懐かしい声音
【8月29日特記】 最近、会社の偉い人たちの会議で議事録をとる仕事をやらされている。普段は書記専任である。
IC レコーダを回しながら、PC も持ち込んで粗い議事録原稿を同時に書き始めているのだが、たまに説明役の立場で会議に召喚されることがある。そんなときは会議終了後に自分の声を聞きながら議事録をまとめることになる。
で、久しぶりに自分の声を聞いて、あ、こんな声だったか、と思う。
いや、初めて聞いた訳ではない。テープレコーダに録音された自分の声を生まれて初めて聞いた時の驚きは今でも鮮明に憶えている。ええ?こんな声なのか、とめちゃくちゃ驚いた記憶がある。そして、恥ずかしかった。
でも、あの頃は子供だったから今とは少し声質が違うはずだ。
今 IC レコーダから流れてくる声を聞いて、こんな声だったか、と思う一方で、でも、この声どこかで聞いたことがある、とも思う。
これは一体何の記憶だろう?と暫く考えているうちに思い出した。
フォークソング華やかなりし頃、自作の歌を吹き込んだテープである。自分で詞を書いて曲を作って、ギター弾きながら自分で歌った。一番凝った頃にはギター2本とリズムマシーンのピンポン録音にコーラスまで被せる一人多重録音で遊んでいた。
あの時にさんざん吹き込んで、さんざん聞いた声だ。なんべんも自分で聞いたけど、なんべん聞いても恥ずかしかった。それは単に自分の声だからではない。
歌もギターも下手くそで、リズムと音程がそれぞれにズレまくった多重録音というのは、改めて聴くと本当に恥ずかしいものなのである。まあ、僕はずっとソングライター志望だったけど、あの頃はシンガーソングライターでないと認めてくれない時代だったから、仕方がないか。
で、あのひどい録音を何度も聞いてきたせいか、会議での発言の声が別に恥ずかしいということもない。ただ、こんな声だったか、うん、こんな声だったかも、と思う。そして、単に懐かしい感じがする。
久しぶりに歌ってみたい気まで起こってくるのは余計であるが(笑)
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