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Monday, April 25, 2011

車中にて

【4月25日特記】 ここ何年間かで急に顕著になって来た傾向だと思うのだが、最近満員電車のドア付近に立っていて、電車が駅についてドアが開いても降りない人が非常に多くて驚いてしまう。

僕は降りる。自分が降りない駅でも一旦電車の外に出る。降りる人がいなくなってから再び乗り込む。──僕らはずっとそうしてきた。一体いつからそうしない人が増えてきたのだろう? そして、それは何故なのだろう?

最近の若者はわがままになってきたんだ。

下手するとそんな浅い考察結果にたどり着いてしまう。そして、

それは親の教育が悪いからだ

などと、次の推論に飛んでしまう。

しかし、ちょっと考えれば解るはずだ。もしも最近の若者がおしなべてわがままになって来たのであれば、立場が変わって自分が満員電車から降りようとするときに、ドア付近で仁王立ちしている奴が邪魔になって喧嘩になるはずである。

そうはなっていないということは、これは「最近の若者はわがままになった」というような単純なことではない。どこかで“作法”が変容してきているのである。

我々は油断するとすぐに単純な推論に乗り、誤った結論に飛びつき、そこからさらに外れた議論を延長してしまう。しかし、ほんの少しだけ粘って考えなおしてみれば、それが誤りだと解ることは多いのである。

安易に結論を出さずに、もっともっともっと考えて考えて考え詰めるべきなのである──それが何十年か生きてきた僕が得た教訓である。

ところで、では、何故電車から一旦降りない人が増えているのかは見当もつかない。もう少し観察して、もう少し考えて、できれば話も聞いて、引き続き考えて考えて生きて行きたいと思う。

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