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Sunday, February 27, 2011

メモは愉し

【2月27日特記】 若い頃、外回りの営業マンになってすぐのときに、社内の会議でスポンサーとの交渉結果を説明しようとして、ある細かいポイントが思い出せずに言葉に詰まってしまったことがある。

時の部長は関東出身の人格者だった。穏やかに、しかし、厳かに、「やまえー、憶えられないんだったらどうしてメモを取らないんだい?」と言った。

あ、そうか、メモを取ればいいんだ、と思ったが、実のところ、メモを取るのはあまり得意ではなかった。

それから何十年経って、立場が変わって自分が管理職になったとき、なんでもかんでも忘れてしまって放ったらかしにして、凡そ仕事にならない若い女性が部下になった。

彼女の上にいた女性の先輩社員が、「憶えられないのなら、どうしてメモを取らないの!」と叱ったら、彼女は「あたし、小さい頃からメモってものが取れた試しがないんですよねー」と答えた。

いや、僕は彼女と同じではない。僕の場合は別に小さい頃からメモが取れないわけではない(笑) ただ、客先で手帳なりメモ帳なりを広げてメモを取ることになんとなく抵抗があったからである。最初からメモを広げて待つのは気が進まなかったし、途中でメモ帳を取り出すのも気が引けた。

しかし、今では頻繁にメモを取る。それは仕事上の相手の言ったことではない。いや、仕事のメモも取るには取るが、比率として圧倒的に多いのは自分の個人的な案件である。

ああ、あれが切れたから買わなきゃ。メモしとこう。あっ、この曲いいなあ、ダウンロードしよう。曲名書いとこっと。この映画3/12封切りか。忘れないように書いておこう。おっ、これはブログのネタに使えるなあ。このテーマを広げたらホームページのエッセイが1編書けるかも。メモっとこう。

等々、昔はメモに取ろうなんて思いもしなかったことを、まめにどんどんメモしている。メモを取っておいたおかげで助かった、得したなんてこともたくさんでてきて、初めてメモの効用を知った。

メモを書きつける場所は紙の上ではない。iPhone である。iPhone だから、まめにメモを取る気にさせてくれるのである。これがこの機械の不思議な魅力だと思う。

Evernote でネット上の storage と同期しているが、別にクラウドの恩恵をそれほど被っているわけではない。ただ、すぐに取り出せてすぐに書ける、そして何度でも書き直せるというところで満足しているのである。

仮になくしてもネット上から復元できるというのはその次の魅力である。

それだけではない。テキストのみならず、スナップショット(写真)やホームページのクリップ、ボイスメモというような形でも保存できる。これはめちゃくちゃ重宝である。かつ、作業としても楽しい。

こういう便利なものが出てくると、どういう理由だか知らんが「メモってものが取れた試しがない」というような人は不幸な人だという気がしてくる。残念ながら彼女はもう会社をやめてしまったけれど、今はどうしているのだろう?

紙にメモは取れなかったけど、これを持ったらメモするようになりました、などと言いながらスマートフォンを取り出す姿を想像したりしてみる。

いや、彼女に限ってそんなことはあまりありそうなことではない。ただ、iPhone に限って、そういうことが起こっても何の不思議もないような気がする。

良い時代になって来た。どんどんメモを取ろうではないか。

 

メモは愉し。

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