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Thursday, August 26, 2010

『ゲゲゲ展』に思う

【8月26日更新】 昨日、ゲゲゲ展に行ってきた。阪神百貨店本店8階の特設会場である。かなりの人が入っていた。

Gegege

いろんなものが展示してあるとも言えるし、大したものはないとも言えるのだが、大した人の入りであることだけは確かだ。そして、その大勢の人たちが、水木しげるの今日まで88年の人生に対しても、あるいは彼が描いてきた様々な作品や妖怪たちに対しても、ともに並々ならぬ興味と好意を示しているのがすごいなあ、と思った。

直接的にはこのイベントはNHKの朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』のヒットを受けて企画されたものだろう。僕は松下奈緒という女優があまり好みではないこともあって見てはいない。たまたま何度か見たときにはそれほど面白いドラマだとも思わなかったのだが、視聴率的には大成功の部類である。

しかし、だからと言って、番組人気にあやかってのこういう展示会というのはなかなか成功しないものである。

特に水木しげるのドラマは観てたけど、水木作品には興味がないとか、あるいはその逆のケースというのは往々にしてあるものである。

もちろん、『ゲゲゲの女房』は突然当たったわけではなく、その何年か前から水木しげるブーム/ゲゲゲの鬼太郎ブームというものがあり、郷土の鳥取に銅像が並んだり、空港の名前が変わったりという社会現象はあったし、『ゲゲゲの鬼太郎』の実写映画化もあった。

そして、それを受けての水木しげるの伝記ドラマであるが、向井理人気という要素もあろうが、上手く流れに乗っている気がする。

一口で言って「相乗効果」ということだろうが、これほどきれいに効果が現れることがまれなのである。鬼太郎人気でドラマもそこそこ好評だったとか、水木しげるブームで作品に対する注目度も高まった、なんてところが一般的なのだが、このゲゲゲ展に来ているお客さんたちは、水木しげるの人生を物語る展示物と、水木しげるの数多くの創作物と、その両方に対して、等しくただならぬ興味と関心を抱いているところがすごいなあと思った次第である。

それでちょっと思い出した。

僕の勤めるテレビ局は、サッカーのJリーグができたときに、その突然降って湧いたサッカー・ブームにあやかろうとして、サッカー・ドラマを作ったのである。

ところが、テレビのJリーグ中継は高視聴率を収めたものの、サッカー・ドラマは鳴かず飛ばずで途中打ちきりになってしまった。そりゃ、ドラマの作り方がまずかった部分もあったのかもしれない。しかし、それにしても世間でサッカーが突然こんなに注目を浴びてる時に、サッカー・ドラマはここまでの不人気かいと思うような体たらくであった。

何かの人気にあやかって何かをするというのは往々にして失敗するもの、とまでは言わないまでも、却々大ヒットには繋がらないのである。

それだけに、このゲゲゲ展の健全な盛り上がりに驚き、羨ましいと思ったのである。

グッズもよく売れていた。お菓子も玩具も衣類もステイショナリーも。レジ前の行列を見て、結局何も買わずに出てきたのだが、少し未練が残っている。

特に、全面に連続して何体もの妖怪の絵が描かれたトイレット・ペーパーと、装丁家の祖父江慎氏とのコラボによるクリアファイルがほしかった。またグッズだけ買いに行くかもしれない。

出口のところに、宮藤官九郎主演(当然水木しげる役)で作られる映画のチラシも置いてあった。こちらも楽しみである。そして、こちらも(地味な映画の割には)当たるのではないだろうか?

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