モテキ的音楽のススメ 映画盤
【10月3日特記】 『モテキ』の魅力を構成する大きな要素の一つは音楽である。TV版もそうだったし、映画版もそうだった。恐らく原作の漫画もそうだったのだろうと思うが、漫画では音が出ない分弱かったのではないだろうか。聴いたことがない曲は想像力では補えないから。
映画版では監督の大根仁、原作の久保ミツロウ、プロデューサの川村元気と助監督たちがそれぞれ自分の仮想サントラを作って持ち寄り、その中から本番で使う音楽を選んだと言う。
僕の趣味からすれば、久保ミツロウが選んだとされている曲は全般に少しナンパでトンガってない。ど真ん中ストライクがズバッと来るのは大根仁の選曲である。
さて、そのサントラが早くも TSUTAYA DISCAS に出ていたので取り寄せた。と言いながら、右のバナーは Amazon のアフィリエイトである。が、これには訳があって、今なら Amazon で全曲試聴できるからである(もちろんごく一部だけど)。
映画を見ていない人は是非一度聴いてみて下さい。こればっかりは趣味の問題なので、ナニコレってそっぽ向いてしまう人もたくさんいるのだろうけれど、僕からすれば驚異的なセンスの良さである。
知ってる曲も初めて聴いた曲もみんな良い。
例えば TM NETWORK の『SELF CONTROL』が入っているけど、僕も TM NETWORK から選ぶとすればこの曲しかないと思う。しかも、仕事で失敗して落ち込んだ幸世がこの曲を聴きながら自分を元気づけているところにみゆきからリプが返ってくるという設定である。いいねえ、この設定。
岡村靖幸のナンバーからは2曲が選ばれているが、それが『カルアミルク』と『あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう』だというところもひたすらシブイ!(残念ながらこのCDには前者しか収録されていないが)。
フジファブリックの『夜明けの BEAT』はこの作品で知った秀作である。TV版でも映画版でもオープニングに使われてきた。
ちょっと洒落た選曲ばかりかと思いきや、いきなり『失格』などと言うめちゃくちゃ歌謡曲的下世話なメロディの作品も入ってくる。
かと思えば、先端の先端を走っているような女王蜂の『デスコ』なんてぶっ飛んだ曲も入ってくる。これなんかは懐かしいんだか新しいんだかさっぱり解らない。
秀逸なのは 'N 夙川BOYS の『物語はちと?不安定』である。これは久保ミツロウが持ってきた曲らしいが、大根監督も言っているように、この歌詞はもうこの物語にぴったりである。
そして、〆はスチャダラパー featuring オザケンではなく、featuring 森山未來でもなく、featuring 藤本幸世の『今夜はブギー・バック』である。もう涙涙感動の涙である。この曲はカバーも含めてバージョンが非常に豊富だが、ひょっとしたらこのバージョンが最高かも、なんて思ってしまう。
ともかくこのCD聴いてみてほしい。で、これが良いなあと思った人はまず間違いなく映画も良いと感じるはず。これ聴いても何も思わない人は、映画を観てもひょっとすると駄目だこりゃ、かもしれない。
ま、僕はこういうのを抜群のセンスと呼ぶ。すごいセンスだと思う。
【10月4日訂正】 失礼しました。実際聴いてみたら、ラストの『今夜はブギー・バック』は映画のエンディングに使われていた藤本幸世とのコラボレーションではなく、featuring 小沢健二のオリジナル・バージョン(smooth rap)でした。
ちゃんと確かめる前に書いちゃってすみませんでしたm(_ _)m
しかし、残念、あれを収録しておいてほしかったなあ。
Comments