ネット 10 年
【11月27日特記】 一昨日の記事に「押し詰まってきた」と書いたら、我ながらなんか俄に振り返りモードになってしまった。1年が終わろうとしているのだ。特に今年は僕にとって Web デビュー 10 周年だったので、なんか感慨が深いのである。
それでちょっと振り返ってみた。
2001年2月にホームページ(このブログとは別)を開設してから、そこで今日までに書いた文章が大雑把に言って 550。会社のメールマガジンや携帯サイトなどに書いたエッセイが 300。このブログに書いたものが 1800 弱。他にも投稿という形で書評が 330、それ以外を合わせれば多分優に 350 は超える。そして、facebook のノートとして書いたものが 15 前後。
これらを単純合計して、約 3015。多少重複掲載もあるので、それを考慮すると大体 3000 ということになる。
つまり、不特定多数に読んでもらえる可能性のあるオープンなスペースに、僕が書いて発表した文章が 3000 編あるということである。もちろんこれはある程度長さのあるまとまった文章だけをカウントしたものであって、twitter や facebook にちょこまか書いた短文まで含めると一気に 20000 に迫ることになる。
まあ、2万は措いといて、3000 の話をしよう。この 3000 編はまさにインターネットのおかげなのである。って、インターネットに書いているんだから当然と言うか、逆と言うか──などと言われるかもしれないが、逆でも何でもなく、この 3000 編はインターネットという場が現れたからこそ初めて書けたのである。
書いたものが実際読まれるかどうかということはそれほど重用ではない。決定的なのは、不特定多数に読まれる可能性があるかないかということである。
自分のノートなどに書いていてもそれはそのままでは読んでもらえる可能性がない。気の合う友だちに見せるという程度では「多数」にまで広がらない。懸賞小説に応募したり、自費出版を考えたりしたこともあったが、結局実らなかったり、他の障壁があって断念したりした。
そんな僕を「書くこと」に引き戻してくれたのはまさにインターネットの出現である。そこに書いて置いておきさえすれば、不特定多数に読まれる可能性がある、昔の環境と比較すると夢のような場なのである。そして、そのことが僕に 3000 の文章を書かせたのである。
書くと読んでくれる人がいる。少ないながら反応が返ってくる。続けていると時には大きな反応が返ってくるようにもなってくる。だから、また書く。また書ける。また書きたいと思う。書くことが自然と湧いてくる。
インターネットの出現によって僕の人生は変わった。どこが変わったのよ──と近しい人間は言うかもしれないが、これは僕を書くことに駆り立ててくれた。このことは僕の後半の人生を、深いところで変えてくれたのである。はっきりとそういう実感がある。
10 年の Web 執筆を重ねた今、改めてインターネットの出現に心から感謝したい。
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