映画『戦闘少女』
【6月10日特記】 映画『戦闘少女』を観てきた。
井口昇監督の原案を、井口昇本人と西村喜廣、坂口拓の3人が1章ずつ監督を務めた少女スプラッタ戦隊ヒーロー(ヒロイン?)・アクションもの(笑)
主演のアイドル3人は凛役の杉本有美、玲役の高山侑子、佳恵役の森田涼花。
もう血が出るなんてもんじゃない。耳はちぎれる、手は切断、首ははねられ、顔3等分、目玉は飛び出し、内蔵ぶちまけて、血しぶきの雨あられ、等々。そういうのが苦手な人は絶対見てはいけません。
んでもって、最初に書いたように、これがちゃんと(ちゃんとと言うのも変だが)少女アイドルのコスプレものなんですよね。セーラー服だったりナースだったり。
で、体の一部が凶器に変化するというのが突然変異とか人造人間とかかと思いきや、彼女たちはそもそも人類ではなくヒルコ族だったという設定。
ヒロインの凛は右手が鉤爪になる。彼女の父親はおっぱいとペニスがなんかぐちゃぐちゃした生き物っぽいものだったり、あとミュータント・ガールズたちは人(いや、ヒルコ)によってお尻からチェーンソーとかおっぱいから日本刀とか、まあ井口監督らしい奇想天外の度肝を抜くエロ・グロ・ナンセンス。
出てくるヒルコ族のほとんどが少女というインチキな設定が良い。見事に程良くエッチである。
ちゃんとあちこちで笑いを取りながら、しかし、特撮部分も予算の割にかなりしっかりと作り上げた、いつもどおりの手抜かりのなさだが、しかし、ストーリーはやや「やっつけ」っぽい感じがしないでもない。
ちょっとご都合主義が見えるので『ロボゲイシャ』や『古代少女ドグちゃん』ほど対立軸がくっきりと描けていないのである。そういう意味でカタルシスに届かないで終わっている面は否めない。
まあ、でも登場する3人の戦闘少女がそれぞれに個性的でカッコよくて可愛く撮れている。これで監督の狙いはほぼ100%達成されているのだろう。適度にバカバカしいところまで監督の狙いなのだと思う。
敵役のうち、竹中直人に存在感があるのはともかくとして、亜紗美が非常に良い味を出しているのも、『ドグちゃん』パイロット版のファンとしては嬉しい限りである。
確かに残虐なシーンが多く、幼い子供に見せるにはさすがにショックが強すぎるだろう。しかし、こういうのが好きな大人が見る分にはあまり目くじらを立てても仕方がない。
井口昇は愛すべき監督である。これは笑いながら観る映画である。決して顔をしかめてはいけない。だらりと力を抜いて観ると、なかなか楽しい良い映画ではないか。
まあ、でも、重ねて書くが、切ったり血が出たりというのが苦手な人は決して見ないほうが良いだろう。
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