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Tuesday, July 12, 2011

ソーシャル・メディアの始まり

【7月12日特記】  ココログに Tweet ボタンが付いてもうどれくらいになるのか知らないが、今まであまり意識したことはなかった。それはひとえに僕のブログではそのボタンをクリックしてくれる人がほとんどいなかったからに他ならない。

ところが、最近は時々そのボタンが押されていることがあり、少し驚いてしまう。1人2人ならいざ知らず、何人も押してくれていたりするとなおさら驚いてしまう。

もちろん今までだって読者数を確認する手立てはいくつかあった。例えばアクセス・カウンタなんてものはホームページの創世記からあったし、例えばこのココログならアクセス解析という機能でいろんなことが判るようになっている。

ただ、それはテレビの視聴率と同じで、このサイトを訪れてくれた「数」を表しているだけのことで、読み耽ってくれたのか斜めに読み飛ばされたのか、あるいはろくに読まずに他のページに遷移してしまったのかは不明である。満足してくれたのか不満が残ったのか、好意を持たれたのか何とも思われなかったのか、あるいは不運にして嫌われてしまったのかも全く知る由もなかった。

僕はまあ、この問題については、「なんかの間違いでこのページにたどり着いてしまったけれど、ろくに見もせずに他のページに飛んで行った人も多かったのではないかな」などと割合軽く考えてきた。いや、軽く考えるように努めてきたと言ったほうが良いかもしれない。

ところが、それを tweet してくれたとなると、これはもう、単に読んでくれただけというレベルでないのは明らかである。好意を持たれたのか悪意を持たれたのかまでは分からないが、ともかく何かを感じてくれたということだけは確かである。

そして、そういうところからネット生活の新しい局面が始まる。これをソーシャル化と呼ぶか、あるいはビジュアル化と称するのか、まあ、なんであれ、読者の存在を意識するということである。そして、読者の存在を意識し始めると間違いなく怖くなる。

僕らはこの過程を何度となく繰り返してきたはずだ。ホームページを作ったときはただみんなに見てもらいたくて、ブログを書き始めたときにはいろんな人に読んでもらいたくて、でも、本当に見てくれているのか読んでくれているのかあまり実感のないまま時間が過ぎた後、突然罵詈雑言のメールや書き込みが来る。

そういうところで僕らは突如として読者の存在を、しかも、自分とは違う感性や価値観の持ち主である読者の存在を感じ取る。もちろん、好意に満ちたメールやコメントも寄せられはするが、それはかなり良いものが書けたとき、きれいなページができたときなどに限られる。むしろ、ふと軽い気持ちで書いた文章に対して寄せられる悪意に満ちた攻撃によって、僕らは読者の存在を知らされるのである。

そうして読者の存在を知ってしまうと、間違いなく怖くなる。暫くは落ち込んだり萎縮したりする。そして、うまく気を取り直すことができたなら、そこから精進して、ネットでの書き方のテクニックを磨きながら、結局また書き続けることになる。

そしてまた、何かのきっかけでまた読者の存在を思い知らされ、暫くは落ち込み萎縮し、そしてまた、考え方を整理して書き方を工夫して、なんとか書き続けるのである。

僕らはそうやって何度も同じことを繰り返しながら、ひとつひとつ壁を乗り越えて来た。

そして、今度は Tweet ボタンである。いや、これは読者の存在を思い知らされるなどという問題ではない。

ひょっとすると、自分の書いたものが、良きにつけ悪しきにつけ、ものすごい勢いで拡散される怖さがあるということである。単に1人に悪意を抱かれただけでは済まず、それが10人、100人と増幅されてしまう可能性があるということである。

今度はフェーズがひとつ上がって、なおさら怖くなる。そしてそれが、怖くて楽しいソーシャル・メディアの始まりなのである。

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