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Friday, July 29, 2011

供養

【7月29日特記】  高校の同窓生が山で遭難して死んだ。

同窓生と言ってもよく知らない奴だ。同じクラスになったことはないし、在学中の記憶は一切ない。

卒業後30年近くたってから同窓会活動が一気に活発になったので、ひょっとしたら同じ同窓会に出席してたことがあったかもしれないが、いずれにしても喋ったことはない、あるいは、喋った記憶がない。

そんな奴だからかもしれないが、僕が彼の訃報に接して思ったのは、不謹慎と言われるかもしれないが、「へえ、山で遭難して死ぬなどという死に方が本当にあるんだ」ということだった。

突然山登りがしたくなって山に行って突然死んでしまった訳ではないだろう。多分、山が好きでしょっちゅう山に行っていた奴なんだろう。でなければ却々そんな死に方はできないはずだ。

いや、だから幸せだなんて言う気はない。そもそも死んでしまったら幸せもへったくれもないと思っているので、山で死ぬ死に方が彼にとって幸せな死に方だったなんて言うつもりはない。

でも、多分、それは「らしい」死に方だったんだろうなと思う。

いや、彼らしい死に方だから何だ?と言われると、何だとも言わない、言えない、言う気もない。

むしろ、だからどうだと訊かないでほしいと思う。

僕らは日頃何かと言うと So what? と相手の真意を問い、あるいは相手を追い詰めて行く。

だけど、人が死んだ時ぐらいは So what? はなくても良いのではないかと思う。行き止まりの路地みたいな会話を淡々と積み上げれば良いのではないかと思う。

それがある意味供養なのではないかと思う。いや、供養になっていれば良いなあと思うだけかもしれない。ただ、少なくとも僕としては「へえ、そんな死に方があるんだ」というのが彼に対する供養であるような気がする。

あるいはそれは僕の一方的な思い入れで、完全な独りよがりかもしれない。死んでしまった彼がもしまだ生きていたらどう言うかは分からない。しかし、彼はもう生きてはいないのである。


【追記】 この文章を読んでくれた元同級生から、「話すことも供養なので」というタイトルのメールが来た。

彼はまさに「突然山登りがしたくなって山に行って突然死んでしまった」のだそうである。

これを聞いてまたしても僕が思ったのは、「ふーん、突然山登りがしたくなって山に行って突然死んでしまうなんて死に方があったのか」ということだった。

「だから素人が山なんか登るものではない」とか「どんな低い山でも山を舐めてはいけない」とか、いろんなことは言えるだろう。

また、死に方はともかくとして、「突然山登りがしたくなって山に行く」ことが彼らしいとからしくないとかも、彼をよく知る人たちは語るのかもしれない。

確かに話すことも供養だろう。僕は何かを話すほど彼のことはよく知らない。知らない奴がこんなことを書いているのも、それはそれで供養なのではないかと思ってはいるが。

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Comments

やまえーくん

とても的を射たメッセージ。
彼はきっと、「人生、こんなんかな」と思って納得して別の世界にいらっしゃったのかっと。
残された、奥さま高1の息子さんの想いは計り知れないものがあると思います。
こんなこと書いたら、百叩きにあうかもしれません。
でも、彼のような残りの人生送りたい、と思うのは身勝手かな。
叩いてくれ~
でも、アタシ、そんな行き方って好きなの。
ヤマヘーの曲がりくねったメッセージもメッサ共感する。

なんでもかんでも、琴線に触れたらオーライなん。

折り返し地点をすぎたオバハン

Posted by: はな’ちゃん | Friday, August 05, 2011 23:28

> はな’ちゃん

ども。なんか同窓生ホイホイになってきたなあ。そして、テンションの高い、如何にも「らしい」コメントをありがとう。もうちょっと生きて、もうちょっと進化したいね。

Posted by: yama_eigh | Saturday, August 06, 2011 10:47

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