今日の BGM#49
【10月9日特記】 さて、今日もいつもの通り2回分まとめて掲載。
- 花(おおたか静流)
- 小市民(嘉門達夫と小倉久寛)
- オッサンマーチ(UNICORN)
- Ame(B)(サカナクション)
- フレンズ(小山ルミ)
- 雨が空から降れば(小室等)
- 伽草子(吉田拓郎)
- おきざりにした悲しみは(吉田拓郎)
1)は、オリジナルはもちろん喜納昌吉とチャンプルーズだが、おおたかがカバーして富士フィルムの CM で使われたもの。初めて聴いた時のあの鮮烈な印象をいつまでたっても忘れない。
2)は、自分で録音しておきながら、ああ、こんなんあったなあ、あったあった、と笑いが込み上げてくる──それこそ小市民かもしれない(笑) それにしても、この2人のコラボがどういうきっかけで成立したのか思い出せない。
3)は去年「再始動」した時の彼らのアルバム『シャンブル』に収められていたもの。いやあ、この曲はオッサンにしか書けない。オッサンらしい名曲だ。マーチではなくロックと言って良い──ロックの魂100まで。奥田民生ではなく手島いさむが作詞作曲し、リード・ボーカルも担当している。
4)はデビューの時から好きだったサカナクションの最近の作品。僕は彼らのちょっとプログレっぽいテーストに嵌るのである。
5)は平山みきの曲。平山みきと言えば『真夏の出来事』ばかりが話題にのぼるが、これもまた彼女のスマッシュ・ヒット(と言うほどは売れてないかもしれんが…)。ただ、僕の Walkman に入っているのは彼女のオリジナルではなく小山ルミがカバーしたもの。このアルバム『ドラム・ドラム・ドラム』こそ、知る人ぞ知る幻の名盤である。
6)は作詞・別役実、作曲・小室等による名曲。小室等と六文銭のオリジナル盤が手に入らなかったので小室自身によるカバー・バージョン(オリジナルとあまり変わらないが、及川恒平によるコーラスが被ってこないのが残念)。
ところで僕は当時別役実が劇作家であるなんてことを全く知らずにこの曲を聴いていて、大学時代に劇団卒塔婆小町(「劇団そとばこまち」の前身)の舞台『淋しいおさかな』を観に行って、「あ、『雨が空から降れば』の人が戯曲書いてる!」と思ったのだが、なんのこたあない、岸田戯曲賞受賞者だったと知って大いに驚いた記憶がある。
7)はアルバム『伽草子』のタイトル・ナンバー。僕はこのアルバムを買った当初、なんでこの曲がこのアルバムのタイトル・ナンバーなのか腑に落ちなかった。それが年月を経て、聴き込めば聴き込むほど良さが染みこんできた。この曲の味は中学生や高校生には到底理解できないだろう。
この曲の魅力は、もちろん拓郎による衒いのない自然なメロディ・ラインや、柳田ヒロを中心としたアレンジの妙にもあるのだろうが、最も大きな要素は白石ありすによる詞だと思う。そのことに気づくために、僕は自分が成人するまでかかってしまった。いやあ、この詞はただ優しいように見えて、しかしガキには決して書けない深みがある。
さて、8)も同じく吉田拓郎(両曲とも厳密に言えば「よしだたくろう」時代の作品だと思うが)。僕の Walkman には拓郎の歌は大量に入っているので、シャッフル・モードでランダムに再生していても、こんな風に2曲続くことも珍しくない。こちらは岡本おさみの詞。
この岡本おさみの詞と先ほどの白石ありすの詞を比べると、明らかに白石のほうがこなれて深い感がある。当時の岡本はまだ若かったのである。基本的にやや観念的でちょっとわざとらしい表現を好む傾向のある人だが、若いだけになおさらそういう感じが強い。彼が『落陽』を書く境地に到るのはまだ何年か先のことなのであった。
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