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Tuesday, July 27, 2010

映画館へ行こう

【7月27日特記】 今年の映画鑑賞本数はここ数年と比較すると少し多い。ひとつにはこれは試写会が増えたからだ。

僕の担務が変わったわけではなく、僕の所属しているセクションが、かつてはメディア系であったのがコンテンツ系に再編されたから、つまり、かつては地上デジタル化とかデータ放送とかインターネットとかモバイルとかをやっていたセクションだったのが、映画出資やDVD出版やインターネットやモバイルを扱うセクションに再編されたからである。

こういうセクションにいると自社出資のものからそうでないものまで、次から次へと試写の案内が来る。最初はよろこんで行きまくっていたのだが、こんな風にブログで映画レビューなどを書いていると結構不自由な思いがすることに遅まきながら気がついた。いや、最初から気づいてはいたのであって、「思い知った」とでも言うべきなのかもしれない。

だから、最近は少し控え気味にはしていて、『ソラニン』、『武士道シックスティーン』、『カケラ』、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『川の底からこんにちは』などは試写会で見ようと思えば見られたのだが、そうはせずに一般公開を見た。

とは言え、自社出資のものはやはり早いタイミングで観ておく必要があるし、招待状をもらうとついつい観に行ってしまった作品もある。

その結果どうなったかといえば、当たり前の話だが、映画館で見る回数が減ったのである。で、これまた当たり前の話なのだが、東宝配給の試写会がその中でも多いために東宝系の映画館でロードショーを見る機会が減っているのである。

映画館ができて以来非常に足繁く通い詰めて、今や生涯で3番目に多く訪れた映画館である TOHO シネマズ西宮 OS での鑑賞回数が、ここのところ目に見えて減っているのである。

一時はすぐに生涯最多訪問映画館になるだろうと思っていたのだが、ここのところ停滞してシネ・リーブル神戸の40回、テアトル梅田の34回に次ぐ33回に留まったまま3ヶ月が過ぎてしまった。

ま、仕事だから仕方がない部分もないではないのだが、あまり「役得」だなどと喜ぶべきものではない。映画はやっぱり自分でお金を払って映画館で見るものだなあ、と最近つくづく思うのである。

タダで見せてもらった映画を批評する難しさ、自社出資の映画の扱いの微妙さ、公開より前に書くことの制約、等々いろいろある。

もちろん気は遣っても嘘はつけるものではない。即ち、タダで見せてもらっていようと自分の会社の肝入りであろうと、「なんだ、この映画は! ひどいなあ」と感じた作品を「なかなかの傑作である」とは書けたものではない。

それに常々、と言うか今の職場環境になる前から僕は、頭ごなしに貶すようなことはしないように気を遣ってきた。どんなにひどいと感じた映画でも、せいぜい「こういう作品が好きな方もおられるのだろうが、僕はどうしても入り込めなかった」くらいの表現に留めてきたつもりである。

今までに1作だけ、「この映画は褒めようがない。貶す以外に書くことがない」と思った作品があったが、その時は記事を書くのをやめた。それくらい「貶すだけ」というのは避けたい気持ちがある。

それでも、どんなに表現を抑えてもやはり否定的な思いは表面に滲み出てくるようで、自分では極力貶す表現を控えた記事を書いたつもりだったのに、それを読んだ制作関係者から「ここまでの酷評とネタバレをを書かれてしまうと…」と言われたこともある。

そう言われると、今度は書いた僕のほうがショックを受けたのであった。ネタバレにしても普段から極力避けるようにしているつもりなのだが、件の記事の場合は何故僕がこの映画を褒められないかを丁寧に説明するためにどうしても必要だったのである。

そして、それよりも何よりも、適切な気配りはしながらできるだけ淡々と書いているつもりであっても、どこかで無意識に過剰に気を遣っている自分の存在を否定できない気がするところが一番居心地が悪いのである。

やっぱり、自分で金払って自分の好きなときに自分の好きなとこで見て、そして自分なりの節度を守りながら自由に書くのが、最高の映画鑑賞であるような気がしてならない。

今年の後半は意識的にもっとその機会を増やして行きたいと思っている。

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