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Sunday, October 30, 2011

ad:tech tokyo のセッションから

【10月30日特記】 一昨日、ad:tech tokyo のイベント会場で某九州局のT氏と話す機会があった。T氏はこの系列では、と言うよりも、この国のテレビ局としてはいち早く局の公式 twitter を始めた人である。

彼が twitter を始めたきっかけは、2009年の Interop のセッションでの夏野剛さんとひろゆきさんの対談だったと言う。奇しくも僕もその場にいた。

夏野さんだったかひろゆきさんだったか忘れたが、ともかくどちらかが壇上から聴衆に対して、「この中で twitter やってる人は手を挙げて下さい」と問いかけたのである。

その時T氏は twitter を知らなくて、イベントが終了してから急いで検索してみたと言う。そして、とりあえずやってみようと思ったのだそうである。あとから調べたら、これが2009年の6月12日のことだった。

僕はその時、「twitter をやっている人」ということで挙手したような記憶がある。

調べてみたら、このブログの2009年5月28日にこんな記事を書いているので、ともかく個人で登録はして、やってみてはいたのだろう。しかし、自分で「なんか、This will take me nowhere という声が(しかも英語で)聞えて来るような気になるサイトです」などと書いている(笑)

それから同じ2009年の7月に、T氏も僕も、会社のアカウントとして twitter を始めた。僕は未公認・非公式のお遊びキャラとして、T氏は堂々たる局公式として。

T氏はあの時の Interop のセッションを振り返ってこう言った。

「ああいうのって、あとから録画なんかで見ても全く意味がないんですよね。現場にいてあの空気感を感じなければ」

T氏は自分の知らない twitter という語に焦り、興味を持ち、そしてすぐに自分のものとした。それは確かに最初に感じた焦り、そしてその空気感がアクセルになったのかもしれない。そう、これが正しい講演の聴き方なのである。

僕らは講演を聴きに行って、上司にリポートを出せと言われたりする。だけど、そのリポートなんて何の意味もない。僕らが感じ取ったものを会社に持ち帰ったとき、それが僕ら自身を動かす衝動となり動機となり、それが僕らが他人を動かす確信となり原動力となって初めて意味があるのである。

それから2年4ヶ月を経て、そのT氏が、一昨日の ad:tech tokyo では、講演を聴く側ではなく、ソーシャル・メディアを駆使するトラディショナル・メディアの代表として壇上に上がった。なんと喜ばしいことだろう。

一見すると単にT氏の成功談にしか見えないかもしれない。しかし、もう少しカメラを引いてみると、彼を客席の人から壇上の人にしたのは、そのこと自体がそれこそソーシャル・メディアのうねりなのであり、ソーシャル・メディアの作用が次第に彼の立ち位置を変えていったのだということが解るのではないだろうか。

これこそが今、ソーシャル・メディアが世の中に引き起こしていることなのである。良い講演だった。

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