MOONRIDERS の無期限活動停止に臨んで
【11月21日特記】 2011年11月11日の満月の日に、MOONRIDERS が無期限の活動停止を発表した。そのニュースを知って、僕は少しほっとした気持ちもした。
もう35年も活動してきたバンドである。僕もほぼ35年、ロイヤリティの高いファンをやってきた。最初はレコードを買っていたが、それも全部CDに買い直して、一部のアーカイブもののライブ・アルバムを除いて、オリジナル・アルバムは全部持っている。DVDも買った。
6人のメンバーがそれぞれ出したソロ・アルバムについても1人のメンバーに付き最低1枚は持っている。
だから、相当な量である。それをもう買い続けなくても良いのだという、ほっとした気持ちなのである。
いや、決して嫌々買い続けていたわけではない。最近はあまり良いとも思わないのに買っていた、なんてこともない。惰性で買っていたという表現も当たらない。
例えば、最近はあまりCDを聴く暇もないのに新譜が出れば買うだけ買うのだけれど、ほとんど聴いていない──というような悩みがあるわけでもない。ここ何年かは全く本末転倒してしまって、買うということが目的になってしまった──などと嘆く向きもない。
良いとか悪いとか、聴くとか聴かないとか、もうそういう次元は遥かに超越しているのである。だからと言って、言わば「買うだけ買っている」わけではない。買って、聴いて、愉しんでいる。仰天して、興奮もしている。
でも、だから買うのではない。聴けば、愉しんで、仰天して、興奮できるから買うというのではない。意識の流れは断じてそうではないのである。
何故買うかというような地平は、もう超えてしまっているのである。発売されれば買うのである。
彼らの作品に『マニアの受難』という曲がある。1986年のアルバム『ドント・トラスト・オーバー・サーティー』のA面ラストである。あの感じなのである。
今日のこの文章は多分彼らのファンでなければ解らない感覚だろうと思う。
今日、25枚目にして恐らく最後のアルバムになると思われる『Ciao!』を予約した。
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