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Tuesday, February 15, 2011

ミニブログは穴あき生姜の夢を見るか?

【2月15日特記】 今日の日経の朝刊1面に「ミニブログ『ツイッター』」という表現を見つけて思い出したことがある。

あれは多分僕が小学校の1年生くらいのときである。多分法事か何かだったんだろうと思うのだが、親戚一同が集まる場があった。

そこで僕は親戚のおばさん(伯母さんや叔母さんではなく、もう少し遠い、父の従姉妹とか何かだと思う)からこう訊かれた。

「好きな食べ物は何?」

大人は本当に無意味な質問をする。

「お父さんとお母さんとどっちが好き?」なんてのもその最たるものだ。訊かれた子供は今までそんなこと一度も考えたことがなかったのに、その問いに答えるために考える──。

で、例えば「お母さん」と答える。答えてしまってから、自分はお父さんのことはそんなに好きではないんだ、という気がしてくる。無意味な質問の弊害だと思う。

このときもこの親戚のおばさんは何を意図して僕に好きな食べ物を問うたのか知らない。単に思いつきの無意味な質問であったと思う。僕は暫く考えて答えた──。

「しょうが」

そう、僕は紅生姜が好物だった。それに対して、そのおばさんは声を裏返してこう言った。

「しょうが!? しょうがってなんや? そんなもんばっかり食べてるからガリガリやねんで!」

多分、子どもらしい「ハンバーグ」とか「カレーライス」とかいう答えを期待していたのに、僕がそれを裏切ったから声が裏返ったのだろう。

そして、僕は確かに痩せた少年だった。偏食も多かった。好き嫌いが激しいから栄養が行き届かなくて体が育たない、というのは想像力の欠如としか言いがたい、本当に凡庸な連想であるとは思うが、まあ、ありがちな思い込みであるとは思う。

しかし、僕は単にしょうがが好きだと言っただけで、しょうが以外のものを口にするのを拒んだわけでもないし、しょうがさえ食べていればどんなにガリガリでも構わないと全世界に向けて宣言したわけでもない。

それを悪し様に一刀両断にされて、小さな僕は深く深く傷ついた。いつまでも心に傷が残った。小6だったか中1だったかのときに『罪と罰』を読んだ際には、ラスコーリニコフを自分に、彼が殺害する老婆をその親戚のおばさんになぞらえて読んだ。そのくらい彼女を憎んだ。

まあ、そういう風に思ったことは何でも迂闊に口にする女性だったので周囲とのトラブルが絶えず、何が原因であったかもう憶えていないのだが、その何年か後に今度は僕の姉がそのおばさんと激しく対立し、大げんかの末に絶縁宣言してしまった。

僕はこれ幸いと、それに便乗して彼女及びその家族と絶縁した。

ただ、それはそれとして、僕に偏食が多くて母が困っていたのは確かで、ほとんどが食わず嫌いだったいろんなものを、あの手この手で食べさせようと苦心していたのも事実である。

そういうエピソードの1つとして、「穴あき生姜」がある。

「穴あき生姜」とはレンコンのことである。レンコンを食べようとしない僕に、母は「これは穴のあいた生姜である」と騙して食べさせようとしたのである。「穴あき生姜」だと言われて僕はそれを食べた。そのおかげでレンコンは山ほどあった「嫌いな食べ物」の1つにならずに済んだのである。

さて、ここまでが前振り、と言うか余談である。

何が言いたかったかといえば、ツイッターを「ミニブログ」などと称するのはレンコンを「穴あき生姜」だと言うのと同じだという気がするのである。それはツイッターのことが全く解らない人に便宜的に解ったようにさせるための「その場しのぎ」であり、ツイッターの実態や本質は何も表していないのである。

日経の同じ紙面には「インターネットメディアのフェイスブック」という記述も見られる。これもフェイスブックを知らない人のための説明だ。しかし、ここでは「ソーシャル・ネットワークの」とか「SNS の」とかではなく「インターネットメディアの」という説明が使われている。

「ソーシャル・ネットワークの」や「SNS の」では解らないと判断したのだろう。

ならば、ツイッターも「インターネットメディアの」で良いではないか?

ブログとツイッターの両方を知っている人からすれば、後者を「ミニブログ」と称するのは丸っきり的はずれな説明である。ブログのことをよく知らない人に対しては全く意味のない説明である。ならば「インターネットメディアの」のほうが遥かにフェアな説明である。

もういい加減に twitter のことを「ミニブログ」と称するのはやめませんか、と思うのである。

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Comments

>彼が殺害する老婆をその親戚のおばさんになぞらえて~

ウケました。w

偏食にかけられたのは、わかりやすかったです。「どんな味だ? うまいのか? 栄養になるのか? 見るからに体に悪そうじゃないか!」と言ってる人が多く、ってか「喰え!」とだけ言いたい今日この頃です。

Posted by: yully | Wednesday, February 16, 2011 at 11:47

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