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Saturday, September 17, 2011

所期の目的

【9月17日特記】 買ってから長らく使わずにいた ScanSnap を久しぶりに使ってみた。

というのも、このスキャナはそもそも妻用に買ったものであり、僕のPCにはアプリをインストールしてもいないのである。

今日は妻が外出している間に妻のPCを借りて長年懸案になっていた原稿を取り込んでみた。それはワープロ打ちの卒論である。

卒論と言っても、ウチの大学のウチの学部には卒論という制度はなくて、それでもゼミの担当教官が「なんでも良いから書いて行きなさい」と言うので、僕らのゼミだけが伝統的に書いてきたものだ。

「書くことに意味があるのだからテーマは何でも良い」という教官の考え方に沿って、僕らのゼミは西洋経済史専攻だったが、産業革命について書く者もいれば夏目漱石について書く奴もいるという具合だった。

で、僕は『ニューミュージックの新展開』というタイトルの一文を物した。当時ワープロというものはもう存在していたが、最初の原稿は手書きであった。それを後日こつこつとワープロに打ち込んだものが手許に残っていたのである。

この原稿を電子化することは、僕が最初にパソコンを買ったときに考えた目的のひとつであった。最初のPCを買ってから17年目で、漸く所期の目的を達成した。なんだか感無量である。

今までどうしてそれに取りかからなかったかと言えば、面倒くさかったからである。スキャナとしてはこの ScanSnap が初めてではなく、随分前から汎用プリンタを持ってはいたが、スキャンの手間に腰が引けたのである。1枚1枚ガラス板の上にのっけてスイッチ押して入れ替えて──という作業をやる気が起こらなかったのである。

それが ScanSnap なら、原稿をセットしてボタンをひとつ押すだけで、かなりのところまでやってくれる。あとはちょこっとクリックするだけで PDF になったり、OCR をかけて MS-Word になったり、ともかく手がかからない。

21枚のワープロ原稿があっという間に識字されデータ化された。

もちろん識字率はそんなに高くない。とんでもない間違いもいっぱいある。今度はそれを目で見ながら打ち直して行くのである。

つまり、その愉しみがまだ残っているというわけである。それを愉しみだと感じる人にしか理解出来ない愉しみなのかもしれないけれど──。

なお、この原稿を電子化したのはネットに上げるためではない。歌詞の引用が多すぎてネットに上げるには少し微妙だと思うからである。

ではまた、何のために電子化するのか? ──電子化自体が喜びだからである。それを喜びと感じる人にしか理解出来ない喜びなのかもしれないけれど──。

ともかく、まだ手直しは必要であるが、とりあえず所期の目的は達成した。

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