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Tuesday, August 30, 2011

スズメとテレビ

【8月30日更新】 ベランダにスズメがやって来る。水を入れておいてやると水を飲みにやって来る。パン屑を置いておいてやるとパン屑を食べにやってくる。

面白いのは、彼らは黙っていられないということ。チュン、チュンとひとしきり鳴いてから水を飲み、またチュン、チュンと騒いでからパン屑を食べる。

たまにセグロセキレイなども来ているが、彼らは黙って飲み、黙って食べて、黙って飛んで行く。スズメにはそれができない。なんとも可愛いやつではないか。

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Monday, August 29, 2011

懐かしい声音

【8月29日特記】 最近、会社の偉い人たちの会議で議事録をとる仕事をやらされている。普段は書記専任である。

IC レコーダを回しながら、PC も持ち込んで粗い議事録原稿を同時に書き始めているのだが、たまに説明役の立場で会議に召喚されることがある。そんなときは会議終了後に自分の声を聞きながら議事録をまとめることになる。

で、久しぶりに自分の声を聞いて、あ、こんな声だったか、と思う。

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Sunday, August 28, 2011

映画『うさぎドロップ』

【8月28日特記】 映画『うさぎドロップ』を観てきた。目当ては松山ケンイチでも、今をときめく天才子役・芦田愛菜でもない。SABU監督である。

と言っても僕がSABU監督のファンだというのではない。SABU監督の映画は2002年の『DRIVE』1本しか観ていない。別に貶さずにはおられないような映画ではなかったが、さりとて見終わって皆に勧めたくなるほどの映画でもなかった。興行的にも失敗だったし、あまり高い評価ももらえなかった作品だ(キネ旬では同年第51位と、こちらのほうは意外に高評価であるが…)。

それっきり名前を聞かなかったので、僕はてっきり映画界から消えたのだと思っていた。いや、正確に言うと、それ以来SABUの名前は完全に僕の記憶から抹消されていた。実は前作『蟹工船』の時に「まだ監督してたのか!」と驚いたのだが、その記憶さえも見事に消え去っていた。後から調べてみると、この映画と『DRIVE』の間にSABUは5本の映画を撮っているのだが、そんなに撮っていたとは夢にも思わなかった。

──つまり、僕にとってはその程度の監督でしかなかったということだ。

ところが今回の『うさぎドロップ』に監督としてクレジットされているのを見つけて、そして、予告編を見る限りなんだか良さそうなのである。監督には大変失礼な話なのだが、僕は非常に意外に思った。こういうジャンルの映画も撮る人だったのか、という意外性もあった。ともかく観てみる気になった。そして、こんなに巧い監督だったのかと改めて驚いた。

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Saturday, August 27, 2011

『もてなしごはんのネタ帖』山脇りこ(書評)

【8月27日特記】 知人の料理研究家・山脇りこさんの初めての本(電子出版は除く)である。

まず、何が素晴らしいって、写真がきれい!

──なんて書くと、りこさん、ちょっとがっくりするかもしれない。そう、見た目がきれいでも食べたら大したことない料理って世の中に意外に多いもので、そういうことを考えると、写真ではなくレシピを褒めるべきなのだろう。しかし、入り口としてはこれはとても大事なことなのである。

写真がきれいだとまず美味しそうに見えるという利点がある。そして、もうひとつのメリットは作ってみたい気になるということである。本は残念ながら直接食べられないので、本当に美味しいかどうかをすぐに確かめることはできない。そうなると勝負は作ってみたい気にさせるかどうかで、そういう意味からするとこの本は大正解なのである。

で、読めばすぐに解ることだが、多少とも料理を嗜む者が見ると、「なるほど、その組合せは旨そうだ」というレシピが次から次へと並んでいるのである。そして、いざやってみるとあまり面倒な料理はない。時間のかかる下拵えも必要ないし、手に入りにくい食材も使っていない。

この手の“きれいな料理本”にありがちなのは、「そんなもんウチの近所のスーパーで売ってまへんがな。ああ、この人は僕らと住んでる世界がちゃうわ」などと思わせてしまうことだが、そういう面は全くない。ちょっと小洒落た調味料や酒類、こだわりの薬味などが出て来るところもないではないが、でも、それがないから作るのを断念しなければならないようなものでもない。

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知人の著作に対面して

【8月27日特記】 9年前からオンライン書店ビーケーワンに書評を投稿している。掲載された書評も300を超えたのだが、ここに来て知り合いの著作の書評を書く機会が増えてきた。知人がどんどん本を出版するようになってきたのか、それとも本を出すような人と知り合う機会が増えてきたのか…。

知り合う前から本を書いていた人はもっとたくさんいるが、僕と知り合ってから本を出したという人だけでも、今思いつくだけで4~5人いる。もっと真剣に考えればもっとたくさん思い出すかもしれない。

で、容易に想像がつくことだが、知人の出版物の評というのは却々に書きにくいものである。

まず、本人が読む可能性があるから貶しにくい。同じように褒めすぎるのも気が引けるが、こちらは本心からそう思うのであれば、別に後ろめたい気持ちもなく素直に書ける。ただ、貶すとなるとこれは勇気が要るし、逡巡してしまう。

「これはちょっと褒めようがないないな」と思った時には、知らん顔して書評を書かずにおくに限る。というか、それ以外に手はない気がする。

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Friday, August 26, 2011

無題

【8月26日特記】 古いものはどうして新しいものに敵意を抱くのだろう。旧いメディアはどうして新しいメディアを敵視するのだろう。

思えばテレビは長らく「新しい」メディアの側にあった。新聞はテレビを批判し、週刊誌はテレビの失態を嗤った。映画はテレビを「電気紙芝居」と愚弄し、高名な評論家は「総白痴化」と嘲笑した。

しかし、テレビはどうだったか。新聞の悪口も週刊誌の悪口も映画の悪口もあまり言ったことはなかったのではないか?

それどころかテレビは劇場用の映画を買ってきてテレビで放送し、新聞や週刊誌の記事を番組のネタに組み入れてきた。そして、少し胡散臭い人たちも含めて、評論家という評論家を片っ端からテレビに引っ張り出してきた。

ところがインターネットが出てきた途端にテレビはそれを憎むべき敵だと見なし、そして何故だか足がすくんでしまった。いや、もちろん一般論だ。そうでないテレビマンもいる。だが、総体として、テレビはインターネットを敵だと見なしてきた。

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Wednesday, August 24, 2011

足なり直角靴下

【8月24日特記】 無印良品の「足なり直角靴下」を履いている。

いつ登録したのか記憶がないのだが、僕は無印良品のウェブサイトでメンバー登録しているので無印から折に触れてメールが飛んで来る。そのメールで紹介してあったのがこの「足なり直角靴下」である。

なんと5年前からある商品なのだそうである。ちいとも知らなかった。

普通のソックスは足首から足の甲にかけて鈍角のラインを形作っている。それがこの靴下の場合は直角なのである。直角だったら何が良いのか結局のところよく解らなかったのだが、でも、なんかとても良さそうな気がしたのである。

で、その飛んできたメールからウェブページに飛び、そこにあったQRコードを読み込んで携帯サイトに飛び、その画面を保存して店舗に持って行くと1足タダでもらえるというキャンペーンをやっているではないか。ともかくもらって履いてみよう、と思って店舗に行った。

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Monday, August 22, 2011

実店舗の恩恵

【8月22日特記】 8/18 の記事に書いたように、長年探してきた鹿内孝の『本牧メルヘン』の音源を TSUTAYA の梅田堂山店から借りて来て落とすことができた。

TSUTSYA の実店舗に足を運ぶのは実に何ヶ月かぶりだったのだが、やっぱり実店舗でなければ得られない収穫がある。そして、単に現物の CD を眺めているだけでもこれは結構愉しいのだ。そういうことを思い出して、また時々足を運ぶようになった。

で、実は今日も思わぬ収穫があった。

これまた長年探していた曲なのだが、どのアルバムに入っていた何という曲だったのかどうしても思い出せなかったのである。それが今日判明した。

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Sunday, August 21, 2011

Play Log File on my Walkman #62

【8月21日特記】  リニューアル3回目。今日も10曲:

  1. 愛・おぼえていますか(飯島真理)
  2. 悲しきタンバリン(鈴木慶一)
  3. Your Song(LOVE PSYCHEDELICO)
  4. 10時間(MOONRIDERS)
  5. 殺そうと思うだけで良かったのに(豊田勇造)
  6. 歌いたいの(山崎ハコ)
  7. 未来予想図II(DREAMS COMES TRUE)
  8. 夜明けのBEAT(フジファブリック)
  9. ウェディング・ベル(シュガー)
  10. メトロ(大塚まさじ)

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Saturday, August 20, 2011

8/20サイト更新情報

【8月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログのことではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回は久しぶりにいつものペースに戻って、書評と、レギュラーで更新している言葉のエッセイがひとつずつです。

書評は森見登美彦さんの小説に対するもの、エッセイは反語の現代語訳についてのものです。

という訳で、今回の更新は以下の通り:

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Friday, August 19, 2011

映画『蜂蜜』

【8月19日特記】 映画『蜂蜜』を観てきた。あちこちの映画賞を受賞したトルコ映画(資本としてはトルコ=ドイツ合作)である。監督はセミフ・カプランオール。

この映画はユスフを主人公とした3部作の最後である。ただ、一般的なシリーズものと違うところは、第1部『卵』では中年の詩人・ユスフが描かれ、第2部『ミルク』では青年期のユスフが、そしてこの第3部『蜂蜜』では小学校時代のユスフが、という風に時代を遡って描かれているということである。

それは、このユスフという詩人が一体どのようにして作られて来たかということを、まるで一枚一枚皮を剥いで行くように描いた映画なのだそうである。

ただし、僕の場合はこの『蜂蜜』が初めてである。時代順に見るのであればこれが最初というのも間違った見方ではないとは思う。ただ、一切の予備知識なしに見るには少ししんどい面もあった。

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Thursday, August 18, 2011

ジョニーもスミスも

【8月18日特記】 8/14 の記事でも少し触れたが、今まで音源が手に入らずにやきもきしていた『本牧メルヘン』(鹿内孝、1972年、作詞:阿久悠、作曲:井上忠夫)を漸く手に入れた。

TSUTAYA のリアル店舗、梅田堂山店からレンタルしてきたのである。この手が残っていることは解っていた。見たような気がしたからである。

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Wednesday, August 17, 2011

ベランダ菜園便り

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【8月17日特記】 このブログにはほとんど書いてこなかったが、最近家庭菜園と言うか、ベランダ菜園でいろいろ野菜を育てている。

そもそも去年ゴーヤを栽培したのが最初だった。目的はグリーン・カーテンを作ることで、強くて育てやすいとも聞いていたし、実が成れば儲けものみたいな気でいたら、夏から秋にかけて、全て小ぶりとは言え11個もの実が成り、いろんな料理にして美味しく食した。

2011veg2_2

今年もゴールデンウィーク前に苗を買ってきて栽培したのだが、今年のほうが遥かに育ちが良くて、実が成るのが早く、また1つひとつの実も大きい。

今年はそれと一緒にキュウリ、オクラ、トマトも植えてみた。トマトはカゴメの懸賞で当たった「凛々子」という品種である。

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Monday, August 15, 2011

曲がるマウス

【8月15日特記】 先月買った WiMAX パソコン用のマウスを買ってきた。そもそも持ち運び用に買った PC なので、当然マウスも携帯用。

で、選んだのがこれ: マイクロソフト ワイヤレス ブルートラック マウス Arc Touch Mouse RVF-00006

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Sunday, August 14, 2011

ムードコーラス ベストオブベスト

【8月14日特記】 画竜点睛と言うべきなのか、病膏肓に入ると言うべきなのかは知らないが、僕の主観的日本ポップス史も完成の域に近づいてきた。

何度かこのブログでも書いているように、僕は第2次世界大戦後から今年に至るまでの日本の流行音楽の中から、流行った/流行らなかった、シングルカットされた/されなかった、に関わりなく、自分が好きだと思う曲、自分がこれは歴史に残る名曲だと思う歌だけを収集して SONY の Network Walkman に入れてきた。

その Walkman でのプレイログについても時々ここで披露している。

そして、今、集めた歌も1600曲を超えてきて、目ぼしいものは大体手元に揃ってきた(どうしてもほしいのにどうしても手に入らずに困っているのは鹿内孝の『本牧メルヘン』くらいのものだ)。

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Saturday, August 13, 2011

映画『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』

【8月13日特記】 映画『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』を観てきた。『シャンバラを往く者』に次ぐ、ハガレン2本目の映画

これは『鋼の錬金術師』『鋼の錬金術師FA』の続編でも後日談でもなく、さりとてスピンアウトと称するほど中心を外した物語でもなく、言わば外伝である。

そして、なんと脚本は『ホワイトアウト』などで有名な真保裕一なのである。ハガレンと真保が一体どういう経緯で結びついたのだろうと不思議に思っていたのだが、聞けば真保はもともとアニメ業界にいた人で、文芸担当から演出、脚本までいろんな仕事をこなしてきたらしい。

その真保自身がパンフで語っているように、10年のアニメ制作の経験を活かし、自らもハガレンのファンとして、ハガレンの世界観を守り、そしてミステリ作家としての矜持を示したのがこの脚本である。

よくもまあこんな込み入った設定を考えたなあという作りで、しかも蒔いた謎はちゃんと最後に刈り取る手際の良さもある。

ただ、どうしようもないこととは言え、やっぱり原作やテレビアニメのあの深遠な世界には届かない。原作はもう終わっているのだから、仕方がないと言えば仕方がない。ただ、やっぱりあの高みには届き得ないのかという残念さはある。

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Friday, August 12, 2011

映画『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!』

【8月12日特記】 映画『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!』を観てきた。これが意外に評判が良いのである。

なんでかな、と思っていたら森下佳子が脚本を書いていると言う。ああ、なるほど、と思うくらい彼女の名前は僕の記憶にも定着している。彼女と奥寺佐渡子の2人は今のテレビ/映画界を代表する女流と言って良いのではないだろうか。

原作の漫画もテレビアニメも、それから香取慎吾がやってたテレビドラマもほとんど見たことがないので、原作と比べてどうなのかは知らないが、却々心温まる作品になっていた。多分、登場人物のキャラを把握していたらさらに面白かったのだと思う。

香取慎吾の思いっきりオーバーアクションな演技が気になりだすとどうしようもなくなる(つられて伊武雅刀も彼の演技パタンの中の一番わざとらしい型になっているし、他にも力の入りすぎている役者は続出である)が、まあ、これも決して下手だからではなく意図的な演出だと割りきって見る以外にない。

そこに平田満を持ってきたのは大成功で、皆が撥ね散らかした空気をしっとりと包んで押さえ込んだ感がある。

僕は寅さんなんて1本しか観たことないのに、ああ、これは寅さんみたいにシリーズ化が可能な企画だなあと思ってたら、共演者の谷原章介がインタビューで「両さんは寅さん以来の人情味あふれるキャラクター」と言っており、自分の感覚はそれほど的外れでもないのかと、ちょっと驚いた。

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Tuesday, August 09, 2011

Windows の性格

【8月9日特記】  遅まきながら先日買った WiMAX パソコンの細かいカスタマイズに手をつけ始めている。なにしろ僕にとって生まれて初めての Windows7 (会社はなんとまだ XP )なので、どこで設定するのかが見つけられずに放置してあったところもある。

ところで、気持ち悪いのは、マウス操作に関して、「マウスオーバーしたら選択、クリックしたら実行」という設定がデフォルトになっているところである。

単なる慣れの問題ではないと思う。境目がはっきりしないのである。つまり、何秒マウスオーバーしたら選択したことになるのか? マウスが邪魔だったのでそれを横にどけたところたまたまそこにあったアイコンを選択してしまい、うっかり手があたってそれを起動してしまった、なんてことが実際に起こるのである。

それに比べてクリックしたかしてないかは明確である。シングルクリックとダブルクリックの区別も割合はっきりしている。こちらのほうがよほど扱いやすいと僕は思うのだが…。

まあ、確かに PC が世に出てきた頃にはダブルクリックが巧くできずに四苦八苦してるおっさんがいたものだが、こちらは慣れの問題である。少なくとも自分の意志に反して選択したり起動したりしてしまうことはないのである。

それを思うと、何故 Microsoft がこの方式を推奨しているのかがよく解らない。

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Monday, August 08, 2011

『恋文の技術』森見登美彦(書評)

【8月8日特記】 本屋で見つけて何となく惹かれて買った。文庫が出てから読むのは最近の僕としては珍しいことである。

書簡小説の形を採り、恋愛の指南書のように見せかけて、実はいつも通りイカキョーの情けない青春をペーソスたっぷりに描いた小説である。特に何人かの登場人物の書簡を、交互に時系列に並べるのではなく、人ごとにまとめる構成にしたのもアイデアである。

そういう意味では非常に森見登美彦的な作品でもあり、いつもの森見を超えた小説でもある。ただ些か遊びすぎの感がなきにしもあらず、なのである。

いや、遊ぶのはいつものことで、いくら遊んだって構わないのだが、しかし今回はそれが少し上滑りしてはいないかい?という感じ。

面白い読み物に仕立てようとするあまり、如何にも作り物感があって嘘っぽい。日本語の物語は誇張が過ぎると滑ってしまう典型のような気もする。

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夏の本

【8月8日特記】  このごろ読書が進んでいない。読んではいるのだが進み行きが遅い。別段難しい本を読んでいる訳でもないのに却々捗らない。

我ながら少し不思議な感じがしていたのだが、突然理由がわかった──夏だからだ。

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Sunday, August 07, 2011

巨人の星

【8月7日特記】  今の若い子たちは、思い込むということはあってもそれは大体が「多分簡単にできるだろう」という思い込みであって、従って試練の道などは選ぼうとはしないし、ど根性なんて言葉も聞きたくないと思っている。

真っ赤に燃えるなんてことは滅多にないし、王者などというものに対する憧れもない。血の汗も流さない代わりに涙も流さない。行け行けと言われてどんと行くタイプでもない。

いや、それは今の若い子たちだけの話ではない。僕らも概ねそうだった。こんな親父にはついて行けんと思ったし、大リーグボール養成ギプスなんて勘弁してくれーと思った。飛雄馬が「重いコンダラ」を引いてグラウンドを走る絵を見て、げーっ、こんなしんどいことは嫌だと思った。

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Saturday, August 06, 2011

8/6サイト更新情報

【8月6日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

残念ながら今回はいつものことばのエッセイ1編だけです。

難しい本でもない『恋文の技術』に何故だか時間がかかっており、従って書評も更新できていません。音楽のエッセイなどで構想中のネタもあるのですが、まだまとまるところまで行っておりません。

という訳で、今回の更新は以下の通り:

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Thursday, August 04, 2011

僕と WOWOW の20年

【8月4日特記】  今日 WOWOW からメールが来た。タイトルに「20年ご加入ありがとう」とある。なんと、20年である! WOWOW が20年なのではない。僕が加入20年なのである。

だから僕に「ありがとう」というタイトルのメールが来たのである。「20年ご加入頂いている皆様へ」という書き出しのメールが来たのである。

じゃあ、WOWOW は何年なのか?と言われると、実はこっちも20年である。1991年4月本放送開始なので、厳密に言えば開局20年4ヶ月である。

僕は WOWOW (当時はJSB)がサービスを開始してすぐに加入を決意した。なんでもかんでもよく忘れてしまう僕ではあるが、その時の記憶は割合はっきり残っている。

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Wednesday, August 03, 2011

座学ノススメ

【8月3日特記】  先々月にとある監査法人が放送局向けに出したリポートを読んだのだが、その中に出てきた2つのキーワードが頭を離れないのである。

そもそも監査法人とか証券会社の経済研究所とかが放送について書いたものは、凡そ冒頭の10行以内で「これ書いてる奴、放送業界のこと解ってないよな」感が臭ってきて、最初の1ページ読み終わった時点でこの先も読むかどうか悩んでしまうものが多い。

ところが、この監査法人のリポートは珍しくよく書けていて、却々説得力があった。で、その中にいろいろ出てきたキーワードの内の2つが「キャッチフレーズ化」と「タテマエ化」である。これらは民放の経営計画が形骸化するパタンを総括している。

キャッチフレーズ化は、例えば「我が社はスーパー・コンテンツ軍団になる」などとキャッチフレーズを掲げるのだが、それが何を意味しているのかさっぱり解らない、というようなケースである。

さすがにさっぱり解らないようなキャッチフレーズを掲げる会社は稀だろうから、上記のようなキャッチフレーズは実際には極端な例ということになるが、しかし、そこまで行かなくても、じゃあそのキャッチフレーズを達成するために何をすれば良いのかがちゃんと見えてこない、伝わってこない、なんてことは非常によくあるのではないだろうか?

そして、それとは対極にあるのがタテマエ化である。例えば、「これからはコンテンツ重視で行く」などと宣言しておきながら、いざ売上予算が達成できていないとなると、「とりあえず番組制作費を削減せよ」などという命令を平気で下すようなケースである。

あるいは、「これからは現場が自主的に全てを決めて行くべきである」などと説教を垂れておきながら、それとは裏腹に上がってきた案を悉くボツにする、なんてのも同じタテマエ化に分類して良いのではないだろうか。

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Monday, August 01, 2011

iPhone を待つ

【8月1日特記】  9月に新しい iPhone が発売されるものとして、それを機会に docomo を捨てようとして少しずつ準備を進めている。今持っている iPhone 3GS は当然新しいものに買い換えるつもりなのだが、同時に所謂「2台持ち」を解消しようと思うのである。

今までそれができなかったのは、ひとつには docomo を捨てた瞬間に全ての携帯サイトの会員登録がキャンセルされるので、結果的にウチの携帯サイトの会員数が1減になってしまうからだ(ちなみに iPhone では携帯サイトは見られないし、当然会員登録もできない)。

1人くらい別に構わないではないかと思われるかもしれないが、減ることよりも、携帯サイトの責任者としてそれはどうよ、という思いもあった。が、幸か不幸か、今は携帯サイトとは無関係なセクションに異動しているということもあるし、もう義理を果たしたかなという思いもある。

それから、もうひとつ踏みきれなかった理由は、妻と2人で登録している docomo の家族割引である。僕一人が止めてしまうととても効率の悪いものになってしまうと躊躇していたのだが、それも妻が iPhone に買い換える気になったので全く問題なしである。

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