ話しあったが、2人とも今イチ腑に落ちない。もう1回見たい、というのが見終わって最初に思ったことである。
よく練られた脚本をもとに巧みに構成された映画で、面白いのは請け合いである。が、もう1回観てからでないとちゃんと書けない気がする(早く WOWOW でやらんかなw)。そして、もう1回観たら、恐らくさらにもう1回観たくなるのではないかという気がする。
ミシェル・モナハンとヴェラ・ファーミガという2人の女優がとても良かった。
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