続『schola 坂本龍一 音楽の学校』
【2月22日追記】 NHK教育『schola 坂本龍一 音楽の学校』 の続き。
実はまだ全部見終わってなくて、いま最後の4回シリーズであるドラムズ&ベース編の途中なのだが、見ていてちょっとショックを受けたことがあった。
この編では高橋幸宏が実際にドラムを叩きながら、自分が影響を受けたいろんなドラマーたちのスタイルや音について、他の番組では決して聞けないような実に深い解説をしてくれているのだが、その中で「人生で一番影響を受けたドラマーをひとりだけ挙げるとすれば?」と訊かれて、ユキヒロ氏はこう答えたのである。
「リンゴ・スターだね」
僕は今日に至るまで、ずっとリンゴ・スターというのはあまり上手くないドラマーだと勝手に思い込んでいたのである。
そもそも僕がミュージック・シーンに登場した頃は、バンドを組んだ時に、運動神経やリズム感はあっても一番音楽的才能に欠ける奴がドラマーをやるという先入観があった。いや、当時の中学生バンドの多くに本当にそういう傾向があったのではないだろうか?
──中学生の浅はかな思い込みだと言われればそれまでなのだが。
それに、あの錚々たるメンバーの中にあっては、非常に気の毒なことだが、リンゴにはいつも一番音楽的才能に乏しいメンバーという印象がつきまとった。
結構良い曲を書いていたりもするのだが、何せ他のメンバーがメンバーだし、作曲数も少ないので、どうしてもそう見えてしまう。
そして、音楽を聴き始めたばかりの僕にドラムスの巧拙なんか分かるわけもなく、やっぱり楽器が楽器だけに未だにそんなにちゃんと聴き分けられないまま、勝手にドラムスも下手なんだろうというイメージだけが独り歩きしていたのである。
The End のドラムソロを、当時めちゃくちゃカッコいい!と思って聴いていたにもかかわらず、なんだか理不尽に上手くないドラマーだと思い込んでいたのである。
そう、カッコいいドラムスを叩く人だった。
高橋幸宏の言葉に自分を恥じた瞬間だった。そして、彼がスタジオでリンゴのスタイルを再現してみせるのを見ながら、いやあ、この番組すごいなあ、と改めて脱帽したのであった。
うん、この番組、すごい!
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